星野と戦闘服を着て本気のスパーリング
朝食が終わってしばらくホテルの部屋で本を読んでいたメープルは、読書を中断して隣のヨハネスたちが宿泊する部屋の扉をノックした。応対したのは星野だった。
メープルは微笑して言った。
「あなたとスパーリングをしたいのだけれど、いいかしら」
「僕はいつでもいいですよ」
「それじゃあ、お願いね」
美琴、ムース、李、ヨハネスが見守るなかで星野とメープルのスパーリングは実施された。
リング上で対峙するメープルは前回の黒スポーツブラとホットパンツではなく、赤のナポレオンコートにピンクのベスト、水色のジャボ、白いキュロットスカートに黒のストラップシューズを合わせている。
服装を一瞥した美琴はメープルは本気であると察した。
スター流メンバーには各々の戦闘服があり、それを着ることで百パーセントの実力を発揮することができる。つまりメープルは相手の実力を見抜いて練習ではない本当の勝負を挑んだのだ。
対峙するだけでふたりの間に闘気が満ちているのがわかる。
透明で静かながら、非常に緊迫感があり美琴はこくりと唾を飲み込んだ。
星野もメープルの覚悟に応えたのか、今は漫画を置いて両腕をだらりと下げたまま向かい合っている。
棒立ちにも思える脱力した姿勢だが、侮れない。
どこまでも冷静で感情の揺らぎを感じさせない黒い瞳は対峙するものに無言の威圧を与える。
「いくわよ」
「いつでもどうぞ」




