試練の条件へようこそ!
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エヴァリスはアルクを呼び出すと、手に持った二振りの剣を見せた。
「エヴァリス、こんな朝早くにどうしたの?」
「アルク、この剣を見て!」
エヴァリスは、漆黒に輝く剣と純白に煌めく剣を両手に持っていた。
「素晴らしいものですね!どうしたんですか?師匠」
「私が作ったのよ!」
「えっ、師匠が?」
「まずは、攻撃を仕掛けてみて、あなたの上達ぶりを見せて」
「分かりました」
アルクは、両手にナイフを構えると攻撃体制に入った。
アルクは魔法使いとしてはもちろんの事、近接攻撃においてもエリートレベルで、均整のとれた体つきをしていた。
素早く攻撃を繰り出すがエヴァリスはすべて難なく交わしている。
アルクは何か違和感を感じながらも攻撃を続けた。
「どうしたの?アルク、魔法も使っていいのよ!」
「分かりました!」
「ブレイズ•ブリンカー!」
アルクは一瞬で無数の炎の矢を作り出すとエヴァリス目掛けて放った。
エヴァリスは黒い剣を自分の前で一振りすると炎の矢はすべて吸収されてしまった。
「ええ、何ですかその剣は?」
「いいから、どんどん続けて!」
「はい!」
「フォトン•ファランクス!」
アルクが手を広げて胸の前で銃を撃つように構えると、輝く光線が放たれた。
エヴァリスは白い剣で受けると、光線は弾き返されアルクに帰ってきた。
「うわあ!」
「どう?」
「どう?じゃないですよ!」
アルクは焦りながらエヴァリスに近づくと、
「何ですか?その剣?」
「凄いでしょ?」
「見せてもらってもいいですか?」
「いいよ」
エヴァリスは黒い剣をアルクに手渡した瞬間、剣は先の方から少しずつ消えていってしまった。
「ああ、消えた?」
「やっぱり、消えちゃったか•••」
「やっぱり?」
「実はこの剣、私が魔力で作り出したものなのよ」
「あの違和感はそれか•••」
「違和感?」
「さっき、剣を交えたとき実態がないと言うかなんか違和感を感じたんです」
「そうなんだ•••」
「それにしても、それは魔法なんですか?」
「いいえ、表裏能力よ」
「表裏能力?」
「ええ、私たちが仮に付けた名前だけどね!」
「はあ•••?」
「表裏能力を得て覚醒するとリバースサーフェスという力を使うことができるの」
「リバースサーフェスですか?」
「ええ、私のリバースサーフェスは、【パール•オニキス】と言って白と黒の物を自在に操る能力のようね」
「いまいち、よく分かりませんが?」
「この白い剣は、パールの力で具現化した魔力の塊なのよ、さらに魔法を反射することができる」
「なるほど•••」
「さっきの黒い方はオニキスの力で魔法を吸収できるってわけね」
「はあ•••そもそも、どうやってその表裏能力とやらを身に付けたんですか?」
「リーフィアと実験してその条件を見つけたの」
「条件?」
「1、転生者であること
2、魔法属性を少なくとも2属性
最大値(10)まで上げてあること
3、元の世界に未練がある死に方
をしていて、元の職業に思い入れ
があることが条件よ」
「なら、僕も当てはまりますね」
「そこで相談なんだけど、アルクはこの力を身に付けたいと思う?」
「そうですね」
「ただし、試練を受けるには死ぬ覚悟が必要なの•••」
「死ぬ覚悟?」
「ええ、実際、一度死なないといけないのよ•••」
「臨死体験的なことですか?」
「まあ、そんな感じかな•••」
「なるほど、その試練を乗り越えることができれば、あの強大な力が手に入るということですね!」
「そう言うことになるわね•••」
「分かりました。僕は師匠を信じます。ぜひ試練を受けさせてください」
「分かった。心の準備ができたら修練場まで来て」
「はい!」
その話を陰から覗き見ている者がいた。
次回 アルクの世界へようこそ!
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