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ホテルの客がみんないなくなったわ……

大量の糖分を摂取したメープルの頭には冴えが戻っていた。


確かに星野に敗北したのは悔しいがそれよりも悔しいのはヨハネスに僅差で負けたことである。明日にでもリベンジしようと密かに心に誓ってから、彼女は皆に言った。


「みんな、変だとは思わない?」

「そう……ですね。メープルさんの食欲はいつもより多かったかなとは思いますが……」


非常に躊躇いながら美琴が意見を口にするとメープルは軽く首を振って。


「私のことじゃなくて、このホテルの客のことよ。少なすぎると思わない?」


メープルの言葉に皆が周りを見渡すと自分たちの他に食事をしている客はいない。

食事が終わったのかと考えたがメープルは言葉を続ける。


「私たちが夕食に来たときから、いえ、それ以前から私はホテルで一度も他の客を見ていないの。これってどう思う?」

「皆さん帰られたのではないですか?」


ムースの問いにメープルは不敵に笑って。


「だとしたら急すぎるわ。私はスターが私たちだけここに残していると考えてるの。

休暇を楽しんでほしいのか他の思惑があるのかはまだわからないけど」

「考えすぎですわよお姉さま。今はお休みを楽しんだほうが得ですわ」


あっけらかんと言い切るムースに場の空気が緩んだ。確かに見方によっては広大なホテルを貸し切ったともいえる。メープルはウィンクをしてピッと人差し指を顔の前に突き立てていった。


「明日はプールで思いっきり遊びましょう!」


素敵な提案に皆は目を輝かせて喜んだ。

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