ハサミサイルって洒落た技名だと思う
喉への突きから手刀を連発で打ち込んでからボディスラムでキャンバスに叩きつけて、素早く頭に回り込んで膝爆弾をサソリンダの脳天に命中させていく。
鋭く速い膝蹴りの滅多打ちはサソリンダに流血を呼んだ。激痛で悶絶する彼女に李は冷たい声で告げる。
「君がヨハネスにやったことをボクは返しているんだよ」
「仇討ちってわけかい。素敵だね」
立ち上がったサソリンダがローリンクソパットを放つも李は冷静に軌道と距離を見切って回避し、空振りした瞬間を狙って足をとって関節技で痛めつける。メリメリという嫌な音が耳に入ってくる。
筋肉の繊維が切れる音がしてサソリンダは冷や汗を流すが李は手を緩めない。
ならばとハサミの両腕をキャンバスに突き刺したかと思うと倒立で強引に逆エビから抜け出してキャンバスに立つと、今度は手を李に向けて。
「ハサミサイル!」
語呂のよい技名と共に放たれたハサミの両腕を横転して回避した李だが、外れた腕からすぐにハサミが再生してきて二発目が放たれる。両腕を挟み込まれギリギリと圧迫されていく。
激痛に顔を歪ませる李にサソリンダは嫌な笑いを浮かべた。
「その顔いいねえ。整った顔が苦痛に歪むのって最高よ」
李はペッと血を吐きだした一時的に彼女の視界を奪ってからサマーソルトキックで反撃し、慌ててハサミを外してキャンバスに落とすと思い切り踏みつけた。
目を拭いて視界を取り戻したサソリンダが突進してくると狙いすましたかのようにフライングヘッドシザーズで地面に倒して腕ひしぎ十字固めに移行していく。
「何回も再生できるんなら問題ないよね?」
ベキリ。
乾いた音と共に真ん中からサソリンダの右腕がヘシ折れた。
「ギャアアアアアッ」
再生するとは言ってもやはり痛かったようで腕をだらりと下げて体勢を崩す彼女に李は妖しげに笑って腕を掴まえ、さらに腕折り。
容赦のない二重攻撃で右腕を失ったサソリンダだが、すぐに腕を元に戻して何度かグーパーを繰り返しながら感覚を確かめている。
戦闘には支障はないようだった。
李はがんばっている。少しずつ体力を削る作戦に出ているのはわかる。
だけど、彼女の方が息が荒くなっているのは気のせい?
するとサソリンダの喉から笑い声が出た。
「やせ我慢はやめたらどう? アンタ、アタシの毒が回ってきているんだろう?」
「ん? なんの話かな」




