表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リバースサーフェス ~この魔法の廃れた世界で 転生薬剤師さんが 魔導王(マグスロード)を目指します!~  作者: 吾妻 八雲
シーズン9 【魔王大戦編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

153/172

闇への誘いへようこそ!


オウカはいつも通り【ノクターニア】の修練場へやってきて、レオンと一緒にリバースサーフェスの訓練に勤しんでいたが、心ここにあらずと言った感じだった。


「オウカ、元気ないな?」

レオンが心配そうに尋ねた。


「はい、実は•••ちょっと失敗してしまいまして•••」

オウカはアイオンとハーベルを引き合わせた時の経緯を聞かせた。


「あの温厚なハーベルがそんなに怒るなんて、信じられないな」

レオンが不思議そうに言うと、


「はい、私が悪いんです•••」

オウカは塞ぎ込んでしまった。


オウカは、レオンとの修練の中でリバースサーフェスを自在に操れるようになり、自信に満ちていた。


しかし、その一方で、過去を変えたいという欲求も強くなっていたのだった。


そんな折、アイオンが突然現れた。


「オウカ様、私を覚えていらっしゃいますか?アイオンです!」

美しい笑顔で現れたアイオンだったが、その瞳には冷酷な光が宿っていた。


「アイオン様、お久しぶりです。お変わりありませんか?」

オウカは警戒しながらも、アイオンに話しかけた。


「少しばかり、お話をしたいのですが、よろしいでしょうか?」

アイオンは、オウカを静かな場所に誘い、ある提案をした。


「オウカ様には、無限の可能性があるのです。過去をやり直すことだって、可能です。例えば、ご両親を亡くした過去をなかったことにすることもできるのです」

アイオンの言葉に、オウカの心は揺り動かされた。


オウカは幼い頃に両親を亡くしており、その心の傷は深く、いつも孤独を感じていた。


「でも、そんなことしたら…」

オウカは、過去を変えることの恐ろしさを知っていた。


しかし、アイオンは巧みにオウカの心を操り、その不安を消し去ろうとした。


「オウカ様なら、きっとうまくやれるはずです。過去をやり直すことで、もっと幸せな未来を手に入れることができるのです」


彼女の甘い言葉に、オウカは次第に心を奪われていった。


そして、ついにアイオンの提案を受け入れる決意をしてしまった。


オウカは、アイオンの指示通り、リバースサーフェスで過去に戻り、両親の命を救おうとした。


しかし、過去を変えた瞬間、精霊界は大きく歪み始めた。


「これは•••!」

オウカは、自分のしてしまったことに恐怖を感じた。


一方、【ルミナラ】では、ハーベルが異変に気づき、慌ててオウカを探していた。


「オウカ!どこにいるんだ!」

ハーベルは、オウカの部屋を駆け回ったが、オウカの姿はどこにもなかった。


「まさか•••」

ハーベルは、悪い予感を抱いた。


ハーベルはイヤーカフスに触れると、レオンへ連絡してみた。


「レオン!オウカは?」

レオンも時空の歪みに気がつき、やはりオウカを探し回っていた。


「ハーベル、ごめん!僕がついていながらこんな事態になってしまうとは•••」

「今は、それどころじゃない!早くオウカを見つけて、過去を元に戻さないと!」

「ああ、分かってる•••」

レオンはハーベルの言葉で我に返った。


オウカは、自分がしてしまったことを悔やみながらも、アイオンの元へ戻って行った。


「どうでしたか?」

アイオンは、冷酷な笑みを浮かべた。


「私は…何をしてしまったのでしょう•••」

オウカは虚無感を抱きながら、そう呟いた。


アイオンは、オウカの肩に手を置き、優しく語りかけた。


「これから、私たちは新しい世界を築くのです。オウカ様は、その中心に立つのです」


オウカは、アイオンの言葉に再び心を奪われそうになったが、ふと、レオンの顔が浮かんだ。


「レオンさん•••私は、何をすればよかったのだろう•••」

オウカは涙を流しながら、そう呟いた。


その時、突然、激しい真っ白な光が部屋を照らした。


「オウカ!」

それは、ハーベルの声だった。


ハーベルは、リバースサーフェスの力で、オウカを元の時間に戻そうとしていた。


「ハーベルさん•••」

オウカは、ハーベルの姿を見て安堵した。


「もうこれ以上、こんな愚かなことはするな!」

ハーベルは、オウカを強く抱きしめそう呟いた。


オウカは、ハーベルの温かい胸に顔を埋め号泣していた。


「私は、もう二度とこんな愚かなことをしません。ハーベルさんの言うことを聞きます」


オウカは、過去の過ちを深く反省し、新たな決意を固めた。


「ハーベル!」

そこへレオンも合流してきた。


「レオン!とりあえず、オウカは見つけ出したが•••」

ハーベルが口ごもった。


「このままでは、この、精霊界が崩壊してしまう•••」

レオンが悔しそうに地面を強く踏みつけた。


そして、もうすでにアイオンの姿はどこにもなかった。


三人は力を合わせ、歪んだ時空を元に戻すために動き出すのだった。


次回 オウカの決断へようこそ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