【朱雀】の世界へようこそ!
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オブリビオン戦が終わると、もとの石壁の部屋に戻っていた。
「そういえば、ガクとメイが居なくなったらここのボスはどうなるの?」
ネルが素朴な質問を投げ掛けると、
「さあ、僕たちは知らない!」
「ええ、それでいいの?」
「まあ、勝手に他の魔物がボスになるだけでしょ•••」
「たぶんね•••」
なぜかネルだけが気になっていた。
「ガク!どうやって契約するの?」
「ああ簡単だよ!」
ガクが額を出すと、黒い竜の紋章のようなものが浮かび上がった。
「この紋章に触れて、目を閉じて、魔力を流してみて!」
「こうか?」
レオンが、言われた通りにすると、紋章が光輝いて消えた。
レオンの右手の甲には、その紋章が浮かび上がっていた。
「ハーベルも!」
メイがおでこを出してキスをするような口をして待っている。
「なんだその口は•••」
「ええっとキスでもいいんですよ!」
「メイ!ウソつくな!」
ガクが頭をこついた。
「う、もお•••そこは話合わせてよ•••」
「はあ•••」
ハーベルもメイと契約を済ませると、手の甲に紋章が浮き上がってきた。
「これで、いつでも、どこでも呼び出せるからな!」
「千年迷宮から出ても呼び出せるの?」
「もちろん!ネザースピリットではなくて、竜としての契約だからな!」
「そういうことなんだ!」
「改めてよろしく!メイ!」
「ハーベルさん、3人目の嫁にお願いします!」
「だから、それはもういいよ•••」
「ハハハ!」
みんなが大笑いしていた。
「あとは、【朱雀】だけか!」
ハーベルはそう言いながら、フィギュアケースをみんなの前に取り出した。
「こうして見ると壮観だね!」
「これで、99体目っと!」
ハーベルが、最後のフィギュアをケースに納めると、ケースが目も眩むような光を放った。
ケースの一番上には、No.0の【朱雀】を入れるスペースがあったが、そこに【朱雀】のフィギュアが飾られていた。
ハーベルが、ケースから【朱雀】のフィギュアを手に取ると、
真っ白な空間にハーベルひとりっきりでポツンと立っていた。
「ハーベル!よく私を助け出してくれました。感謝します。」
そこへ、神々しく光る不死鳥が羽ばたきながら降りてきた。
「ハーベル!残念ですがあなたに私を召喚する資格がありません。炎のソーサリーエレメントの契約者に私を託してください。お願いします」
「分かりました」
「お礼と言ってはなんですが、これを授けましょう!」
ハーベルの目の前に綺麗な虹色に輝く手のひらサイズのキューブが浮かんでいた。
「それは、チャンバー•アルチザンと言う神器です」
「チャンバー•アルチザン?」
「何処にでも好きな部屋をいくらでも作ることができます。チャンバー内は完全に別次元なので外からの見た目と中の大きさは関係ありません」
「こんな素晴らしいものをもらっていいのですか?」
「もちろんです!」
「オープンと言って、適当な場所に置けば人の入れる大きさになり、クローズと言えば元に戻ります」
「いいですね!」
「あなただったら、調剤室や病院のようなものなんかもいいかもしれませんね!あなたと契約できないのは非常に残念ですが、聖獅子と仲良くしてあげてください」
「ちなみに、コピーと言えばキューブ自体をコピーしたり増やすこともできますが、他の方が使用することもキューブを譲渡することもできません。あなたの命が尽きると一緒に消滅してしまうので覚えておいてください」
「ハーベル、あなたに会えて本当に良かった。最後にこの神器【火焔翼】を預けておきます。もし、あなたが炎のソーサリーエレメントの契約者が私を召喚するのに相応しくないと思ったら神器を渡さないという選択しもあります。よく見極めてください」
「はい、ありがとうございます」
ハーベルは深々と頭を下げた。
「名残惜しいですが、よろしくお願いしましたよ!」
そう言ってゆっくりと消えていった。
「ハーベル!ハーベル!」
ネルの心配そうな声で目が覚めた。
「ハーベル!」
「おお、ビックリした!」
「ビックリしたのは、こっちだよ!
全然動かなくなっちゃうんだもん!」
ネルたちが泣きそうな顔で見ている。
「っで、ハーベルどうだった?」
レオンがそう尋ねると、
「ああ、スカーレットフェニックスに会ってきたよ」
ハーベルは、手に宝玉と神器を二つ持っていた。
「この【朱雀】はやっぱり、俺たちじゃ召喚できないらしい、宝玉と神器をそれぞれのソーサリーエレメントの契約者に渡して初めて召喚できるみたいだ!」
「やっぱり、そうか•••」
「ハーベル!その綺麗なのは?」
メイが指差した。
「ああ、お礼にもらったんだけど結構使えそうなアイテムだよ!」
【チャンバー•アルチザン】UR 専用
「専用って何?」
「なんか、俺しか使えないんだって、死んだら一緒に消滅するんだってさ」
「変わったアイテムだね」
「うん、使い方はまた説明するとして、これからどうしようか?」
「まずは、一度家に帰るよ!」
レオンがそう言うと、
「私たちも師匠のところに戻りましょうか?」
「そうだね!」
「了解!」
「ええ、クラリッサはレオンの方じゃないの?」
ハーベルが意地悪そうな顔で言うと、
クラリッサがまたハーベルの腹に一発お見舞いした。
「ぐっはっ••••オエーー」
次回 【玄武】の世界へようこそ!
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