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星読みのシュナ。家族に捨てられましたが、もふもふと出会い幸せになりました。  作者: 四季 葉
第2章 灰色のもふもふ

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~閑話~ シュナがいなくなったその後で(5)

 

 ――それにしても、困ったものです。


 こういう輩はノアが最も嫌悪するタイプの人間です。正義感が強いところは彼の長所なのですが…どうしましょう。

 勇者なのにいきなりキレて暴れだしたりしたら…策もなく、なにもかも台無しになってしまいます。何より、まったく収集がつかない状況になってしまうことでしょう。私は内心冷や汗ものです。

 向こうが無害な民のフリをしている以上、なんの力もない民に暴力を振るったとして吹聴でもされたら、私達の旅はここで終わり。悪者になってしまいます。勇者一行の評判が落ちることに関しては正直私はどうでもいいですが、極悪人になってしまうことだけは絶対に避けなければなりません! 

 これからの人生、生活に支障がでてしまうので非常に困ります。私はそれが心配でなりません。


 ですが、彼がキレて暴れだす前に頭脳派のアイザックがなんとか機転を利かせ、族長の化けの皮を剥いでくれました。それに戦士であるサガが、力技ですが…死者を出さずに穏便に場を収めてくれたのです。そして私達はシュナと言う子の在処を聞き出すことに成功したのです。

 パチパチパチ…――心の中ですが拍手喝采。素晴らしきファインプレー! やはり持つべきものは仲間ですね。私は清々しい気分で村を後にしたのです。




 「しかし…あいつら! ほんと胸糞悪い連中だったな!」

 「ああ、まったくだ…。実の子供を生贄にすることに、良心すら痛まないのか…!」


 シュナと言う子の居場所を聞き素早く村を去った後。私達はミケーネ山のとある洞窟を目指し山を登っていました。

 眼下に小さく見える村を睨みつけながらサガとノアの二人は怒りを隠せないようですね。


 「まあまあ、二人とも落ち着いてください。クズどもに腹を立てても時間の無駄ですよ。ああいった価値観で、常日頃からそれが当たり前だと思い生きている連中なのですから。何を言っても心には届かないでしょう。いずれ巡り廻って自分たちに降りかかる。その時になって初めて気がつく。ですが、気がついた時にはもう手遅れになっている。おそらくそんなタイプの人間でしょうね」

 「そうですね…。神は何度でも気づきのヒントを与えてくれる。ですが気がつかなければいずれ自滅する。それは本人たちが選択したこと。これもまた神の御心なのでしょう」


 村人たちの態度に憤っているノアとサガに対し魔法使いのアイザックは冷静に諭します。私はアイザックの意見に同意しました。冷たいと思われるかもしれませんが…私が所属している教会もまたこのような考えの持ち主は珍しくありません。

 ですがノアやサガのように、間違っていることを素直に憤ることができる。見て見ぬ振りをする輩も多い中、彼らの存在はほんとに眩しいものですね。


 私たちはそれから黙々とミケーネ山へと登り続けました。

 そして、星読みの一族が言っていた古の神――おそらくは魔王の配下の太古の魔物だと思われますが…その魔物の居場所をなんとか突き止め、目覚める瞬間に光魔法で弱体化させることに成功しました。ですが…完全に滅するまでには至らず逃げられてしまったのです。

 なにより、生贄にされた子供も見つからないまま、吹雪の兆候が見えてきた為やむなく下山することにしました。

 その子が無事にこの冬を乗り越えられることを切に願って。


 そして私たちは春が訪れると、再び星読みの一族が住む村を訪れたのです。

 族長を始め一族の方々は信じられないものを見るような目で私たちを凝視して固まっているようでした。でも、気のせいですよね。

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