家族の絆へようこそ!
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アルクがレオンを連れて家に戻ると、修練場には、エヴァリスが倒れていた。
「ああ、エヴァリス!」
アルクはエヴァリスを抱き起こして、
「クロノシフト•ヴェロシティ!」
アルクが叫ぶと、
チッ、チッ、チッチチチチチ••••••
アルクを中心に時間がどんどん巻き戻っていった。
「おい、エヴァリス!」
「アルク!」
「誰にやられた?」
「マリフィスよ•••」
「もう、これ以上時間は戻せなさそうだ!早く病院へ連れていかないと!」
「ああ、待ってマリフィスを許してあげて•••ぐっは•••」
エヴァリスが血を吐きながら言った。
「もう、それ以上話すんじゃない!」
アルクは、エヴァリスを抱えて近くの病院まで走った。
「先生!エヴァリスは助かりますか?」
「今晩が峠です•••」
アルクはレオンを抱きしめながら、祈るように手を握って回復するのを待っていた。
「回復魔法とポーションで傷は塞がったけど、時間が経ちすぎていて、内部の損傷が治りきっていないようだ」
「ああ、助けてください!神様!」
アルクは一睡もせずにエヴァリスに付きっきりで看病をした。
アルクはついうとうとしてしまって、エヴァリスの横で目覚めると、
「ああ、エヴァリス!」
エヴァリスは帰らぬ人になっていた。
「ああ、なぜだ!マリフィス!絶対に許さないからな!」
アルクは悲しみのあまり、気が狂いそうになったが、かわいく笑うレオンを見ているとそうも言っていられないとも思った。
その後、エヴァリスを自分の実家へ運ぶと、敷地内の一番綺麗に花の咲いている場所へ、お墓を建ててあげた。
「エヴァリス!仇は必ずうってやるからな!」
アルクはそう心に固く刻み付けた。
それからは、レオンのことだけを考えて、魔法と体術、そして一般教養からすべての教科の勉強まで徹底的に教え込んだ。
アルクの教えにより、レオンは立派な魔法使いに成長していった。
「レオン!」
「はい、父さん!」
「お前ももう今年で16歳だ!」
「はい!」
「いいか、今までのことを思いだし必ずMD試験に合格するんだぞ!」
「はい!」
「正直、お前は今でも十分強い!だが、俺にはお前をこれ以上、成長させることはできない!」
「いいえ、父さんのお陰でここまで成長することができました」
「よし、行ってこい!」
「はい!」
アルクはレオンの肩を優しく叩くと試験へと送り出してくれた。
レオンは出掛ける前に、エヴァリスのお墓の前に立つと、片ひざをついて手を合わせた。
「母さん、行ってくるよ!」
お墓をじっと見つめながら目を閉じた。
しばらくしておもむろに立ち上がると、
「母さん、今以上に強くなって帰って来るから、楽しみにしていてね!」
そう言って笑うと、レオンの目から一筋の涙がこぼれ落ちた。
次回 商談の世界へようこそ!
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