リーフィアの真実へようこそ!
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カイルは町の詰め所に場所を確保して、捜索の本拠地としていた。
「どうだ!」
「あれから、特に情報は上がってきません!」
そこへ急いで兵士がやって来た。
「カイル王子!」
「情報か?」
「はい!エクリプス•エンクレイヴが現れたとの情報です!」
「よし、どこだ!」
「町外れの廃ビルにアジトらしきものがあるとの情報です!」
「よし、でかした!」
「すぐに、王城へ応援要請を!」
「承知しました!」
「我々の小隊は、先行してアジトの確認に向かうぞ!」
「承知しました!」
カイルは準備を早急に済ませると、廃ビルへと向かった。
その頃廃ビルのアジトでは、エクリプス•エンクレイヴのメンバーである、頭領のマリフィスと、トリガー、フウマ、タオの四人が次のターゲットについての話し合いをしていた。
「頭領!」
「おい!トリガー、マスター!って呼ぶでござる!」
「うるせえな!フウマ、マスター!」
「なんだ、トリガー!」
「王城から盗んだお宝、どのくらいの値になるんですかね?」
「あれは、かなりの値段がつきそうだからまだ温存してある。しかるべき時に売りに出そうと思っている!」
「さすが、頭領!」
「おい!トリガー!」
「マスター!なんか来ます!」
「追ってか?」
「そのようです」
「何人だ?」
タオが気配を探ると、
「そうですね、5、いや6人です」
「それなら、余裕だろ!」
「トリガーは、好きに殺れ!」
「了解、頭領!」
「フウマとタオは、トリガーのサポートに回れ!」
「了解、マスター!」
「俺は、ここでブツを守っているから倒した者から戻ってこい!」
「了解!」
マリフィス
リバースサーフェス
現実と非現実(現象)
(Factual / Illusion)
「ファクチャル•イリュージョン」
魔法属性は、光、闇、炎、土属性
元の職業は、精神科医
トリガー
リバースサーフェス
富強と貧弱(存在)
(Mightius /Nebulous)
「マイティウス•ネビュラス」
魔法属性は、闇、炎、風属性
元の職業は、軍人
フウマ
リバースサーフェス
暁と黄昏(自然)
(Daybreak /Twilightus)
「デイブレイク•トワイライタス」
魔法属性は、光、闇、風属性
元の職業は、忍者
タオ
リバースサーフェス
黄と青紫(存在)
(Amber /Amethyst)
「アンバー•アメジスト」
魔法属性は、土、水、闇属性
元の職業は、農家
「トリガー!やり過ぎるな!」
「うるせえ!俺に指図するな!
フウマ!」
「たく、参ったでござるよ•••」
カイルたちの小隊が廃ビルに到着すると、トリガーが一人で仁王立ちで待ち構えていた。
「ハッ!たった6人か!つまらん!」
トリガーは、両手を広げると、
「マイティウス•インフェルノ•バラージ!」
トリガーの前に何丁ものマシンガンが召喚されメチャクチャに撃ちまくった。
先行していた3人がぐちゃぐちゃになるほどに銃を撃ち続けた。
「ハハハ!次、次、来いや!」
カイルたちは、何とか近くの物陰に隠れた!
「カイル王子!応援の部隊を待ちましょう!」
「いや、しかし•••」
カイルは、すぐそこに宝があることが分かっているのに躊躇する自分が許せなかった。
ドドドド••••ドドドド、ドドドド、
「もう、終わりか?」
トリガーは、さらにマシンガンを撃ち続けた。
「影•帳•黄昏!」
フウマが、忍術を放つと、周りが暗くなりカイルたちからは何も見えなくなった。
「アンバー•クロウ•ストライク!」
タオが、琥珀色のカラスを召喚すると闇の中から、カイルたちを襲ってきた。
「うわあ!何も見えない!」
「王子を守れ!」
「うわあ!」
「助けてくれ!」
その間もトリガーは、撃ちまくっていた。
「何なんだ!コイツら、メチャクチャじゃないか!」
カイルは一人何とか逃げ切ったが、攻撃は続いていた。
「どうする?」
その時、テルミットが青く光った。
「カイル!」
「リーフィア!」
「カイル!どこ?」
「リーフィア!来ちゃ行けない!」
「ダメ!必ず、助けるから!」
「来ちゃダメだ!」
リーフィアはカイルの位置をスマホの地図で確認して、その位置をマークした。
「お願い!ここからカイルの場所まで行かせて!」
リーフィアは一か八かスマホの地図のカイルの位置をタップした。
「カイル!」
「リーフィア!なぜ来たんだ!」
「危ない!」
タオの放ったカラスが、リーフィア目掛けて飛んでくるところを、カイルがかばって背中にカラスが突き刺さった。
「ああ、カイル!」
リーフィアはカラスを振り払うと、血だらけのカイルを抱き寄せた。
「カイル、死なないで!」
「リーフィア•••ぐっは•••」
カイルは血を吐きながら言った。
「お腹のなかにあなたの赤ちゃんがいるの!だから、絶対にあなたは死なせない!」
リーフィアが、大声で叫んだ!
