メルキドの世界へようこそ!
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「マリフィスの奴、絶対に許しませんよ!」
メルキドはすぐにでも表裏の儀式をしたかったが、まだ躊躇していた。
「まだ、改良が必要だ。データの確認と解析結果から導くと•••」
ブツブツ言いながら忙しそうにしていた。
「ああ、これでいいはず!いいはずなんだ!」
「博士!準備ができました!」
「リナ!頼んだぞ!」
「はい!任せてください!」
「ああ、信用してる!」
「博士!上手くいったら私も儀式を受けさせてくださいね!」
「ああ、もちろんだ!」
メルキドはソワソワしている。
「では、この薬を!」
リナが2種類の錠剤を飲ませた。
メルキドは急に胸を押さえて苦しそうにうめき出した。
「博士!続けてこれを!」
リナが秘薬を飲ませた。
メルキドはそのまま倒れてピクリとも動かなくなった。
「博士!死にましたか?」
リナは顔が少し緩んだように見えた。
••••••
「この実験さえうまく行けば教授のイスもすぐそこだ!」
「おい君!あの実験のデータはどうなった?」
「はい、博士、これです!」
「うーん、なぜだ。なぜこうなる?」
「ここさえうまく行けば、実験は大成功なんですが•••」
「ああ、そうだな•••」
「このデータは、私が預かっておくから、君は他の実験をやっておいてくれ!」
「わ、分かりました•••」
「ここさえ、うまくいけばな•••」
博士はブツブツ独り言を言いながら、論文を書き進めていた。
論文発表の日、博士の研究発表は大好評を博していた。
「よっし、これで間違いない!」
「あのー?」
「なんだ君か!」
「実験データの結果が間違っていましたが?」
「いや、あれで合っている。あの後実験を重ねて今の結果にたどり着いたんだ!」
「いえ、捏造ですよね?」
「いや、断じて違う!君、失礼だな!クビだ!」
「なに言ってるんですか?それでも、科学者ですか?」
「うるさい!出ていけ!」
言うまでもなく、その後助手によって公表された、本来の正しいデータによってデータの改ざんと捏造が疑われて、博士は大学から追放された。
「おい、おい、改ざんはダメだろ!」
「なんだお前は?」
「ああ、私はあんただよ•••」
「何を言っている!誰か呼ぶぞ!」
「私はもうおしまいだ!研究者としても人としても•••」
「まあ、そう落ち込むことはない!」
「うるさい!」
「あんたは何を見たんだ?」
「ああ、まさに天国と地獄だね•••」
「そうか、ありがとう•••」
••••••
メルキドは目を覚ますと笑いが止まらなかった。
メルキド ♂
リバースサーフェス
天と地(自然)
(Heavenlight / Abyssalix)
「ヘブンライト•アビサリクス」
魔法属性は、光、闇、炎属性
元の職業は、科学者
「博士!お帰りなさいませ!」
「ああ、リナ、ただいま!」
「次は、君の番だ!心の準備はいいかね?」
「はい、いつでもどうぞ!」
リナは待ち遠しくてたまらない様子だった。
「ああ、博士!ちなみに、私は魔法属性の闇と水がすでにMAXまで行っているので、秘薬だけで十分です」
「ああ、そうかね•••」
メルキドはリナを横にすると、秘薬を飲ませた。
リナは息をしなくなった。
リナ ♀
リバースサーフェス
歓喜と憤怒(感情)
(Euphorion/Wrathion)
「ユーフォリオン•レイシオン」
魔法属性は、闇、水、炎属性
元の職業は、漫画家
「ああーーーーー!」
凄い声で叫ぶとリナは目を覚まして、メルキドにキスをした。
メルキドは少し動揺したが、そのままリナを引き剥がした。
「どうだね?」
「ああ、最高です!」
リナは、天を仰いで恍惚の表情を見せて、ヨダレを流していた。
「リナ、ヨダレを拭きなさい!」
「はーーい!」
「博士!これからどうするのですか?」
「リナは、マリフィスを探して偵察してください!」
「分かりました」
「私は、その間に研究を進めるための準備をします」
「お願いします」
リナのユーフォリオン•レイシオンは、相手の感情をコントロールすることのできる能力で、相手にいつの間にか自分を信用させて、思い通りに動かすことはできる。
リナは、能力を駆使して情報を集めて、マリフィスが精神科医として病院で働いていることを突き止めた。
それからは、ストーカーのように朝から晩まで付きまとい、行動の一部始終を記録した。
「ああ、今日も仕事か、マリフィスも意外と真面目なのね•••」
そんな独り言を言いながら観察を続けていた。
そんなある日、マリフィスがいつもとは違う方へ歩いていくのに気づいた。
「あれ?珍しい方向へ向かっていくわね?森の中?」
リナが着いていくと、
周りを見回しながら、
「リバースサーフェス!」
マリフィスがそう言って、手で空間を切り裂くような仕草をした。
「何してるのかしら?」
そこには、空間の裂け目ができており、マリフィスはその中へと入っていった。
「何あれ?私もできるのかしら?」
リナも真似して、
「リバースサーフェス!」
シュピーン!
