国宝展示会へようこそ!
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「展示1時間前です。警備の方よろしくお願いいたします!」
ハーベルたちは、裏口で待機していた。
「なんか緊張してきた!」
ネルが相変わらず心配そうにしている。
「さあ、もうそろそろ時間だ!気合い入れて行けよ!」
「おう!」
「了解!」
「はい!」
「では、お時間となりました。ただ今から至高の国宝と名高い、あの
【アークティックタイガー】のお披露目となります。心行くまで御堪能下さいませ!」
「アークティックタイガーは【白虎】とも呼ばれる宝玉です。
秋を象徴し、金の元素と関係すると言われております。
さらに、 白虎の剣は、白く輝く刃に、白虎の紋様が刻まれた長剣で、剣を振るうと風のような音がして白虎の咆哮を思わせると言われております。
この白虎の剣は、【アークティックタイガー】と対となる神器と言われ未だに未知の存在として語り継がれております」
アナウンスのお姉さんが、流暢に説明を始めた。
「は~い!皆さんごきげんよう!」
トリガーが、大きな声でそう言うと天井目掛けてマシンガンを撃ち放った。
ドドドド、ドド、ドドドド•••
「表の警備は何しておる!」
正面と周りの警備は、アルカの魅了魔法とタオの紫氷魔法によってすでに無力化されていた。
「トワイライタス•エニグマ!」
フウマが詠唱すると、
急に周りが暗くなり黄昏どきの幻影の中にすべてが引き込まれていった。
「オッケー!頂きます!」
トリガーが宝玉に手を伸ばそうとすると、
「待ちたまえ!君たちの相手は私たちだ!」
アレクシアたちが宝玉の周りを囲んで守りを固めた。
「なんだか、ヒヨコが居るみたいだな!」
急にトリガーがアーリの目の前に顔を出すと、
アーリが思わず、
「グレイスフル•グロテスク」
「バカが!これだから素人は!
こんなところで能力解放するんじゃねえよ!」
「マイティウス•エンパワーメント!」
トリガーが、アーリにデコピンをすると吹っ飛んで壁に激突した。
「アーリーー!」
アレクシアが、駆け寄り回復してやった。
「アレクシア、ありがとう•••」
そのまま倒れてしまった。
「くそ!」
「インヴァージョン•ゼニス!」
空間がねじれて上下逆さまになってしまった。
「なんだこれ?なんか意味あるのかな?」
トリガーがぶら下がりながら言うと、下へ飛び降りて、同時に落ちてきた【アークティックタイガー】
をバシッと受け取った。
「サンキュー!」
その隙に、フウマがその場のすべての人を影縫いで動きを封じていた。
「ヒャホーーーー!」
「手に入れたら即退散でござる!」
いつの間にか上下は元に戻っていた。
その頃裏口では、
「あれ、ガルシアさん!こんなところで何してるんですか?」
ガルシアはハーベルを見てニヤリと笑うと、
「プシュケ•スタミナ!」
「おい!ハーベル!」
レオンが間一髪でハーベルを引き寄せた。
「惜しかったね•••」
「ハーベル!」
「ルミナス•シャドウ!」
「はっレメディア•ヴェノミスト!」
「ほほう、能力を身に付けたようだな!裏へ!」
ガルシアは、リフトを開くとゆっくりと入っていった。
「おーーい!ガルシア何遊んでるんだよ!」
トリガーが大きな声で叫びながら裏口へ飛んできた。
ガルシアはリフトから顔を出すと、ハーベルに向かって、指で来るように誘ってきた。
「ハーベル、行くんじゃない!アイツはお前を殺す気だ!」
「ごめん!レオン!リバース!」
ハーベルは自分でリフトを開けて入ってしまった。
「くそ!追って行きたいけど、あの二人を置いていく訳にも行かないし!」
「ああ、ハーベル死ぬなよ!」
「よく来たね!ちゃんと自分でリフトを開けてくるとは、偉いね!」
