愚直の世界へようこそ!
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「王様!光のソーサリーエレメントが見つかったようです!」
「そのようだな!」
「これは、挨拶に行かないとな!」
マリフィスは、悪巧みの顔で顎を触りながらニヤついていた。
「私は、少し出掛けてくる!」
「しかし、国の方は?」
「それは、お前たちに任せる!」
マリフィスはそう言って立ち上がるとそそくさと何処かへ出掛けてしまった。
「また、王様の悪い癖が出始めた。いつになったら、国を動かすおつもりなんだか•••」
側近の者たちは、呆れて頭を抱えていた。
「もう、潮時か•••」
それを見ていたガルシアが呟いた。
「おい、タオ、フウマ!」
「どうした、ガルシア!」
「珍しいでござるな!ガルシアから話しかけてくるなんて!」
フウマが怪訝そうに言った。
「まあ、これが最後だからな!」
「最後?」
二人は顔を見合わせた。
「ああ、俺は出ていく!」
「何を?」
「この国を出ていく!エクリプス•エンクレイヴも出ていく!」
そこへアルカもやって来た。
「皆さんどうしたんですか?」
「いや、ガルシアが出ていくって!」
「どうされたんですか?ガルシアさん?」
アルカが心配そうに聞くと、
「もう、潮時だ!お前らも考えた方がいいかもしれんぞ!」
「潮時って•••」
「何が?」
「俺からはこれしか言えん!じゃあな!」
ガルシアはそのまま出ていってしまった。
三人は困惑している様子でしばらく何も言えなかった。
••••••
「ここが、光の国か•••」
マリフィスはルミナラ近郊までやって来ていた。
「もう、こんなに建物ができてるのか?病院?」
マリフィスは遠くから町の様子を眺めていて感心していた。
「光の国の契約者をブッ殺してこの国を奪ってやる!」
マリフィスはニヤニヤしながら独り言を呟いた。
「誰をブッ殺すって!」
「誰だ!」
「お前の死神だよ!」
レオンが鬼の形相で氷のような眼をして睨んでいた。
「レ、レオン!」
「父さんの仇はキッチリ取らせてもらうから覚悟しろ!」
「ハハハ、私は闇の王だぞ!お前なんかが倒せるわけないだろ!」
「まあ、言ってろ!」
レオンはヤル気満々で構えた。
「お前もヤツみたいに殺してやる!」
「グヲーーーーーーーーーーー!」
レオンの顔が真っ赤になった。
「父さんのことかーーーーーー!」
耳が割れんばかりの声で叫んだ!
「マリフィス!お前だけは絶対にここで殺す!」
「レオン、いや、レオン様!」
「うぉ!ガルシア!」
マリフィスは少し安堵した顔をみせた。
「様?、ガルシア!」
レオンの怒りが少し収まったように見えた。
「ガルシア、いいとこに来た!」
マリフィスがガルシアの方へ歩みよった。
「ガルシア、こいつを殺れ!私は、光の契約者をブッ殺しに行く!」
マリフィスがそう命令すると、
「マリフィス!うるさいぞ!」
ガルシアは、マリフィスに一発お見舞いした。
「えっ?」
マリフィスはぶたれた頬を押さえながら呆けている。
「レオン様、私を臣下に!」
「はあ?ガルシア、何言ってる?」
「レオン様こそが、真の闇の王の器、私は待っていたのです!」
ガルシアは片ひざをついてレオンにひれ伏した。
「ガルシア、何を言ってる?私が闇の王だぞ!」
マリフィスが顔を真っ赤にして怒りを露にした。
レオンはそれを見て少し怒りが冷めて来てしまった。
「ガルシア!本気か?」
「はい!王様!」
ガルシアは真剣な眼差しでレオンを見つめた。
「ガルシア!殺すぞ!」
「お前は、待っていろ!今は、王様とお話をしているのだ!」
「ガルシアーーーー!」
マリフィスは完全にキレた。
「レオン様、この不届き者は私にお任せください!」
「分かった、好きにしろ!」
「マリフィス!お前は、王の器ではない!国もまともに動かせず、盗賊を働いて稼いでも結局何の意味もなかった!」
「うるさい!お前ごときに言われる筋合いはねえ!」
「レオン様ここに【青龍】と【白虎】の宝玉をお持ちしました。お納めください!」
ガルシアは宝玉をレオンに手渡した。
「本気か•••」
レオンはまだ疑っている。
「ガルシア、覚えておけ!一度国にかえってお前を殺しに来るからな!」
マリフィスがそう言い放つと、
「無駄だ!俺以外のメンバーも民も、もうすでに誰もいないだろう!マリフィス、お前は完全に終わったんだよ!」
ガルシアが少しだけ寂しそうに呟いた。
「そんな、バカな!そんな•••」
マリフィスは、うろたえて跪いた。
「なんか、情けないヤツだな!逆にかわいそうになってきたわ•••」
レオンはゴミでも見るかのような冷たい眼で眺めていた。
「うるさい!うるさーーーーい!」
マリフィスはやけになって、わめき散らした。
「全員、ブッ殺してやる!」
「はあ•••マリフィス、情けないぞ!」
ガルシアは大きなため息をついた。
次回 マリフィス VS ガルシアの世界へようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