「ええ、私にもできた!こんなことができるんだ!
ああ、マリフィスを追いかけなきゃ•••」
リナは急いでそこへ入ると、マリフィスのあとを追って森の中へと入っていった。
「こんなところで何してるのかしら?」
距離をとって観察していると、大きな真っ黒な水晶のような石の前へとやってきた。
マリフィスは、何やら石に向かって話しかけているように見えるが、話の内容までは聞こえなかった。
「何してるの?」
マリフィスは、おもむろに振り向くと呪文を唱えた。
「エクリプス•サルボー!」
マリフィスは闇の弾丸を一斉射撃のように周りに撃ち放ち、周りの木々をなぎ倒していった。
「ええ、あれがあのマリフィス?あのときはたいした魔法も使えなかったのに?」
そのまま観察していると、ありとあらゆる闇魔法を使っているようだった。
「なんで?魔力量も半端ないし、あんな魔法どこで覚えたのかしら?」
リナは見るのに夢中で近づきすぎてしまっていた。
「誰だ!」
「ああ、マリフィス様、私です」
マリフィスは魔法を構えたまま近づいてきた。
「お前は、メルキドのところにいた助手か?」
「はい!」
「なぜ?ここへ入って来れた?」
「はい、マリフィス様のことをたまたま見かけて、ついてきたら切れ目の中へ入っていく姿が見えたので、ついあとを追ってきてしまいました•••」
「は、はあ!メルキドの命令で偵察していたのか?」
「いえ、違います。たまたまなのです•••」
「うん、何だか今日は気分がいい!」
「そうですね!」
「せっかく来たんだ。ちょっとこっちへきて話でもしよう!」
「は、はい•••」
マリフィスはすでに、リナの魔法にかけられていて感情を操られていた。
「マリフィス様、素晴らしい魔法を拝見させていただきました。ぜひ、私を弟子にしてください!」
「おお、弟子か!いい響きだ!」
「分かった!今日から師匠と呼びなさい!」
「はい、マリフィス師匠!」
マリフィスは満足げにニヤついていた。
「では、師匠、私は一度家へ帰ってまた明日来ます」
「ああ、気をつけて帰れよ!」
「ありがとうございます」
リナはそう言って、急いでその場を立ち去った。
「あれ?今、誰かがいたような?」
マリフィスは正気に戻ったが、今の出来事は覚えていなかった。
「ああ、危なかった!」
リナは急いでメルキドのところへ戻ると、巨大な水晶と空間の裂け目の話を伝えた。
「リナ、でかしたぞ!」
「ありがとうございます」
「リバースサーフェス!」
早速、メルキドがそう言って裂け目を開けた。
「この裂け目のことを【リフト】と呼ぶことにしよう!」
「リフトですか、呼びやすくていいですね」
「あと、表裏能力を使える者のことを【デュアル】と呼ぶのはどうかな?」
「デュアルもかっこいいですね!」
ふたりはリフトの中へ入っていくと、マリフィスのいた場所とはまた違った雰囲気の場所だった。
「へえ、入る場所によって雰囲気がかなり違うようですね!」
「なるほど、興味深い」
「リナ、きっとマリフィスが探し出したと言う水晶はまだ他にも、この世界にあるはずだ!それを探し出すんだ!」
「分かりました!」
ここは、銀色の風景に囲まれ、夜が支配し、星々が集まる場所だった。
「綺麗な場所ですね!」
リナは、周りを見回しながら踊るように跳び跳ねながら言った。
「リナ、何が起こるか分からない!もっと、注意深く行動をしなさい!」
「はーーい!」
Moonhaven: (ムーンヘブン)
ソーサリーエレメント:風属性
王様は、メルキド
リバースサーフェス
天と地(自然)
(Heavenlight / Abyssalix)
「ヘブンライト•アビサリクス」
魔法属性は、光、闇、炎属性
元の職業は、科学者
次回 家族の絆へようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




