滅亡の危機へようこそ!
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「師匠!セノンさんとも知り合いなんですよね?」
「ええ、お世話になっいてるわ」
「国を造る話になったときに、お金は心配しなくてもいいって言われたんですが•••」
「そう言うことね」
「おそらく、セノンさんもリバースレルムの統一と発展を応援したいんじゃないかしら?」
「なぜですか?」
「自分達も魔法が好きだからでしょ!」
「でも、デュアルでないセノンさんには、直接あまり関係ないような気がしますが?」
「いいえ、セノンさんたちは自分でこれないだけで、リバースレルムの発展にはかなり貢献しているわよ!」
「そうなんですか?」
「特に金銭面ではかなりの出資をしているはずよ!」
「凄い人たちなんですね!」
「ええ、とても真似できないわ•••」
「師匠もこうして貢献してくれてるじゃないですか!」
「そんな•••」
「だって、上手く行けば2人の王様の師匠ですよ!」
「そうですよ!」
「うん•••」
リーフィアは複雑そうな表情を見せた。
「とりあえず、エリスさんたちに挨拶を済ませたら、セノンさんにも会って一度お話ししないとね!」
「はい!」
「エリスさんには私から連絡入れておくから、しばらくはみんなでくつろいでいて」
「ありがとうございます」
みんなは頭を下げると、それぞれの部屋へ戻っていった。
明くる朝、
「早速だけど、先方の都合で明日から1週間アズーレセラのリゾートホテルへ旅行することになったわよ!」
「ええ、南国リゾート?」
「やった!」
「海か!楽しみ!」
「準備、準備!」
「あくまでも会談に行くのよ!遊ぶのは終わってからね!」
「はーーーい•••」
「ちなみに、ウィスパーウッドのエリスさんも招待してあるから!」
「楽しみ!」
みんなはワクワクしていた。
次の日、
アズーレセラの港に着いた一行は、思っていた雰囲気とは少し違っていた。
「なんか、思っていたより緊迫した雰囲気だね•••」
「どうしたのかな?」
「ああ、遠いところご苦労様でした。私はアクシア女王様に仕えている、バニアスと申します」
「これは、ご丁寧に」
みんなはお辞儀をした。
「バニアスさん、なんか緊張感が漂っている雰囲気ですが?」
ハーベルが気を利かせて質問した。
「これは、恐れ入ります。実は、緊急事態なのです」
「ええ、こんなことしてる場合じゃないじゃないですか!」
「いや、国賓のあなた方を巻き込む訳にはいきません。我らアズーレセラ国民があなた方をお守りします!」
「いや、そんな場合じゃないよ!」
「すぐに、女王様のところへ案内して!」
「でも、緊急に対応で大忙しなのです!」
「ああ、どこに行けば会えるの?」
「ええ、中央島のお城におりますが•••」
「転移は無理か!」
ハーベルはみんなに声をかけると集まってもらった。
「バニアスさんも早く!」
「は、はい!」
「レメディア•ゼファー•スピリッツ!」
ハーベルが呪文を唱えると全員が浮き上がった。
「ああ、何ですかこれは?」
「説明は後で!」
ハーベルたちは、一気に中央島へと飛行していった。
「ハーベル!あれ見て!」
「うわ!津波?」
「ええ、あの津波が緊急事態の正体です•••」
バニアスが震えながら言った。
「早く言ってくださいよ!」
ハーベルは一度全員を島の中央の城付近へ降ろすと、
「レオン行くぞ!」
「了解!」
レオンの肩を叩くと、
二人で一気に飛び上がった。
「チッ!ヤバイね!」
「ああ、このままだと後数分で津波に全部飲み込まれるね!」
「レオン!やれる?」
「もちろん!」
「ちょっと、範囲が広いけど!」
「今なら大丈夫だ!」
二人は空中に浮いたまま、
「レメディア•ヴェノミスト」
「ルミナス•シャドウ」
能力を解放した。
「レメディア•ルミナス•イージス!」
「シャドウ•バスティオン!」
