星野の真の実力!!
今回は三人称になります!
地下帝国の右腕ことムカデンジャラスは戦慄していた。
サナギこそ破壊されたものの、本体で戦えば勝機は揺るがないと信じていた。
彼は全身に生えた九百九十八本の腕を使った拳を得意技としている。超スピードかつ無数に打ち込まれる打撃に無事だったものはおらず、地下帝国では無敵の格闘王として君臨していた。
だが、目の前の星野天使という少年はどうだろう。眠そうな瞳に可愛らしい顔立ち。小柄で華奢な少年だが、先ほどからどれほど打撃を見舞っても一向に倒れる気配がない。既に数千発は打った。
けれど星野はそれをノーガードで受けきってしまっているのだ。顔は血に塗れ、身体はボロボロのはずだが表情は変わらず無のままだ。
「どうぞ。もっと気が済むまで打ち込んできてください」
「このサンドバック野郎がッ」
渾身の力を込めたストレートでも体勢が崩れない。
奴の身体は鋼でできているのではないかと思うほどの頑丈さだ。
「テメェ何者だ! 人間がこんなにタフなはずがねぇ!」
「僕は星野天使。その名の通り天使です。それ以外の何者でもありません」
「天使だぁ?」
「そうです」
「天使は天使でも、堕天使じゃねぇのか?」
「今の言葉、もう一度言ってください」
「何度でも言ってやるよ。この堕天使が!」
それは、星野にとって禁句だった。
無表情ながら滂沱の涙を流して一気に間合いを詰めると必殺の拳を炸裂させた。
「天使の……アッパアアアアアアアアアアッ」
完璧にムカデンジャラスの顎に入り、彼を大空へ吹き飛ばしていく。
ぐんぐんと高度を上げていき、ついには大気圏にまで到達したところでムカデンジャラスは燃えて消滅してしまった。
踵を返し、星野は呟いた。
「自業自得です」




