レイドの罠へようこそ!
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60階層まで来るとみんなは固まった。
その条件が20人のレイドでのみ挑戦が可能となっていた。
「はあ?」
「20人って次の受験者が来るまで待てってことかよ!」
「ヤバい!」
「どうしたのレオン?」
「今が60階層だろ!このまま同じ条件が続くと90階層のボスは50人のレイドでのみ戦闘可能って言うことになる」
「そんな条件無理だろ!」
「だからヤバいんだ。このままだと時間が足りなくなるかもしれない!」
「どうすれば?」
「20人はどうにかなるだろうけど、40人とか50人とかになるとここまで来るのを諦めかけてる奴らを集めてこないと足りなくなる。
しかも最後は50人がレイドの最大人数だから、それ以上の奴は溢れることになる•••」
くそ、最悪のルールだ!
人を集めるためには戻ることはできないから、ひたすら待つかリタイアして1階層から行くしかないし、5回リタイアしたら失格になる。
しかも、戻っている間にボスを攻略されたら自分のクリアチャンスはなくなる可能性が高い。
そんなリスクを背負ってまで1階層に戻るバカなんていない•••
でも、戻らないと人は集められない•••のジレンマに陥る。
どうする•••
10人全員に集まってもらった。
「ここからは腹を割って話すからよく聴いてほしい•••」
みんなは真剣な顔つきになった。
レオンはこれまでに分かっている事を説明し始めた。
「最終的に50人で90階層をこの10人を含めてクリアするためには、80階層の40人で2つレイド(80人)が必要になる。さらに、70階層の30人で3つレイド(90人)が必要となる。さらに、60階層の20人で5つのレイド(100人)必要となる•••」
「しかも、階層が上がる度に10人づつ切り捨てないといけない•••90階層では30人も切り捨てないといけないことになる」
「ほぼすべての受験者を60階層まで集める必要があるため、このまま他の受験者が登ってくるのを待っていたのでは時間が足りなくなる。
そこで5人づつに別れて上層階で80人近い受験者をまとめるパーティーと残りの受験者を60階層以上まで連れてくるパーティーにする必要がある」
「最後に100階層へこの10人で挑戦するためには最低10日間は残しておきたい•••たぶん最後のボスはソロでの挑戦のような気がするからだ•••」
「恐らく100階層まではソロで50人中10人になるまでの決闘になるに違いない」
みんなは真剣に聞き入っていた。
「そうなるとこの10人の結束が絶対条件となる。裏切りは絶対に許されない!」
「ここまでで、みんなの意見が聞きたい」
「大前提が崩れるが、あくまでもレオンの予測が元の作戦だ、もしかすると予測が外れていて普通に10人レイドで上がっていけるかもしれない」
「確かにその可能性は否定できないけどこの試験を作った人は、今までの感じからしてもかなり意地悪だから、レオンの予測は合っていると思う」
ハーベルが口を挟んだ。
「その通りだな!」
アレクシアも賛同した。
「作戦の内容は分かったけど、問題は誰がリタイアを宣言するかだよな?」
「確かに!」
「俺が行くよ!」
「まあ、そう言うと思った。じゃあ、僕も付いて行くよ、できれば5人パーティーで行動したいんだが!」
「もちろん私たちも行きます」
「ああ」
「もう一人はっと•••」
「も、もちろん俺も行くに決まってるだろ•••」
タクトが渋々のようだが了承した。
「そこで相談なんだが、さっきの賞金をすべて僕たちに渡してほしい、あとSR以上のアイテムもだ•••」
「何?俺のもか?」
「当然!」
「金には興味ないから渡してもいいが何に使う?」
「ああ、下の階層で燻ってる奴をほぼ全員連れてこないといけないし、各階層で10人ずつ切らないといけないからその交渉に使いたいんだ!」
「それなら了解だ!」
「私もいいわ」
「了解」
「くそ、分かったよ出せばいいんだろ、出せば!」
タクトはまた渋々提供した。
「残った上のパーティーもかなり大変だと思う、大人数になれば言うこと聴かない奴が出てくる、それをまとめないといけないし次の階層に上げる順番の管理も必要だ。
ザッと計算して上手く回しても90階層まで最低5日間はかかるから10日間以内で上手く回さないとこの10人全員が100階層に挑戦できなくなる」
「なるほどな!」
「アレクシアが管理をしてくれ!ガルシアや他のみんなは言うこと聴かない奴の面倒を•••」
「まあ、こちらは私に任せたまえ!」
アレクシアが胸を叩いた。
レオンが、スマホで現在の他の受験者の階層を確認した。
現在、自力でここまで上がって来れそうなのが約半数で、残りの半数がほとんどセーフティゾーンにいる。
現在完全リタイアしているのは5名だから、やはりほぼ全員を連れてくる必要がある。
50階層の10人レイドだけでも4~5日はかかりそうだ•••
「みんな!準備はいいか?」
レオンがみんなを見回した。
一人一人やることは分かっているそんな表情をしていた。
「よし、リタイヤ!」
「リタイヤ!」
「リタイヤよ」
「リタイヤだ!」
最後にタクトが残った。
ガルシアが、キリリと睨み付けた。
「分かってるよ、リタイヤ!」
5人がダンジョン入り口に飛ばされた。
次回 勧誘作戦へようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




