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星読みのシュナ。家族に捨てられましたが、もふもふと出会い幸せになりました。  作者: 四季 葉
第2章 灰色のもふもふ

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雪原の狩り

 真冬にしては珍しく、ミケーネ山の空は今日は晴れ渡っていた。


 日差しも少しずつではあるが、暖かくなってきているような気もする。

 冬至を過ぎれば日照時間は長くなると聞いてはいるが、やはり少しずつ春が近づいているということなのだろう。

 空を見ながらシュナはぼんやりとそんなことを考えていたが、ふと気がつけば近くの雪原で遊んでいたはずのオニキスの姿が見えなくなっていたのだ。

 今では後ろ脚の怪我も完全に良くなり、今日は久しぶりに青空も広がっている。それに吹雪が止んでいることもありイヌの習性(?)で、たぶんオニキスとしては思いっきり雪原を駆け回りたい気分なのだろう。すぐに戻ってくる、そう思ってはいるが、シュナとしてはやはり不安だ。


 オニキスを探しに行きたい気持ちもあるが…ここを動くのは自殺行為だ。雪山の天候は変わりやすい。今、空は晴れてはいるがすぐに吹雪になることもある。なら今の自分にはできることはオニキスの帰りを待つことだけだ。


 不安な気持ちを抱えたまま、オニキスの帰りをただ待っているだけというのも何か違うし…それなら、オニキスが帰ってきたときのことを考え、もう少ししたら夕飯の準備をしよう。そして今は黙々と猟師たちが使っていた道具の整理と手入れを続けることにしたのだ。

 使えそうな物は、春に山を降りるときに持っていくことにした。でも、さすがにちょっと自責の念に苛まれるので…持っていかない道具はせめて手入れをすることにした。お人好しかもしれないけど、自己満足としてこの場所を使わせてもらったせめてものお礼だ。


 猟師が使う道具を整理してみると色々なものがでてきた。狩猟で使う弓矢に、獣を解体するための大ぶりの刃物や小刀、罠などで使うロープなどの小道具だ。シュナは弓なら少しは使えるが…それほど上手くはない。どちらかというと罠を使って小動物を捕まえる狩りの方が得意だった。それに獣の解体や仕込みもできる。ならば持っていくのは、もっとも使う頻度の高い小刀。それに、罠で使うロープなどの道具だろう。

 今になって思えば、本当に魔法の才能がなくって良かった…。生きるために必要な狩猟の技術は本当に大切だとしみじみと実感する。不愛想だけどちゃんと技術を教えてくれた村の猟師さんに心から感謝した。もしかしたら家族よりも僕のことを考えてくれていたのかもしれない。そして勝手に、道具を拝借してしまってごめんなさいと。

 そうやってシュナはこれから使う物の整理をしていると、オニキスの声が遠くから聞こえてきたのだ。


「キャウキャウ!」


 声に気づきシュナは顔を上げて遠くを見てみると、オニキスが雪原の向こうからなにかを咥えてこちらに駆け寄ってくる。そして近づくにつれオニキスが咥えている物がだんだんと見えてきたのだ。

 ――雪ウサギだ!

 どうやらオニキスは狩りに行っていたようだ。

 洞窟に入り、オニキスはてくてくと僕の前に近づくとウサギを地面にそっと置く。そしてちょこんっとお座りをすると尻尾をぶんぶん振り、えっへんと誇らしげに胸を張っていたのだ。


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