レオンの世界へようこそ!
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「いよいよ、僕の番か!」
「準備はいい?48時間以内に戻ってきてね!」
「了解!」
レオンはスーと眠るように息を引き取った。
うう、この匂い!思い出す。
「お前の任務は!」
「はい!暗殺です!」
「任務以外のことは考えるな!」
「了解!」
そこは、とある暗殺者ギルドの拷問部屋だった。
この悪臭を嗅ぐと吐き気がする•••
「次の依頼はこれだ!」
「了解!」
メモを一読すると直ぐに破棄した。
暗殺者は、直ぐ様準備を整えると暗殺へと向かった。
「ああ、考えないようにはしてるけど普通の暮らしをしている人を見ていると、つくづく因果な商売に足を突っ込んだと思うよ」
「そうだよな!」
暗殺者は飛び退いて構えた。
「お前誰だ!刺客か!」
「刺客か?って聞かれて答えるバカはいないだろ!」
「まあ、確かに•••」
「いや、お前は•••」
「僕は君さ!」
「はあ?」
「相変わらず、無口だね!」
「うるさい!」
「まあ、基本誰とも話さずに任務をひたすら遂行するだけの人生だからね」
「分かったような口を利くな!」
「だから、僕はお前だから分かってるんだよ!」
「ああ、うるさい、うるさい•••無心、無心、無心•••幻覚、幻覚•••」
そう言って暗殺者は、目を閉じて一切の話を聞かなくなってしまった。
「おい、無視するな!」
「無心、無心•••」
ヤバイな、暗殺者は一度こうなるとテコでも動かないからな•••
自分もだけど•••
暗殺者は、依頼を速やかに遂行するとアジトへ戻って自分の部屋へ帰って行った。
その間もずっと話続けていたが、一切聞こうとしなかった。
このままだと48時間なんか直ぐに経っちゃうよ!
どうしたら話を聞いてくれるかな?
「今日の依頼はこれだ!」
「了解!」
メモを破り捨てるとすかさず任務へと向かっていった。
「おい、頼むよ!話を聞いてくれよ」
「無心、無心•••」
くそ!時間がないのに•••
自分のことを思い出すんだ!
ええっと、ああ、何も考えてなかったんだった。機械のように依頼されたことをただこなすのみで、自分の感情はすべて圧し殺して生きていたんだった。思い出した•••
これは自分のこととは言えダメかも•••
タイムリミットは今夜の夕方6時か•••
その頃現実世界では、
「ねえ、レオン遅すぎない?」
「そうね、ここまで時間かかるのは見たことないわね•••」
「あと、どのくらい?」
「もう3時間切ってますよ!」
「レオン、急いでくれ!」
ハーベルが手を組んで祈るようにレオンの傍にいた。
「おい、頼むよ!」
「無心、無心•••」
不味いな、このままじゃ死んじゃうよ
興味を引くようなことってあったかな?じっくり考えてみるがまったく思い浮かばない•••
焦ったレオンは、
「おい!僕と勝負しろ!」
「うん?」
おお、反応した!
「負けるのが怖いのか?」
「お前なんかに負けるわけないだろ!」
ああ、返事したぞ!
「いいや、僕の方が強いね!」
「分かった、一度だけ勝負してやる。負けたらもう一切俺の前に顔を出すなよ!」
「それでいい!」
よっしゃ!これで勝てば?勝てばいいのか?それだけじゃダメなような•••
「勝負の方法は?」
「そうだな、胸のこれを壊した方の勝利でどうだ?」
「いいだろう」
本当にこれでいいのか?
暗殺者は、まったく音を立てずに躊躇なく襲ってきた。
レオンも素早く対応しすべてしのいでいる。
戦いで語っても返事は貰えないんじゃ
完全に互角の戦いなので、まったく勝負がつかなかった。
「やるな!ここまで強いとは思わなかった!」
暗殺者は少し高揚している様子だ。
どうにか時間内に勝負を決めて話をしないと、
壁に掛かった時計の針は5:45を指していた。
自分の戦闘の癖を思い出すんだ!
「行くぞ!」
暗殺者が攻撃を繰り出した瞬間、
「ピーーー!」
けたたましい音が鳴り響いた。
これは、食事の合図!
