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20階のボスは、ジャイアントサーペントだ。
「蛇は苦手なの•••」
「私も•••」
「ここは、私に任せたまえ!」
アレクシアが、立派な剣を構えてみんなの前に立った。
「じゃあ、お任せしま~す」
タクトがそう言って手をジャイアントサーペントの方へ向けた。
ネルが防御魔法で補助をすると、
俺とレオンの氷魔法でジャイアントサーペントの周りを覆い逃げ道を塞いだ。
「フロスト•バインド!」
アレクシアは、炎系の魔法の剣でジャイアントサーペントの正面から斬りかかった。
ジャイアントサーペントは、大きく首を持ち上げるとアレクシア向かって毒霧を吐いた。
アレクシアは、それを避けきれずもろに食らってしまったが、幸いネルの防御魔法でダメージは軽減されていた。
ガルシアが、一発、その場で正拳突きすると何が起こったのか分からなかったが、ジャイアントサーペントは一瞬でバラバラになり、血の雨が降り注いだ。
ハーベルはそれを見て思わずガルシアを尊敬してしまった。
「ガルシアさん、今の突き素晴らしかったですね!」
ハーベルは目をキラキラさせながら言った。
「うむ•••」
少し照れた感じで向こうへ歩いていってしまった。
「レオンさっきのスゴかったね!」
「ああ、でもあれは普通じゃない何か特別な力がありそうだ•••」
アレクシアは、ネルに解毒と回復をかけてもらっていたがジャイアントサーペントの血をまともに浴びて全身真っ赤に染まっていた。
ハーベル以外は、ガルシアの攻撃にちょっと引いてしまっていた。
「ハーベル、さっきのガルシアは別格だ、とりあえず格闘の基礎から訓練していこう!」
「うん、レオンお願いします」
レオンは、格闘の基礎から教えてくれた。
「ハーベルの格闘はケンカスタイルだからそれを崩さずに肉付けしていこう」
レオンは実際に相手をしながら教えてくれた。
「レオンは何で格闘を使わないの?」
「僕のこちらの身体では、あちらで身につけた体術は使えるほど丈夫ではなかった、魔法の才能に満ち溢れていたのでそちらを選んだまで」
「なるほど」
「ただ、教えるくらいはできるから、格闘はハーベルの身体の方が向いていそうだ!」
「なぜ、心と身体がこんなにアンバランスなのかは分からないが、何かいみがあるのかもしれない•••」
俺たちは、とりあえず20階で夜を明かして21階層へ向かった。
21階層の入り口には説明のお姉さんがいた。
「私は、イノンと申します。30階層までのルール追加がありますのでご注意下さい。ここからはソロで挑戦して頂きます。ただし、30階層のボスだけはレイドが認められています」
「ちょっと質問!」
「はい、レオン様どうぞ」
「ソロで他の受験者と一緒に行動したらどうなるの?」
「あくまでも、ソロなので他の受験者を手伝うことは反則となり即失格です」
「じゃあさ、負傷してる受験者を回復してやるのも反則なの?」
「いいえ、あくまでソロは戦闘においてなので戦闘中でなければ解毒や回復は構いません」
「それじゃあ、同じ家なんかで休むのもありってこと?」
「それも大丈夫です」
「分かったありがとう」
「おそらくここから本格的な強奪が始まるから、魔物だけじゃなくて受験者にも注意しろ!」
「分かった」
「いまのところ、回復できるのがネルと僕しかいないから、付かず離れずといった感じでいこう、時間を決めて階層毎に集まろう!」
「了解」
「じゃあ、俺はここらで別行動にするよ。役に立てそうもないしな!」
「えっ?何で?」
「俺は足手まといだし、仲間でもないしな!」
「えっ?タクトも仲間だよ!」
ハーベル、ここは空気を読めって•••
「ええ、俺を仲間だと思ってくれているのか?」
「当たり前だろ!」
ハーベルはキッパリと言いきった。
まあ、そういうところがハーベルか•••
「タクトも来いよ!」
「レオン•••」
「とりあえず、22階前に13時に集合で!」
「怪我をしたらすぐにネルか僕に連絡を!」
「分かった!」
「了解」
「いいわ」
「よっしゃ!」
ガルシアたちは、そのままソロで行く事になった。結局、あとの3人の能力はあまり確認することができなかった。
タイマンは得意だ!
相手が複数でもある程度は自信がある。
これを機に格闘時の魔力操作と属性強化をいろいろ試してみよう!
