決戦前夜へようこそ!
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「ここが、国立博物館か!」
「立派な建物だね。警備も厳重だ!」
ハーベルたちが到着したのは、前日の
午後8時過ぎだった。
「よお!ハーベル!」
「レオン!久しぶり!」
ハーベルとレオンは、拳同士を軽くぶつけるとバシッと手を叩いた。
「レオン!どうしてたの?」
ネルが尋ねると、
「僕は家でしばらくこもって魔法の訓練に勤しんでたよ!」
「みんなは?」
「俺たちは、ダンジョンで踏破も兼ねてランク上げしてたよ!」
「もう、第四章に上がったよ!」
「おお、頑張ったね!」
「レオン、みんなでちょっと相談したいんだけど?」
「もちろん、僕も伝えたいことがあるしね!」
「良かった!」
集合時間まで近くのカフェで話を聞いてもらうことになった。
「とりあえず、先に伝えたいことを言っておくね」
「分かった」
「おそらくリバースサーフェスのことで聞きたいことがあるのだろうけど、まずは聞いてくれ!」
「うん」
レオンの話はこうだった。
リバースサーフェスの能力は、強大が故にコントロールが難しいし、心して使用しなくてはいけない。
決して悪の心で使用してはいけない。
表裏能力は、表裏能力でしか対応することはできない。
それ故、一般人への使用は固く禁じられている。
自分のリバースサーフェスと向き合い、真の力を目覚めさせた時にその真価が問われる。
対峙した相手に表裏能力を曝すと、2段階目の能力が解放される。
故に、能力を曝すのはよほどの信頼に足る者か、二度と会うことのない者に限定される。
つまり、相手を死に至らしめる覚悟がある者のみが許される。
「よく分かったよ•••」
「そうだね、聞きたいことは大方分かったよ」
「さすが、レオンね!すごい!」
「いや、すべて父さんの受け売りだからね。すごいのは僕じゃないよ」
「でも、助かったよ!」
「レオンが居なかったら、訳も分からず戦うところだったからね•••」
「クラリッサ、復習したい気持ちは分かるけど、さっき言ったことを肝に銘じておいてね!」
「うん、分かってるけど•••」
「まあ、いざとなれば僕が何とかするから!」
「レオン、ありがとう•••」
「すでに、それぞれの能力を知っているけど、2段階目の解放はされてるってこと?」
「いいや違うよ!さっきも言ったけど、戦う相手と認識して対峙したときに曝さないと条件は満たされないから、
相手が曝してきたら即、こちらも対応しないと殺られるよ!」
「そう言うことか•••」
「なんか怖くなってきた•••」
ネルが心配そうに言った。
「僕たちはなるべく一緒に行動するようにしよう!」
「了解!」
「さあ、時間だ!」
「よし!」
「皆様、お集まり頂ありがとうございます。ここからは警察庁長官のブリッツ様からお話があります」
「長官のブリッツだ、警察の威信にかけても必ず強奪の阻止と検挙を遂行するように!以上!」
「ありがとうございました。細かい指示に関しては、
PSW Detective Agencyのセノン様から指示がありますのでよろしくお願いいたします」
ハーベルたちは、セノンの指示によって裏口の警備の手伝いをすることになった。
「展示は、明日の午前9時より1時間限定で行われます。隣国よりの国賓の皆様も大勢ご出席なさいますので、警備の方を十分にお願いいたします」
「分からないこと質問などはすべてスマートフォンのメールにて対応させて頂きますのでご了承下さい」
合同の集会はお開きとなり、各自部屋で休むこととなった。
部屋へ向かう途中、
「おお、久しぶりじゃないか!」
聞きなれた声で挨拶をしてきた。
「あ、アレクシアさん!」
「アーリとカスラもいるぞ!」
「お久しぶり!」
「久しぶりです」
「どうだ、強くなったかな?」
「ああ、そっちは?」
「それなりに強くはなっていると•••」
アーリはまだ不安そうだった。
「どこを警備するんだい?」
「僕たちは裏口の警備さ!」
「ああ、私たちのチームは表を任された。お互い頑張ろう!」
「ああ、よろしくな!」
お互いリバースサーフェスについてはまだ知らないふりをしていた。
カスラ ♂
リバースサーフェス
昼間と夜間(自然)
(Horizon/ Nocturne)
「ホライゾン•ノクターン」
アーリ ♀
リバースサーフェス
美貌と醜悪(感情)
(Graceful /Grotesque)
「グレイスフル•グロテスク」
アレクシア ♂
リバースサーフェス
上昇と下降(現象)
(Zenith /Nadir)
「ゼニス•ネイディア」
「まだ、警戒するに越したことはない。お互い注意しよう!」
「分かった」
部屋へ戻ると、久しぶりにレオンと一緒の部屋で泊まることになった。
「レオン、家でどんな修行してたの?」
「ウチは、代々魔法使いの家系だから、魔法使いのための家みたいなもんで訓練施設も充実してるんだ!」
「いいな!」
「父さんも、魔法使いのスペシャリストでメチャクチャ強いんだよ。さっきのリバースサーフェスの話も父さんに教えてもらって、修行もつけてもらった」
レオンはとても誇らしげだった。
「そっか•••」
ハーベルは少し羨ましかった。
「俺も父さんがいたら、そんな感じだったのかな?」
「ああ、ごめんハーベル!」
「いや、そんなことないよ•••」
少しの間沈黙が続いた。
「ああ、そう言えば俺将来、ネルと病院でも始めようかと思ってるんだ!」
「おお、いいね!」
「二人とも医療関係者だったからね」
「能力的にもかなり医療向きだもんね!」
「そうなんだ!」
結局、詳しい修行の話は聞けないまま夜が更けていった。
次回 国宝展示会へようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