ガルシアは嬉しそうに拍手をしている。
「ご褒美にいいこと教えてあげるよ。他人のリフトに入ったら死ぬよ!」
「ガルシアさん、何でこんなことを?」
「何でって、私はエクリプス•エンクレイヴの一員だからね!一応ね•••」
「でも、まだ早いな•••」
「何が?」
「でも、いいか少しぐらい遊んでも」
ガルシアの顔がニヤけて、おぞましい悪魔のような顔になっていた。
「俺を殺す気ですか?」
「ああ、そのつもりだったけど•••」
「そうですか!」
ハーベルは構えた。
「エンパワーメント•スタミナ!」
ガルシアが唱えると凄まじい魔力と共に肉体が3倍にも膨れ上がった。
「ああ、殺るしかなさそうですね。
残念ですガルシアさん」
構えから一気に魔力を集中させると、
ハーベルが、
「トキシックサージ•ヴェノミスト!」
どす黒い波動をガルシアに打ち放った。
ガルシアは巨大な肉体に魔力を循環させながら、その波動を受け止めた。
受けた手からどす黒い色が身体中に回って全身が真っ黒になった。
「ガルシアさん、さようなら!」
「プシュケ•ハルシネーション!」
ガルシアの身体はそのまま朽ち果てていった。
「おお、どうした?」
「っは!ガルシアさん?死んだはずじゃ!」
「誰が死んだって?」
「ええ、幻覚?」
「ほお、気がついたか?」
「レメディア•レストレーション!」
ハーベルが自分の精神異常を回復させた。
「ほお、やるね!」
「はあーーーーーーー!」
ガルシアが手を前に組むと、
「真雷神拳•改!」
ガルシアが手を解き放つと、一瞬で真っ暗となり凄まじい雷撃が一筋、ハーベル目掛けて落ちてきた。
ハーベルは天に両手を挙げた構えのまま突っ立っていた。
「レメディア•アース!」
プシューーーーー!
ハーベルはすべての電流を地面に受け流し中和してしまった。
「ハハハ!」
「やっぱり、お前は面白いな!今日のところはこれで十分に楽しめた!」
「どういうことだ!」
「まだ、まだ、青いということだ!」
「今度会ったら、もっといいものを見せてくれよ!表へ」
ガルシアはリフトを開いた。
その頃サーフェスレルムでは、
「ネル、クラリッサ、無理するな!」
クラリッサは【EclipseRay-KC99】で
「オブシディアン•レーザー•ミスフォータス!」
と連射していた。
フウマとトリガーが軽く交わそうとするが、いつまでたっても弾丸が追尾してくる。
「なんだ誘導弾か?」
「はっ!」
「はっ!」
気合いで二人とも弾き飛ばしてしまった。
「まだ、威力が弱いか•••」
「お嬢ちゃん!」
トリガーがネルの目の前に顔を出した。
「シャドウ•シフト!」
レオンがネルを掴んで移動した。
「ここで待ってて!」
「はい!」
「僕が相手してやるよ!」
「シャドウ•グレイシャル•グリップ!」
「シャドウ•オーロラアイス•ジャベリン!」
素早く詠唱すると、漆黒の氷の鎖がフウマとトリガーの足を強力に締め付ける!
「コイツは外せねえ!」
立て続けに漆黒の氷の槍が無数に現れ二人を貫いた。
「ぐはっ!」
トリガーは口から血を吐きながら苦しそうにもがいている。
フウマは、片足を失いながらも何とか逃れて宝玉も持ったまま逃げていった。
「ガルシア殿、これをマスターへ」
フウマがガルシアへ宝玉を渡すと、
「裏へ」
フウマはリフトへ倒れこむように消えていった。
「くそ!逃げられた!」
「ガルシアーーーーー!」
ハーベルがゆっくりとリフトから出てくるとその場に倒れてしまった。
「ハーベル!大丈夫か?」
レオンが抱き上げて、ネルが回復魔法をかけてくれた。
「俺は•••?」
次回 因縁の対決へようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