「ゴブリンか•••おそらく群れだろうから、慎重に行かなくちゃな!」
3匹のゴブリンが、こん棒と汚いナイフを持って襲ってきた。
「これは、練習にちょうどいいかも!」
「まずは、炎のパンチ!」
こん棒ごとゴブリンの顔面にヒットした。
「お次は、風のパンチ!」
ナイフのゴブリンは、それを避けてケケケと笑っている!
「今度は、氷のパンチ!」
もう一匹のこん棒ゴブリンにヒットして凍りついてしまった。
「よし!」
「じゃあ、こっちもナイフだ!」
「炎のナイフで迎えうつ!」
ゴブリンは、ナイフを左右の手で持ちかえながら挑発してくる。
シュッ、シュッ、シュシュ
すばやい突きで牽制しながら近づいてきた。
俺は、ナイフで振り払うと汚いナイフはクルクルと飛んで行ってしまった。
ゴブリンは、ナイフを探している様子だったが、すかさず首もとを切りつけ両手、両足と切りつけて倒した。
その時、シュッ シュッ、シュッ
右上から矢が何本か飛んできて身体に当たったが、魔力障壁のお陰でダメージはなかった。
「あぶな!」
銃で応戦して事なきを得た。
「油断も隙もないな!」
「ガルシアさんの攻撃ってどうやってたんだろ!」
見よう見まねで身体中の魔力を一気に正拳突きの一点に集中させて撃ち抜いてみた。
一瞬遅れて、周りの空気が一点に吸い込まれていくかのように風が流れると、目の前の大木にスゴい音を立ててドでかい穴が空いてしまった。
「ウソ•••」
「ボウズ!なかなかやるじゃないか」
「ガっガルシアさん•••」
「ガルシアさんの真似してみたらこんなことに•••」
「真似か•••」
「こんなのはどうだ!」
ガルシアが、拳に力を込めて集中すると拳が光のようなものを放ち始めたかと思うと、一気に振り抜いた。
すると拳の先からドでかい光線のようなものが放たれて目の前にあった木々はすべてなぎ倒されて、一直線に何もない状態になってしまった。
「はあ•••」
「ふーっ」
「何すかそれ•••」
「やってみろ!」
「いや、やってみろって言われても•••」
光線ってことは、光と炎の合成魔法だったはず、じゃあ、拳に光と炎魔力を同じ割合でブレンドしてみるか•••
ハーベルは、大きく息を吸うと腰をおとして胸のまえで拳を構えて魔力を集中し始めた。
そして、光と炎の魔力を同程度に混ぜ込みながらさらに集中していると、拳が少しずつ光始めた。
そのまま拳を撃ち抜くと光線が一直線に放たれたが、木々に拳大の穴が空く程度だった。
しかしその穴は一直線に続いていた。
「はじめてにしてはやるじゃないか」
「魔力集中も滑らかで属性操作もまあまあだった、練習すればあのくらいすぐにできるだろう」
「ガルシアさん、ありがとうございます」
またキラキラした目で見つめる。
その目、その目だ•••
殺したくなる!
でも、育てたくなる!
その目だ!
ガルシアは頭のなかで妄想しながらスクワットを急に始めた。
「何ですか?そのスクワットは!」
「気分転換だ!」
「はい!」
ハーベルもガルシアにあわせてスクワットを始めた。
「ふーっ」
「ガルシアさん、何でそんな強いのにMD試験なんか受けてるんですか?」
「今は言えん!」
「そうですか•••」
「サービスでもうひとつだけ見せてやろう!」
「はい!」
ガルシアは、身体のまえで両手を交差させて構えた。
魔力を集中させていくと身体中から電気が迸り、両腕へと集まっていったかと思うと、
「雷神拳!」
スゴい勢いで連打をすると雷の塊が飛び散り辺りに雷撃が降り注いだ。
「ふーっ」
「マジすげー!」
ハーベルはドキドキしながら見ていた。
「ガルシアさん、まじリスペクト!」
悪い気はしない•••だが、
いつか喰ってやるぞ!その魔力!
「精進しろ!」
「はい!」
ガルシアは、そう言ってゆっくり去っていった。
「雷神拳カッコいい!」
ハーベルはまだドキドキしていた。
「あ、やべ時間だ!」
ハーベルは、急いで22階層入り口へと向かった。
「ごめん少し遅れた!」
「いや、みんな今来たところだから」
「うん」
次回 強奪の世界へようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




