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星読みのシュナ。家族に捨てられましたが、もふもふと出会い幸せになりました。  作者: 四季 葉
第2章 灰色のもふもふ

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冬の終わりの夜空

 

 ――久しぶりに見る闇を照らす満天の星空。

 ミケーネ山を登るときに見ていた同じ夜空なのに、今はあの時とは違いとても晴れやかな気分だ。


 僕は満天の星空を見ながら、今までの知識を使い星読みをおこなう。季節により星の配置は変わってくる。そこからいろいろなことが読み取れるのだ。僕くらいの能力だと星の配置から暦がわかるくらいだが、熟練の星読み――例えば一族の始祖ぐらいの実力があれば未来に起こる出来事を全て予測することも可能だと言われている。


 オニキスは興味深そうに僕の隣にやってくると、ちょこんとお座りをする。もふもふの尻尾を振りながら僕と同じように星空を眺めていた。やっぱり動物でも星空を眺めて楽しむことがあるのかもしれない。

 僕はオニキスの灰色のもふもふの毛を撫でながらほっこりと温かな気分になったのだ。


 今回、星読みで使う方位を計る道具は手元にはない。今までの知識を頼りに、僕は目視で星を見る。

 まず、夜空を見上げ中天に輝くひときわ明るいテラと呼ばれる金色の星を探す。テラは一年を通じて同じ場所で輝き続けている。これを起点とし季節により星の配置が変わってくるのだ。


 陽が沈む西側の空には、冬に現れる青白い星が輝いていた。真冬の白き狼と呼ばれる星座だ。冬の間、夜空を支配するかのように空一面に現れている。しかし西の片隅に移動しているということは、そろそろ冬の終わりを告げていた。

 そして東の空からは春を告げる女神の星座がその姿を現していた。

 …やはり春が近づいてきている。


 星の配置から大まかに計算すると、今は三の月の終わりぐらいのようだ…。


 四の月に入ればこの山岳地帯にも間もなく雨が降り始める。このミケーネ山は豪雪地帯だし、雪の解け具合にもよるが移動中の雪崩や氷河の危険はなるべくならば回避したいものだ。

 そのことを考えた上で、山を降りるのは春の女神の星座が中天に差し掛かる五の月の中旬頃まで待つべきだ。

 どちらにしろ一族の人間や冒険者らしき人達がこの場所まで登ってくるとすれば、天候が安定する五の月の下旬ごろになるはずだ。

 本当はこちらも下旬まで待ち山を下りたほうがいいのかもしれない。けどこちらの安全や、万が一にも見つかるかもしれない可能性も考えぎりぎりの選択だが、僕たちは五の月の中旬にここを出発したほうがいい。


 シュナは冬の終わりの夜空を眺めながら思いを巡らせていた。だが、ふと気がつけばもふもふしたものが、こんと肩に寄りかかってきていたのだ。

 傍らを見ればオニキスがお座りをしたままシュナに寄りかかっていた。スースーと寝息をたて眠っている。今日の久しぶりにたくさん走り回ったし、狩りもして疲れているのだろう。

 シュナはオニキスを起こさないようにそっと抱き上げると、洞窟の奥へと移動する。ふかふかの藁が敷いてある寝床に入ると、オニキスをそっと置き、自分もすぐ傍で横になると藁に潜り込む。そして静かな眠りへと就いたのだ。


 ――シュナ達は、五の月の半ばになるとこの洞窟に別れを告げ外の世界へと旅立ったのだ。


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