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星読みのシュナ。家族に捨てられましたが、もふもふと出会い幸せになりました。  作者: 四季 葉
第2章 灰色のもふもふ

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旅立つ決意

 

 「どんな姿だったとしても、僕はオニキスのこと大好きだよ。だからそんなに怯えなくていいんだ。火が吹けるなんて凄いよ。僕は火属性魔法がからっきしだから凄く助かるし、それにどんな存在でもオニキスであることに変わりはないだよ」

「キュウ…」


 ほんとうに一緒にいてもいいの? ――と不安そうに鳴いているように僕には聞こえたのだ。

 もしかしたら、火の魔法を使っているところを見られたら、僕が気味悪がって逃げてしまうとオニキスは考えたのかもしれない。

 たしかに、魔法が使える動物はふつうに考えればいないよな。


 世界のどこかに聖獣や幻獣が僅かにいるくらいで…その辺にいたとすれば大多数は魔物ぐらいだ。

 でもオニキスは普通の魔物とも明らかに違っていた。僕の言っていることがわかるようだし、それはつまり人間の言葉が理解できるということを示している。おそらく知能も高いはずだ。一方、魔物には理性がなく己が動けなくなるまで、本能のままに生き物を襲う習性がある。


 魔物は凶暴で人間を襲って食べてしまうと聞くけど、オニキスが僕を食べようとしたことなど全くなかった。夜だってもふもふの温かい毛でぴったりと寄り添って眠ってくれるし…あとは、遊んでくれ! とよく体当たりをしてじゃれついてくるくらいだ。それにオニキスは雑食性だし、好きな食べ物は木の実と乾燥小魚だ! まあ、でも干し肉も食べるか…。


 口から火が吹け火属性魔法が使えて、普通の動物ではないという理由だけで僕はオニキスを気味悪がったり差別などしない。他とは違うという理由だけで、虐げられる悲しさは僕が一番よく知っているから…。

 それに、これだけは断言できる! オニキスは心が温かくって優しいもふもふだ。もちろんただの直感だし、例え外れても僕に見る目がなかったというだけのことだ。


 けど…気がかりなこともある。初めて会ったとき、オニキスは冒険者らしき人達に追われていたことだ。

 僕は特にオニキスの正体がなんであれ、気にはしないがあの冒険者らしき人達は違う。完全にオニキスのことを討伐しようとしていたのだ。

 つまりあの人達は、またオニキスのことを狙ってこのミケーネ山に来る可能性が高いはずだ。次に来るのはおそらくは、春が訪れてからだろう。

 意を決すると、僕はオニキスの不安そうに揺れる、つぶらな瞳を見つめると話しかけたのだ。


 「ねえ、もし良かったらだけど…春になったらミケーネ山を降りて僕と一緒に旅をしないか」

 「キャウ!」


 その途端、オニキスの顔はぱっと明るくなる。しょげていた耳がぴんと立ち、尻尾も大きくぶんぶん振っている。

 よし、決まりのようだ。

 そのためには星空がでている日に、星の配置から正確な暦を知らなければいけない。

 今は何月になるのか? 春はいつごろ訪れるのか? その間にもやることはたくさんある。


 僕とオニキスはしばらくの間、村の猟師たちが使う洞窟で生活をしながら、吹雪が止み星空が見えるのを待つことにしたのだ。


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