レジオン(王国)へようこそ!
「もう一つ重要な事を伝えておかないと行けないのよね•••」
リーフィアは神妙な面持ちで言った。
「どうしたんですか?」
「師匠?」
「今いるこの領域は、私が開いたリフトから入った領域で、ある一定の範囲は許可した人以外は、全く干渉できないようになっているの」
「それは前に聞きました」
「だいたい範囲としては、リフトを開いた場所を中心に半径500mくらいの円になっているみたい」
「まあまあの広さだな!」
「その外はどうなっているのですか?」
「そこが問題なのよ!」
「なぜ?」
「外では自由に行動できるのだけど、逆にいうと誰の領域でもないから好き放題できるということで、力のあるデュアルが勝手に国みたいなものを作り始めたのよ」
「国ですか?」
師匠の話によると、
リバースレルム(裏領域)では独自の進化を遂げていて、サーフェスレルム(表領域)で得られた遺物や財宝で各地に5つのレジオン(王国)ができていた。
Eclipsara
光と闇が永遠のワルツを踊る影に隠された王国。
ソブリン(王)は、謎に包まれている。
Azurethra
無限の海とセルリアンブルーの空に浸された土地。
ソブリンは、アクシア
リバースサーフェス
炎と水(自然)
(Crimson / Azure)
「クリムゾン•アズール」
魔法属性は、光、炎、水属性
元の職業は、女優
Whisperwood
木々が秘密を囁き、風が古の物語を運ぶ森。
ソブリンは、エリス
リバースサーフェス
風と土(自然)
(Zephyr / Gaia)
「ゼファー•ガイア」
魔法属性は、光、風、水属性
元の職業は、セレブ
Solarnelle
金色に輝き、永遠の光に温められた太陽を浴びた領域。
ソブリンは、サリエル
リバースサーフェス
太陽と月(自然)
(Solar / Lunar)
「ソーラー•ルーナ」
魔法属性は、光、闇、土属性
元の職業は、官僚
Moonheaven
銀色の風景に囲まれ夜が支配し、星々が集まる場所。
ソブリンは、メルキド
リバースサーフェス
天と地(自然)
(Heavenlight / Abyssalix)
「ヘブンライト•アビサリクス」
魔法属性は、光、闇、炎属性
元の職業は、政治家
「ほとんどのデュアルは、どこかのレジオンに所属しているけど、私みたいにどこにも属していない者もたまにいるわ」
「師匠は、なぜレジオンに属さないんですか?」
「私にはやることがあるの!まだ言えないけど•••国同士の争いなんかよりもっと大事なことがね!」
「この世界は広いから他にも土地があるのになぜその5ヶ所にレジオンを創ったんですか?」
「実はその5ヶ所の土地の中央にソーサリーエレメントと呼ばれる各属性の巨大な魔法石が存在しているの!」
「なんで5ヶ所?」
「なぜか光のソーサリーエレメントだけがまだ見つかっていないのよ•••」
闇属性:エクリプサラ
水属性:アズーレセラ
土属性:ウィスパーウッド
炎属性:ソーラーネル
風属性:ムーンヘブン
となっていた。
「そして、すべての国から見た中央にあたる場所に、
【エレメンタルスパイア】と呼ばれる100階の塔が聳えているのだけど、未だに誰ひとりとして塔に到達できた者はいないのよ」
「塔に行けないってどういうこと?」
「謎の力に阻まれて、空から行こうが転移しようがもちろん歩きでも、行けないらしいわ」
「何か特別な条件がいるのですかね?」
「その説が有力のようね!」
「レジオンって言ってもそんなにたくさんのデュアルがいるんですか?」
「いいえ、デュアルは一部でほとんどの住民は一般人よ!」
「ええ、一般人に知られてるのですか?」
「まあ、特別な人や業者や職人などの生活に関わる人が多いけどね」
「あなたたちだって一般人の頃からリバースレルムへ来てたじゃない!」
「まあ、確かに•••」
「もちろん、セノンさんたちもリバースレルムのことは知っているし、次元の裂け目がリフトの閉め忘れってことも十分に分かっているわ」
「ええ、師匠もセノンさんのこと知ってるんですか?」
「もちろんよ!」
「なんだ•••」
「セノンさんたちだってこちらからの恩恵もあるからね。持ちつ持たれつよ」
「そうだったのか•••」
「あとは自分の考えで行動すればいいけど、レジオンに所属する場合はよく考えてね。敵同士になるかもしれないからね」
「はい!」
「了解!」
「分かりました!」
「オッケー!」
「私ができるのはここまでよ!」
「ええ?」
「どういうことですか?」
「ここに来ちゃダメなんですか?」
「師匠?」
「いいえ、もちろん会いに来てくれるのは大歓迎よ!」
リーフィアは少し寂しそうだ。
「師匠としての仕事は終わりってことなの、ここからはいちデュアルとして関わることになるのよ!」
「そう言うことか•••」
「安心した」
「ネルとクラリッサは、これからどうするの?」
「私は、ハーベルたちと一緒に行きたいんですが•••」
ネルが上目使いでお願いする。
「私は、用事があるから別行動かな?」
「そっか•••」
「レオンは?」
「僕は、個人的にリバースサーフェスを研究したいから、しばらく家に戻るよ」
「分かった、また連絡するね!」
「もちろん、僕もするよ!」
手をバッシと叩いた。
「ネルは、俺とダンジョンで修行でいいのかな?」
「はい!」
とても嬉しそうに手を叩いた。
「じゃあ、それぞれやることが決まったようね。いつでもここへ来れば私がいるからね!」
「師匠!ありがとうございました!」
全員が深々と頭を下げた。
次回 クラリッサの世界へようこそ!