「リーフィア!僕の子供?」
「そうよ!カイル!生きて!」
もう一度リーフィアが叫ぶと、カイルの血だらけの傷がみるみる塞がって、息を吹替えした。
「ああ、カイル!」
「リーフィア!何が起こったんだ!」
リーフィア
リバースサーフェス
真実と虚偽(現象)
(Truthara/Illusoria)
「トゥルタラ•イリュージョリア」
魔法属性は、無属性
元の職業は、モデル
「私のリバースサーフェスなの?」
「うん?」
リーフィアは全てを悟った。トゥルタラ•イリュージョリアは、発した言葉が全て真実なり、全て無かったことにできる能力だったことを•••
「リーフィア、あの中に国宝があるんだどうしても取り戻さないといけないんだ!」
「カイル、あなたには無理よ!」
リーフィアは優しく呟いた。
「私に任せて!」
「リーフィア!なにするつもり?」
カイルが、リーフィアを止めようと腕を掴もうとしたが、それをすり抜けてリーフィアは立ち上がった。
「トゥルタラ•イリュージョリア!」
「全員、止まれ!」
リーフィアが叫ぶと、
トリガーは、マシンガンを撃ちまくるのをやめて、フウマはそのまま身動きもできず、タオは目だけをパチクリしていた。
「くう、動けね!」
トリガーが苦しそうに動こうとするが微動だにできない。
リーフィアはその間をゆっくり歩いて通り抜けると、カイルのテルミットを放り投げた。
リーフィアが自分のテルミットを掲げると目の前マリフィスが動けずに立っていた。
「マリフィス!なんであなたがここに?」
リーフィアはマリフィスの口だけ動けるようにした。
「リーフィア!なんでお前が!」
「マリフィス!アルクとエヴァリスはどうしたの?」
「私は知らん!」
「トゥルタラ•イリュージョリア!」
「真実を言いなさい!」
「わ、わたし••私は、エヴァリスを、こ、こ、殺した!」
「嘘!」
リーフィアは、この上ない大きな声で叫んだ!
「なんで?」
「わ、わたしは•••儀式を、し、して欲しくて、断られ••た」
「そ、そんなことで!」
「そ•••そのまま•••逃げた•••」
「殺してやる!」
リーフィアがマリフィスを魔法で攻撃しようとした、その時、
「リーフィア!」
「カイル!」
駆けつけたカイルがその腕を止めた。
「リーフィア、僕たちの子供の母親を人殺しにするつもりか?」
「ああ、あああああああああ••••」
リーフィアは、そのまま泣きわめいてカイルの腕に泣き崩れた。
「リーフィア•••」
「そんな奴、殺しても何の意味もないよ!」
「カイル!」
リーフィアは抱きついてしばらく立ち上がれなかった。
「リーフィア!さあ!」
カイルが優しく抱き寄せると、
「トゥルタラ•イリュージョリア!」
「カイル!全て忘れて!城へ戻って!城には、お宝も無かったと王様へ報告して!」
リーフィアは泣きながらそう呟いた。
カイルは何事もなかったようにビルを出て城へと戻っていった。
「マリフィス!お前だけは許さない!でも、カイルの言い通り、今は殺しはしない!でも、必ず後悔させてやる!覚えておきなさい!」
マリフィスは、ゴクリと大きく唾を飲み込んだ。
リーフィアはマリフィスたちが盗んだお宝の入った箱を持つと、
「トゥルタラ•イリュージョリア!」
「マリフィス!私が来たことも、お宝のことも全て忘れなさい!仲間も同じ!」
そう言って、一瞬でテルミットでどこかへ転移してしまった。
結局、マリフィスたちは何も覚えていない状態で放置されて、リーフィアが消えてからしばらくして自由に動けるようになった。
リーフィアは、エヴァリスのもとを訪れるが、すでにアルクによって埋葬された後だった。
リーフィアは、誰にも知られずに子供を産み落とし、施設へと預けて、自分は姿を消してしまった。
王家の血を持つその子供こそ、
ハーベル、その人だった。
次回 16年後の世界へようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




