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戦いの終わり

「畜生! 隊長まで負けるなんて……」


ロディは地面を拳で殴りどうしようもない怒りをぶつけた。


「ロディ様。ここは一旦撤退しましょう」


これまで無言だったラグが初めて口を開いた。

ロディは彼の琥珀色の瞳をじっと見つめ、首を振った。


「不動と隊長はスターが医務室に転送したから大丈夫だろうが、ここで俺たちが撤退すればハニーは野放しで世界を滅ぼしちまう。少しでもこの場に留めないとマズい」


その時、三人に念が送られた。


『状況は全て知っているわ。私の指示を聞いて』

「メープルちゃん、何か作戦でもあるのかい」

『切り札の川村君に動いてもらうわ。ここまで強い相手だったのは私も予想外だったけれど、こうなったら出し惜しみはしていられないもの』

「……そうだな。川村、頼む」

「心得たでござる」


川村は地面を蹴ってハニーと同じ高さまで跳躍浮遊すると名乗りを上げた。


「拙者は川村猫衛門でござる。世の平和のためお主を斬る!」

「面白いね。やってみてよ」


ハニーは杖から無数のエネルギー弾を放出するが、川村は抜刀して弾丸の全てを切断して肉迫しながらニッと笑った。


「お主、ハニー殿ではござらぬな」

「何を言っているの。私はハニーだよ」

「確かに外見はハニー殿でござるが、中身は悪そのもの。着ぐるみと同じでござる。

カイザー殿の妹の姿形を借りて拙者の仲間を欺き傷つけた罪、償ってもらうでござる!」


川村は細心の注意を払って剣技を発動させた。

ハニーの身体を傷つけることなく、闇のみを斬る。

彼女の身体は操られているだけで罪はないのだから。


斬心刀ざんしんとう! 華麗米カレーライス斬り!」


米の字に斬撃を浴びたハニーの動きが硬直する。と、彼女の口から真っ黒な煙が噴き出された。それこそ彼女の身体に巣食っていた諸悪の根源、大悪魔である。


「お、おのれスター流……次こそは必ず滅ぼしてやる。憎きスター流……」

「お主がなぜそこまで我らの流派を憎むのかは知らぬが、次はないでござるよ」


黒煙として宇宙へ逃げようとする悪魔を神速で前に立ちはだかった川村は再び剣を炸裂させた。


「斬心刀! 三枚下し!」


三つの斬撃が悪魔の黒煙を切断し、断末魔と共に消滅した。

額の汗を拭い川村は微笑し、ハニーを優しく抱きとめた。


「終わったでござるよ」


彼の言葉に満足したのだろうかハニーの遺体は蜂蜜色の光となって昇華していく。

もう二度と誰かに利用されることはないだろう。


おしまい。

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