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皆のことは星野に任せて私は地下帝国の王のもとへ

そのとき、星野が空から降りてきた。


「ムカデンジャラスは倒しましたよ」

「星野、あなた酷い出血よ。手当をしないと……」

「問題ありません。動けますから」


額や色々な箇所から出血しているが彼は意に返さずに美琴たちに駆け寄った。


「みなさんかなり負傷していますね。本部の医務室に運びます」

「ちょっと待って。この怪我で本部まで飛ぶのは無理よ」

「ええ。ですから瞬間移動でいきます。スターさんの結界が少し弱まっているので、今なら脱出できますよ」

「私は全てを片付けてからにするわ。みんなをお願いね」

「わかりました」


まずは李とヨハネス、次にムースと美琴を瞬間移動で本部に運んだ星野だったけど、戻ってくる度に傷が治癒して平常時と変わらない状態までに回復していた。


「驚いたわ。あなたって治癒がすごいのね……」

「僕はタフだと言われていますからね。自覚はありませんが」

「参考までに聞かせてほしいのだけれど。どんな戦いだったの」

「数十万発のパンチを受けきって一発で倒しました。他に質問はありますか」

「いえ、大丈夫よ」


恐ろしいまでのタフさと拳の破壊力ね……

改めて彼が味方でよかったと思う。


「この島に残っているのは地下帝国の王ボブ=バクーランドとハゲピカ=チビボテ博士だけですね。あとはお任せします」

「情報ありがとう。あなたもゆっくり休みなさい」

「そうします」


フッと星野は消えてしまった。残されたのは私ひとりだけど、怖くはない。


ここまでの戦いで力を温存していたからいくらでも戦えそうな気がする。

皆のためにも油断はしない。どれほど弱い相手だったとしても完璧に倒す。


私は懐からとっておきの武器を取り出して敵の気配を探った。




崖の近くに身体の大半を機械化した二頭身の科学者風の老人と白黒模様の豚みたいな外見をした男がいた。彼らがハゲピカ=チビボテ博士とバクーランドだろう。


私は彼らと対峙すると、博士は歯をギリギリと鳴らした。


「貴様はメープル=ラシック!」

「詳しいわね。私の友達があなたたちのお世話になったから借りを返しにきたの」

「わしの可愛い部下を倒したことは許せぬが苦境をよくぞ乗り越えた。褒めてつかわす」

「あなたに褒められても嬉しくないのだけど」

「バクーランド様、いかがいたしますじゃ。部下は全滅。残っているのはわしらだけですじゃ」

「博士、お主には世話になったな。もう好きにしてよいぞ」

「か、仮にも大恩を与えられておきながら自分だけ逃げるなど、できませぬじゃ」

「よい。お主の科学力のおかげで我が国はスター流と戦えるまでに成長できた。誠に大儀であったぞ」

「ありがたき幸せでございますじゃ」

「わしに構わんでもいい。お主はここを逃げ再起を図るがよい。わしのわがままに付き合う必要はなかろう」

「なんと……!」


地下帝国の王は私を真っすぐ見据えた。豚っぽい可愛い顔をしているが、どうやら相当な器の持ち主らしいことは短いやりとりからでも理解できる。


「もったいないわね。侵略の野望さえ抱かなければ、あなたは立派な王様でしょうに」

「わしの野望には自身にも止められなかった。だが、部下もわしを信じここまでついてきた。もはや退路はない。ここで散る。だが、王としてお主と一対一の勝負を申し込みたい」

「わかったわ」

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