暗殺者は一瞬だけ動きが鈍った。
レオンはその隙を見逃さず素早く胸の紋章を壊して見せた。
「お、お見事!」
「おい、大丈夫だろ?時間がないんだ。
最後に聞かせてくれ!お前に残っているものは?」
「俺に残っているもの?」
「ああ、早く!」
時計の針は5:59を指している。
「頼むよ!」
「光と闇!」
暗殺者はそう言って気絶してしまった。
時計を見ると6:01だった。
「嘘だーーーーー!」
「ねえ、もう48時間経っちゃったよね?」
「ええ、レオン!」
「目を覚ましてくれ!」
みんなが狼狽えている。
「ああ、レオン!」
「ハーベル!レオンを助けてあげて!お願い!」
クラリッサが狂ったように懇願してくる。
「レオンを助ける方法は•••」
ハーベルは心臓がドキドキしてなかなか考えが纏まらない。
「ああ!」
「どうしたの?」
突然ハーベルが大きな声を出した。
「スキルで「蘇生」って言うのがあった気がする」
「ああ、それではダメよ••」
リーフィアが残念そうに言った。
「蘇生ではダメ何ですか?」
「蘇生は、死者を生き返らせるスキルではなくて甦らせるだけで魂は戻らないの!」
「ええ、生きる屍ってこと!」
「ええ、ゾンビのような存在になってしまうの•••さらに、術者から離れれば朽ちてしまう•••」
「ネクロマンシーってことですか?」
「その通り•••」
「ああ!」
ハーベルがまた一際大きな声で叫んだ!
「どうしたの?」
「セノンさんから「フェニックスクロー」っていうアイテムを貰ったんだけど、そのスキルが「死者の生還」だったような!」
「それなら行けるわ!」
「ハーベル!早く!」
クラリッサが急いでレオンを膝の上に寝かせると、
ハーベルが「死者の生還」を使用した。
「くそ!あと1分だったのに!」
レオンは悔しがって時計の針を何度も確認していた。
「ああ、これってどうなるのかな?」
「死んだらどこ行くのかな?」
レオンは目をつぶって倒れ混んでしまった。
「うう、うう、ここは天国か?」
レオンが苦しそうに目を覚ますと、
「レオン!」
クラリッサが、レオンを抱き上げて死にそうなくらい泣きわめいている。
「レオン!よかった!」
クラリッサはまったく離そうとしない。
「レオン•••」
「はあ、一時はどうなるかと思ったよ•••よかった生き返って!」
「やっぱり僕死んでたんだ?」
「だって戻って来ないんだもん!」
「ああ、あと1分で死んじゃったんだよ•••」
「ハーベルのお陰で助かってよかったね!」
「ハーベルの?」
「うん、貴重な「死者の生還」っていう1年に1回しか使えないスキルで生き返れたんだよ!」
「そんなスキルが•••」
「ハーベル!」
「レオン、お帰り!」
ハーベルとレオンは手を固く握ると、バッシと大きな音を立てて叩いた。
「ああ、よかった。それでリバースサーフェスは聞けた?」
「はい、よく分かりませんが最後に聞けたような•••」
レオン ♂
リバースサーフェス
光と闇(自然)
(Luminous / Shadow)
「ルミナス•シャドウ」
魔法属性は、全属性
元の職業は、アサシン
魔力:310,000
属性数値:(最大値:60)
光 10 土 9 水 10 闇 10 風 10 炎 9
「なるほど、ルミナス•シャドウね。レオンらしい能力ね!」
「これでデュアルになったの?」
「そうね、これでサーフェスレルムへ自分で戻れるはずよ!リフトの閉め忘れには十分に注意してね!」
「はい!」
「ハーベル、本当に助かったよ!」
「いや、当たり前のことしただけだよ!」
本当にいい奴だな•••
「ちょっとやってみるか!」
「掛け声はリバースサーフェスだけですか?」
「いいえ、人によって違うみたいね、表裏解放!や裏へ!なんていうのも聞いたことがあるわね!」
「リバースサーフェス!」
シュピーン!
ハーベルが空間を切り裂いた。
「おお、リフトが開いた!」
「表へ!」
シュピーン!
レオンが少しカッコつけて言った。
「なるほどな!」
「あとは、個々に自分の能力と向き合ってどうやって能力を伸ばしていくかを考えなさい!」
「分かりました!」
「ありがとうございました!」
みんなは一斉に頭を下げた。
次回 レジオン(王国)へようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




