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名もなき剣士8:三者三様

リグナ=バストの朝は、いつもどこか騒がしい。


依頼掲示板の前では、新人冒険者が押し合いへし合いしている。

その喧噪をよそに、レオン、カイル、ライナの三人は少し離れたテーブルに並んでいた。


「で、今日の依頼だけど……」


ライナがちらりとレオンとカイルを見る。


「昨日言ってた、“三人で行く”って話、アレ正式ってことでいいんだよね?」

「……問題ない」

「俺も異存はない」

「やったーっ!」


ライナが拳を小さく振り上げた。



「──どんな依頼にするか、性格でるよねぇ」


しばらく依頼を眺めていたライナが呟く。

レオンは黙って討伐系の依頼を見ている。カイルは警備任務や調査依頼に目を通していた。


「あ、これとかどう? 報酬もそこそこだし」


 『調査依頼:西方の旧街道沿いに出没した魔獣群の情報収集』

 『推奨ランク:B級以上。討伐の場合は三名以上を推奨』

 『備考:地域一帯で家畜の被害多数。拠点近くに魔力反応あり』


「……いいだろう」

「やるか」


レオンとカイルがそれぞれ答える。


「じゃ、決まりってことで! 三人で初任務、張り切っていこー!」


三人の意見は、静かにまとまっていった。



掲示板の前では、ひそひそと話す声が聞こえてくる。


「最近昇格した“剣のやべーやつ”だろ? 魔力ゼロって噂の……」

「隣の女の子も、なんか強いらしい。崖の上から飛んでたって……」

「銀髪のやつ、知ってる!たしか、Aランクのソロ専門だったはずだ」

「へえ、そんな奴がパーティに? こりゃ面白くなってきたな」


レオンは噂の的になっていることに気づかないまま、淡々と依頼の受付を済ませる。


「行くぞ」

「りょーかい!」

「了解」


三者三様の答えが、同じ方向へ向かっていた。

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