ハーベルは、島全体を覆う広範囲の光の壁を展開した。
レオンも、さらに広範囲を闇の壁で覆い尽くした。
「なに?」
エリスたちはこの状況が飲み込めず困惑していた。
「エリスさん!」
「ああ、リーフィアさん!」
「これは?」
「ハーベルとレオンが、津波に気がついて島を覆う壁を展開したようです」
「島全体を?」
そこへアクシアがやって来た。
「一体どうなってるの?」
「アクシアさん•••」
一通りの事情を説明した。
「ああ、どうしたらいいの•••」
「まだ、気がかりなことが?」
慌ててリーフィアが聞き返すと、
「実は、私の息子ダイランとエリスの娘さんのジョッシュが、まだ船でこちらへ向かっている途中なの!」
「ええ!」
リーフィアは急いでテルミットを取り出すと耳に当てた。
「おお、テルミット?珍しい•••」
「はい!」
「ハーベル!」
「師匠!どうしたんですか?テルミットなんて珍しい?」
「急いでるの!ジョッシュたちがまだ海の上に船で向かっているらしいの!」
「なんだって!」
「レオン聞こえた?」
「ああ、船か!」
「ルミナス•ミスティック•シーカー!」
レオンは海の上を広範囲でスキャンした。
「いた!ハーベル!あそこだ!」
そこには荒波に揉まれながら今にも転覆しそうな客船が漂っていった。
「いや、ハーベル!ヤバイよさすがに•••なんだよあれ!」
レオンが水平線を指差した。
「あれって!くそでかいドラゴン?」
そこには山のように大きな巨大なドラゴンがこちらに向かって来ていた。
「いや、いや、嘘だろ•••」
レオンは目を何度もこすっては見直した。
「フィエッタ!ネザーススピリットも呼べるんだよね?」
「ええ、今のハーベルならね!」
「オッケー!」
「エマージ•スピリット!No.98」
ハーベルはタイタナスを呼び出した。
タイタナスの肩に降りると、
「タイタナス!行け!」
うんともすんとも言わない•••
「あれ?」
「ハーベル!名前をつけないと!」
フィエッタが叫んだ!
「じゃあ•••山ちゃん!」
「行け!山ちゃん!」
「うぉーーーー!山ちゃん行く!」
「喋れるんだ!」
「山ちゃん!まず、あの船を優しく持ち上げてあの港にゆっくり降ろしてあげて!」
「山ちゃん、わかったーーー!」
タイタナスは、そーっとジョッシュたちの乗った船をつまんだ。
「キャーーーー!」
「大丈夫だよ、ジョッシュ!」
「ええ、ハーベル?」
「もう、安心だよ!」
「いや、巨人に摘ままれてるけど•••」
「ああ、いい巨人だから!」
「••••」
タイタナスは、船をそーっと港付近に置いた。
「そこなら、結界の中だから!」
ハーベルはそう言うと、タイタナスにドラゴンへ向かうように伝えた。
「ああ、ハーベル!また、むちゃくちゃしてるよ!」
レオンは空を飛んでみんなのもとへと帰ってきた。
「レオン!あれなに?」
「ハーベルだよ!」
「はあ•••」
「千年迷宮で捕まえた岩の巨人を呼び出して、巨大なドラゴンと戦おうとしてるみたい!」
「ええ、ドラゴン?」
「ああ、水平線の方に巨大なドラゴンがこっちに向かって歩いて来てたんだ!そのせいで津波に襲われたようだね!」
「そうだったのか•••」
「ジョッシュたちは?」
「ハーベルが、タイタナスで船を港に届けてくれたよ!」
「ああ、良かった」
エリスとアクシアは、安心して気を失ってしまった。
「エリスさんたちを寝かせてあげて」
「分かりました、師匠!」
「なんてでかいドラゴンなんだ!」
タイタナスでドラゴンに近付くと、
タイタナスと同じぐらいの大きさだった。
「あいつ、やっつけるーーー!」
「タイタナス!パンチだ!」
ゆっくり、パンチを繰り出すとドラゴンは両手でパンチを捕まえてタイタナスそのままなぎ倒した。
「くっそ!意外と素早いなあのドラゴン!」
「タイタナス!立ち上がれ!」
「山ちゃん•••立ち上がるーーー!」
ゆっくり立ち上がろうとするタイタナスの腹にドラゴンが尻尾を振り上げた!
