エリスの世界へようこそ!
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その頃、アルクはレオンを連れてエリスの元へとやって来ていた。
「やあ、エリス!久しぶり!」
「アルク!元気だった?」
「ああ、エリスも元気そうだね!」
「その子がレオン君ね!可愛くて賢そうなこね!」
エリスがレオンを抱き上げると、優しく頬擦りをした。
レオンは冷静にエリスを見ていた。
エリスはセレブで、高級マンションに住んでいる。
金色の長い髪を棚引かせた美女で、魔法の国のエルフの女王様のような女性だった。
エリスとエヴァリス姉妹は、同じ師匠の元で修行を受けていて、エリスもかなりの魔法の使い手だった。
特に土魔法が得意で、そのセンス抜群の構築技術では右に出る者は居なかった。
「それで、今日は何のようかしら?」
「実はエヴァリスからの言付けがあるんだが、少し時間をもらってもいいかな?」
「ええ、大丈夫よ•••」
アルクは今までの経緯を詳しく説明した。
「その表裏能力というのを覚醒させれば、とてつもない力を使えるようになるのね?」
「まあ、簡単にいうとそんな感じだ。しかし、儀式には死の覚悟が必要だ!」
「分かってるわ、そこはエヴァリスとリーフィアを信じている!」
「そうか!」
アルクは【表裏の書】をエリスに手渡すとこう言った。
「頼んだぞ!いい方向へと導いてくれ!」
「任せておいて!」
「エリスの儀式は、どうする?僕が見守ってもいいけど?」
「アルクにお願いするわ」
「了解した」
アルクは、リーフィアが作ってくれた秘薬を用意すると、エリスをベッドへ寝かせた。
「さあ、一気にこれを飲み干して!」
「うん」
エリスは小瓶を一気に飲み干すと、そのままぐったりと動かなくなった。
••••••
「どっかに金でも落ちてねえかな!」
薄汚い男がそう呟いた。
「ああ、この男私を••••」
そこへ綺麗に着飾ったセレブの女性が颯爽と歩いて横切っていった。
「あれって、私?」
「くっそ!お高く止まりやがって!」
薄汚い男がその女性の後を着けて歩いて行った。
「ああ、そいつ!気を付けて!」
「うん?」
その女性はふと振り向くが気にせず歩いて行ってしまった。
人通りの少ない公園へ差し掛かると、
「おい!そこのお嬢さん!」
彼女は気にせずスタスタ歩いている。
「くそ!無視しやがって!」
男が彼女の前に飛び出してナイフをチラつかせた。
「あなた何!汚いわね!向こうへ行ってもらえるかしら?」
「なんだと!なめんな!」
男はそのまま体当たりで女性を押し倒した。
「キャーーー!」
「うるせえ!」
男はボロボロの手袋で女性の口を押さえると、ナイフで脇腹をひと突きした。
「う、うう•••」
「げええ、血が•••そんなつもりじゃ•••」
男は急に怖くなって取るものも取らずに逃げていってしまった。
地面に転がされたままの彼女は、刺された場所がよくなかったのか血が止まらずそのまま弱っていった。
「あなたに聞きたいことがあるの?」
「誰•••助けて•••死にたくない•••ゲホ」
「あなたは、私なの残念ながらそのまま死んでしまうの•••最後にあなたが今感じていることを教えて!」
「ゲホ•••ああ、風と土の香りがする•••ゲホゲホ•••」
「あ、ありがとう!」
「ああ、もっと自然を楽しみたかった••••••」
••••••
エリスは大粒の涙を流しながら目を開いた。
「ああ、アルク!」
エリスはアルクに寄りかかってしばらく動けなかった。
「どうだった?」
「ああ、思い出したよ風と土だったみたい」
「なるほど、ゼファー•ガイアか!」
エリス ♀
リバースサーフェス
風と土(自然)
(Zephyr / Gaia)
「ゼファー•ガイア」
魔法属性は、光、風、土属性
元の職業はセレブ
「エリス、落ち着いたかい?」
「ええ、アルクありがとう。付いていてくれて•••」
「ああ、ちょっとエヴァリスのことで心配なことがあるから、すぐに戻らないといけないんだ!」
「ああ、ごめんなさい。引き留めてしまって•••」
「いや、いいんだ!じゃあ、僕は行くよ!」
「うん、いろいろありがとう。エヴァリスとリーフィアにもよろしくね」
「ああ!」
アルクはレオンを連れて急いで家へ戻っていった。
次回 人体実験へようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




