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絶望的な戦力差!星野ってこんなに強かったの……

メープルは最初から飛ばして果敢に攻撃をしかけた。容赦のないパンチにキック。

序盤の様子見で繰り出される打撃にも通常より力を込めるが、そのどれもが届かない。


星野の間合いに入ることができない。拳の連打も連蹴りも空を切るばかりだ。

軌道を見切っているので星野は冷静に対処し動作も少なく回避することができる。


半歩から一歩ほど後退するだけでメープルの穿つ拳は空振りし前につんのめる。

ロープに背中を預けて反動を活かした体当たりをするも、開脚ジャンプで不発に終わる。


タックルで捉えにいくと目にも止まらぬ速度で動かれ、捉えることができない。

戦いながらメープルは分析する。速度は李を遥かに上回っているが、無駄がない。


彼にとっては美琴はともかく、自分たち四人の攻撃は止まって見えるに違いない。

ずっと動き続けているせいか疲労の色が濃くなり流れる汗が目に入って沁みる。


速度も鈍ってくるが星野は汗ひとつかいていない。

戦闘服まで着た。得物の『魔笛』こそ持っていないが、先のスパーリングよりずっと気合を入れて戦っているのに、一発でさえ当てることができない現実。


スター流上位陣との間には天と地ほどの実力差がある。覆らない。

漫画を読みふけり好物を食べ続けているだけの生活を過ごしているのに、いざ戦うとなればこれほどの強さだ。攻撃に転じてこそいないのが幸いだ。


静の動きでこれほど差をつけられているのだから動に移られたら、どれだけ命があっても足りない。


「フフ……フフフフ……ハハハハッ」


口から渇いた笑いが漏れる。涙が両の瞳から流れ、身体が震える。

力なく四肢をついて言った。


「負けたわ。完敗よ」

「僕の天使としての使命が果たせてよかったです」


星野は踵を返すとショックを受けているメープルに言った。


「少なくとも僕よりは賢いですから、自信をもってください」

「それは事実しれないけど、あまり嬉しくないわね」


メープルは起き上がってハンカチで洟をかんだ。

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