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スター流会議!弱気なカイザーが不安ね

メープルたちがホテルでの休暇を満喫しているとき。

スター流本部では最強クラスのメンバーが集まりスターの話に耳を傾けていた。

宇宙の無法者を集めた暗黒星団。

半魚人で構成された独裁国家海底帝国

それらがスター流が対峙・壊滅させきた組織の名称である。

そして今回、新たなる勢力が発見されたというのだ。

地下帝国モグランドはその名の通り地中に本拠地を構え、地面から大規模な攻勢を開始してくるというのだ。ロディは襲ってくる眠気と格闘しながら言った。


「規模はどれぐらいなんだ?」

「暗黒星団や海底帝国と比較すると人数の面ではずっと小規模だね。首領のボブ=バクーランド、配下のサソリンダとムカデンジャラスぐらいだね」

「大したことねぇじゃねぇか。楽勝だよ」


スターは満面の笑みをロディにぐっと近づけて。


「確かにその通り。彼らだけなら脅威とは呼べないね」

「ハァ?」

「本当の脅威はこっちだよ。今回君たちを招集したのはそのためなんだ」


スターが指を鳴らすと地図が変化した。南の無人島マックイーン島だ。


「ジャドウ君の占いによるとここに途轍もない強敵が出現する。君たちにはここに向かって敵と戦ってもらいたい」


ジャドウの占いは絶対だ。未来を正確に予知できるからこそ、先手をうってスター流は幾度の戦いで勝利に納めてきた。だから彼の占いを疑うものはいない。


「何人だ?」

「おそらく一人だよ」

「たったひとりで俺たち全員ってのは戦力過剰じゃねぇのか?」

「いや、それは違う」


重い口を開いたのはカイザーだ。全員がカイザーを見る。


「スター様が途轍もないという表現を使わざるを得ないほど強敵だということだ。むしろ我々だけでも戦力不足を懸念したほうがいいだろう」


カイザーの言葉にロディは口を噤んだ。

スターは皆を見回して会議の終わりの言葉を告げた。


「川村君とロディ君以外はよーく知っている相手だよ。それが誰なのかは現地に行ってからのお楽しみ。それじゃあ、解散!」


スターの合図でメンバーは次々に会長室を出ていくが、カイザーだけは留まった。

筋肉の鎧で武装した屈強な背を丸め、どことなく小さい印象を見るものに与えた。

ただならぬ様子にスターが声をかける。


「カイザー君。どうかしたのかね?」

「スター様。我々が戦う相手というのはまさか……」


カイザーは言葉を飲み込んだ。この先をどうしても口にすることができない。

最悪の考えが現実化する恐怖がある。躊躇いを見せた彼にジャドウが含み笑いをして。


「偉大なるカイザーと言えども恐れるものがありますかな」

「……ある。これほど恐ろしいと思える存在はないだろう。もし、私が想像した通りの人物ならば私は絶対に勝てぬであろう」

「戦う前から負ける話をするとは、らしくありませんぞ」


カイザーの口元に自嘲的な笑みが宿る。


「私らしくないな。すまない。心配をかけてしまって」

「気にすることはありませんぞ。弱さがあるから他人に寄り添うことができますからな」

「確かに……」


ジャドウに軽く背中を叩かれ、カイザーは会長室をあとにした。

皆がいなくなった後、残ったジャドウはスターに言った。


「どう思いますかな。カイザーの尋常ではない様子を」

「これはあくまでわたしの憶測なのだがね。彼とわたしは同じ人物を思い浮かべているはずだよ」

「奇遇ですな。吾輩もですぞ」

「おそらく、不動君もだろうねえ」


ふたりとも顔を見合わせると爆発したかのように高らかな笑い声を発した。

笑いが恐怖か絶望か歓喜によるものなのかはふたりの間しかわからない。

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