切り開く未来へようこそ!
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「ハーベル、ちょっといいかしら?」
リーフィアが神妙な面持ちで声をかけた。
「どうしたんですか、師匠!」
「実はオウカのことなんだけど•••」
「ああ、ネルから聞きました•••」
しばらくの沈黙が続いた。
「あの子を助けてあげて!」
ハーベルの手を強く握って、祈るように訴えた。
「分かっています、師匠!俺とレオンに任せて下さい!」
ハーベルはリーフィアの手を優しく握り返した。
リーフィア師匠からオウカの面倒を頼まれたハーベルは、オウカを連れて再び【ノクターニア】へと向かった。
「レオンさん、新たな巨大修練場を見せてくれるんですね?」
オウカが興奮気味に尋ねた。
「そうだ、オウカ。お前のリバースサーフェスの能力を伸ばすための場所だ」
レオンは微笑んだ。
修練場には新しい設備が整えられ、彼らの挑戦を待ち受けていた。
オウカは新たな環境での修練に期待を抱きながらも、例の一件のこともあって複雑な心境でその場に立っていた。
だが、彼女の目には決意の光が宿り、未来への希望が見え隠れしているようにも見えた。
修練場で、レオンとハーベルはオウカの能力について検討していた。
「オウカ、お前のネクスジェン・エンシェントという能力は非常に興味深いな!」
ハーベルが言った。
「でも、リバウンドのリスクがあります。大量の魔力を消費すると強制的に眠りに落ちてしまうのです•••」
オウカは心配そうに言った。
レオンはその点について考え込み、慎重に言葉を選んだ。
「その点は注意が必要だな。しかし、ネルを助けたことは評価に値する!」
「ありがとうございます、でも未来を大きく変えてしまいました」
とオウカは悩んでいる様子だった。
彼女の心の中には複雑な思いが渦巻いていた。
レオンとハーベルはオウカの悩みを聞いて、現場へと向かうことにした。
「オウカ、同じ過去は二度と変えられない。ネルを助けたことは事実だ。それをどうするかが重要だ!」
レオンが言った。
「あのバスが事故を起こさないようにするしかないが、それには大量の魔力が必要だ!」
ハーベルが補足した。
「そうだ、きっとまた歳をとってしまうことになるだろう!」
レオンは少し強い口調で言った。
「分かっています。でも、私が責任を取らないと•••」
オウカは何かを決意したように言った。
「分かった、魔力の補充は僕に任せてくれ!ハーベルは、オウカが移動した後の処理を頼んだ!」
レオンが指示を出した。
「オッケー、任せて!」
ハーベルはレオンにグッと親指を立てて合図を送った。
レオンが魔力を供給し始めると、オウカたちはバスが事故を起こす前の時間へ移動した。
「アルファ•オメガ!」
ハーベルがバスが踏み切りに差し掛かる時間から踏み切り内でエンストしてしまうまでの時間の間を切り取って、踏み切りに入る前でエンストさせた。
おかげで事故を回避することはできたが•••
その代償としてオウカはまた歳を取ってしまった。
「今回は仕方がないが、大量の魔力を使うのはやめた方がいい」
レオンが強い口調で言った。
「はい、ごめんなさい•••」
オウカは21歳になってしまっていた。
「オウカ、どうにか年を取らなくても済む方法を考えるから、少し時間をくれ!」
ハーベルがオウカの肩に手を置いた。
「現時点でどのくらいの魔力を消費すると、どのくらいの時間を睡眠に取られるのかを検討して、ギリギリのラインを見極めることが重要だ!」
レオンがアドバイスした。
「確かに、このままではどんどん歳を先取りしていってしまいます•••」
「使用する魔力を数値化して、それ以上使用しないように気を付けるとか?」
ハーベルが提案した。
「それも可能だが、肝心のリミットを調べる方法が思い付かない•••」
レオンは考え込んだ。
「ハーベルさん、今の話からすると、リミットを越えなければノーリスクということでしょうか?」
オウカが尋ねた。
「ノーリスクとまでは言えないが、極端な改変でなければ大きなリスクは伴わないと思うよ」
ハーベルは慎重に答えた。
「ただ、他人が関わる改変には注意が必要だ!」
レオンが付け加えた。
「まあ、大きな改変が必要だと思ったら、必ずレオンか俺に相談してほしいな!」
ハーベルが言った。
「了解しました!」
オウカは頷いた。
「自分だけでは限界がありますし、クラリッサさんがいなければ運命も変えることもできませんから•••」
オウカはそう付け加えた。
「それもそうだな•••」
レオンも納得した。
「でも、僕たちは仲間だ!一緒に乗り越える方法を見つけよう」
レオンがそう元気付けると、
「はい、ありがとうございます」
オウカは嬉しそうに微笑んだ。
その後、レオンとハーベルはオウカとともに訓練を続け、魔力の消費量を管理しながらリバースサーフェスの研究を進めていった。
オウカは自分の限界を見極めつつ、少しずつだが成長していった。
時間が経つにつれて、オウカは自分の能力をより深く理解し、制御する方法を学んでいった。
リバウンドのリスクを減らしながらも、彼女の力は日々強くなっていっていた。
そして、リバースサーフェスの技術も進化を遂げ、彼女の能力は仲間たちを支える重要な力となった。
「オウカ、お前の成長は目覚ましいものだ!」
とレオンが評価した。
「ありがとうございます。皆さんのおかげです」
オウカは感謝の意を示した。
「これからも一緒に頑張っていこう」
ハーベルが微笑んだ。
「はい、より良い未来に変えるために!」
オウカは力強く頷いた。
次回 魅惑の罠へようこそ!
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