タイタナスが少し空中に浮くと凄まじい勢いで海に叩きつけられ、周りに津波が起こった。
「うわーーー!」
バニアスが怖がって頭を抱えた。
津波は、結界にドバーーンとかかったが島は全くの無傷だった。
「レオンたちの結界があって良かった!」
クラリッサが手を合わせた。
「山ちゃん!何とかドラゴンに近付いてくれ!」
「山ちゃんーーがんばるーーー!」
タイタナスが一生懸命立ち上がって何とかドラゴンの前に構えた。
「インスタント•エバポレーション•ヴェノミスト!」
ハーベルがドラゴン目掛けて呪文を唱えると、
ドラゴンは一瞬で蒸発して跡形もなく消えてしまった。
「はあ、はあ、ありがとう!山ちゃん!」
「山ちゃん!帰るーーー!」
タイタナスは、スーーと消えてしまった。
ハーベルは飛んで城へと向かうとみんなが出迎えてくれた。
「ハーベル!」
「相変わらず、化物だな•••」
「いや、化物って•••」
「ハーベル!ありがとう!」
「ジョッシュ!無事で良かった!」
「ハーベルさん、はじめまして、アクシアの息子のダイランと申します。助けて頂きありがとうございました」
ダイランが深々と頭を下げた。
そこへ目を覚ました、アクシアたちがふらつきながらやって来た。
「ああ、ダイラン!」
アクシアは泣きながらダイランを抱きしめるとそのまま泣き崩れてしまった。
「ジョッシュ!無事で何より!」
「ハーベルがまた助けてくれたのよ!」
「うん、見てたわ!」
「ハーベルさん、ありがとうございました」
エリスが頭を下げた。
「ハーベルさん、なんてお礼を言ったらいいのか分かりません•••」
アクシアは感謝しきれない様子でハーベルの手を握って放さなかった。
「いえ、レオンも手伝ってくれたんですよ!」
「もちろん、レオンさんありがとうございました!」
アクシアは手を握って泣いていた。
「レオン!久しぶりね!」
「え?」
「まだ1歳の頃だから覚えてないのは無理ないけど、お父さんのアルクと一緒に来て会ったことがあるの!」
「そうだったのですか!」
「レオン、本当にありがとう!」
「いや、ほとんどハーベルのお手柄ですよ!」
「そんなことないわ、ありがとう」
エリスは深々と頭を下げた。
「それにしても、ついて早々メチャクチャな状況で驚きましたよ!」
「本当に!ハーベルさんたちが居なかったら、この国は滅んでいたわ」
「そんな、大袈裟な!」
「いえ、本当のことよ•••」
みんなが少し落ち着いてくると、
「改めて、アズーレセラのアクシアです」
「息子のダイランです」
「ウィスパーウッドのエリスよ」
「娘のジョッシュです。よろしくお願いいたします」
「こちらは、ルミナラの王様のハーベルです。そちらが、次期闇のソーサリーエレメントの契約者となるレオンです」
リーフィアが紹介すると、
「えっ?今のマリフィスは?」
エリスが質問した。
「僕が必ず殺します!」
「あら、訳ありのようね•••」
レオンは、アルクのことやクラリッサの村のことなどを詳細に説明した。
「それは、大変だったわね!」
「いえ、必ずやり遂げます!」
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