精霊王と魔導王の世界へようこそ!
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「勝者、ハーベル!」
シリエルが大きな声で宣言した。
激戦を繰り広げた二人は、以外にも清々しい笑顔で肩を抱き合っていた。
「ハーベル、おめでとう!」
レオンが握手を求めると、ハーベルはそのまま抱き締めた。
「やめろって!」
レオンも満更でもなさそうな顔をしていた。
「ハーベル様、お疲れ様でした」
アウリエルがわざわざ闘技場まで降りてきて祝福してくれた。
「いや、ハーベル様って•••」
ハーベルは動揺を隠しきれなかった。
「いや、あなた様はすでに精霊王なのですから!」
アウリエル一同が片ひざをついてハーベルに頭を下げた。
「アウリエル様、頭をお上げください!」
ハーベルは恐縮していた。
「ハーベル様、まずは宮殿へとお越しください!」
アウリエルがハーベルの手を取った。
「レオン様もこちらへ!」
「えっ?僕も?」
レオンも驚いているようだった。
••••••••
宮殿にはすでに祝杯の準備が完璧に整っていた。
「ハーベル様!」
「ああ、クローヴィスさん!」
「失礼いたしました。わたくし不肖、クロリエルと申します!」
「そうだ、クロリエル様だった!」
「ハーベル様、クロリエルとお呼びください!あなた様は精霊王なのです」
「ああ•••」
ハーベルはまだ戸惑っていた。
きらびやかに飾られた宮殿には、美味しそうなご馳走が食べきれないほど並び、美しい踊り子たちが華やかに彩っていた。
カリードたちも祝杯の席に招かれているようだった。
「ハーベル様、ひとつご相談があります!」
クロリエルがハーベルに耳打ちした。
クロリエルの話によると、
精霊王になるためには2つの条件が必要とのことで、
1、リバースサーフェスがマルチであること。(2種以上持っている)
2、リバースサーフェスのクラスが(時間)のものを使用できること。
と言うことだった。
つまり、ハーベルだけではなく、レオンもその条件を満たしてしまったことが議論になっているとのことだった。
「そういうことですか•••俺はレオンが王様になってもいいと思いますよ!」
「いえ、ハーベル様の精霊王はすでに確定されていますので、覆されることはあり得ません!」
「はあ•••」
「レオン様をどういう扱いにするかという議論なのです!」
「そんなの簡単じゃん、レオンを魔導王にすればいいだけでしょ?」
「ああ、魔導王とは考えましたね!はい、いいお考えです!」
「アウリエル、どうだろう?」
クロリエルの顔が晴れやかに見えた。
「わたくしも賛成でございます」
アウリエルも納得したようだった。
「レオン様、こちらへ!」
クロリエルがレオンをハーベルの横へ呼び寄せた。
「レオン様には、魔導王になっていただきます」
クロリエル一同がレオンにも片ひざをついて頭を下げた。
「ハーベル、どうなってるの?」
レオンがハーベルに小声で尋ねた。
「俺にもよくわからない!」
ハーベルも小声で答えた。
「それより、ハーベルが魔導王じゃなくていいのか?ずっと目指していたんだろ?」
「ああ、でも魔導王はレオンの方が似合ってるよ!」
「ハーベルがいいなら、僕は文句ないけど•••」
二人が玉座に並んで座って、異例の光景だった。
「カリード、ゲイル、マリネールそしてテラシスよ、こちらへ!」
クロリエルが王の前へ呼び出した。
カリードたちは、片ひざをついて座っていた。
「ただいまから、ハーベル様の精霊王、レオン様の魔導王の戴冠式を始めます!」
アウリエルが高らかに宣言した。
二人はクロリエルの前にひざまずいた。
クロリエルは二人の頭に聖油を注ぐと、身体を清めた。
クロリエルは王冠を受け取ると、ハーベルの頭へ載せ、王としての権威を示した。
さらに、レオンへ王笏と宝珠を授与し、王の権力と平和の象徴を託した。
最後に二人が立ち上がり手をあげると、歓声が沸き上がった。
無事、戴冠式が終わると、
「ハーベル様、レオン様、折り入ってお話があります」
クロリエルが頭を下げた。
「頭を上げてください!」
ハーベルはクロリエルの肩に軽く触れると、
「はい、ぜひ私を指南役としてお引き立てください!」
「もちろんです。こちらからお願いしたいくらいです」
「レオンはどう思う?」
「もちろん意義はない!」
「ところで精霊王になったら、ここにいないといけないとかはないよね?」
「ええ、もちろんです。精霊界へ戻って頂いて構いません。大方の王としての役割は、わたくしたちが代行いたしますのでご心配はいりません」
「良かった•••」
ハーベルは胸を撫で下ろした。
「では、こちらが始めにお預かりした装備です。ご確認ください」
クロリエルが装備一式を用意してくれてあった。
「あ、あとこれを渡しておくよ!」
ハーベルがブラックダイヤモンドのあしらわれたイヤーカフスをクロリエルに手渡した。
「こちらはなんでしょう?」
「耳に着けると、好きなときに俺たちと話ができるんだ!」
ハーベルは自分の耳に自らのイヤーカフスをはめながら説明した。
「それは助かります」
クロリエルは妙に嬉しそうだった。
「じゃあ、一度リバースレルムへ戻ろうか!」
ハーベルがレオンに提案すると、
「オッケー!」
レオンは帰る準備を始めた。
次回 希望の光へようこそ!
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