最終決戦へようこそ!
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「ハーベル!おめでとう!」
「ありがとう!」
レオンが拳をつき出すと、肘をぶつけ合って拳を合わせた。
「ハーベル!あの力•••」
レオンが思わず尋ねてしまった。
「ああ•••」
ハーベルが素直に説明しようとしたそのとき、
「ハーベル!アウリエル様がお呼びだ!」
「はい!シリエル様、なんの用事でしょうか?」
「そんなの知らん!とにかく急げ!」
シリエルは何か言いたそうだったが、我慢している様子だった。
「はい!」
「レオン、後で説明するよ!」
「いや、話は戦いの後だ!」
「うん、分かった!」
••••••••
「アウリエル様!」
シリエルが案内してくれた。
「ハーベルよ、よく参られた!」
「なんでしょうか?」
ハーベルは不思議そうに尋ねた。
「あの力のことを聞きたい!」
アウリエルは早速本題に入った。
「はい、【アルファ•オメガ】についてでしょうか?」
「ああ、その力について説明してもらってもよいだろうか?」
「はい、もちろんです」
ハーベルは経緯を話し始めた。
••••••••
「そうであったか•••して、そのドワーフの名前は?」
「クローヴィスさんです」
「やはり、師匠!」
アウリエルは下を向いて微笑んだ。
「いやすまん!そのクローヴィスとやらは元気であったか?」
「元気?•••え、ええ•••」
ハーベルは少し疑問に思いながらも答えた。
「それは良かった•••」
「アウリエル様、質問よろしいでしょうか?」
「なんだ?」
「クローヴィスさんとお知り合いなのでしょうか?」
「ああ、私の師匠だ!」
「師匠•••」
「先代の精霊王に仕えていた頃の話だ•••」
「そういえば、クローヴィスさんもそんな話をしていました」
「そうであったか•••」
「どのような格好をしておった?」
「はい、執事の格好をした長身で礼儀正しいドワーフでした」
「師匠、わざわざドワーフに•••フフフ•••」
「失礼ながら、クローヴィスさんはドワーフではないのですか?」
「ああ、天使だ!」
「そうだったのですね、どうりで他のドワーフとは何かが違うと思っていました•••」
ハーベルは、ようやく全てが繋がったような気がした。
「して、師匠に何か言われなかったか?」
「はい、内緒だと言われましたが•••」
「なぜ、天使と言うことを隠してまで私に手助けを?」
ハーベルはつい質問してしまった。
「元来、天使は人間に手を貸してはならない掟があるのだ、しかし、その掟を曲げてでも使命を全うしたかったのであろう•••」
アウリエルは嬉しそうに微笑んだ。
「ハーベル!この世界を頼んだぞ!」
「•••?」
「どうした?」
「いや、まだ試合が終わっていませんが?」
「ああ、そうであったな!」
「はい、がんばります!」
ハーベルは素早く一礼をして立ち去った。
「師匠がそんなことを•••」
アウリエルは物思いにふけっていた。
クローヴィスはアウリエルの師匠で、本当の名を大天使クロリエルという。
クロリエルは先代が亡くなった後、後継者を探し続けていた。
「ついに、見つけ出したのですね、師匠!」
アウリエルは静かに目を閉じた。
••••••••
激戦の果てに残ったのは、レオンとハーベルだった。
二人は、互いの強さを認め合いながらも、この闘いだけは決して譲れない信念を貫き、最終決戦へと臨んだ。
「レオン、お待たせ!」
ハーベルがゆっくりと近付いてきた。
「ああ、アウリエル様はなんと?」
レオンが興味深そうに聞くと、
「さっきの力に目覚めたときの話をしていたんだ!」
「そうか•••」
「実は•••」
ハーベルが真実を語ろうとすると、
レオンが話を制止した。
「ハーベル、いいんだ!今は闘いに集中しよう!後でゆっくり聞かせてくれ!」
レオンはハーベルとの闘いが楽しみで仕方がない様子で、ワクワクが止まらないようだった。
ハーベルもレオンと真剣に闘うのは、これが始めてだったので、興奮が抑えきれない様子だった。
「じゃあ、やるか!」
二人は拳を軽くぶつけた。
「では、最終試合、初め!」
シリエルが叫んだ。
レオンは眉をひそめ、鋭い眼光でハーベルを見つめた。
レオンは得意のナイフを封印し、ハーベルも銃は抜いていなかった。
「まずは、ケンカスタイルか!」
「よろしくお願いします!」
ハーベルはレオンに柔道の試合のように一礼した。
レオンは近接格闘のプロでハーベルの師匠でもあった。
通常なら敵うわけもない相手だった。
しかし、その時のハーベルは何かが違っていた。
レオンが攻撃を繰り出すと、ハーベルが受けて次の攻撃を繰り出す。
レオンはその先を読んで防御と同時に攻撃をするためハーベルには避けることはできないはずだった。
だが、レオンの攻撃が避けられさらにハーベルがその先を読んだ攻撃を仕掛けてきた。
「ハーベル腕を上げたな!」
「ありがとうございます!」
二人は闘いながらとても楽しそうだった。
「あの二人笑ってないか?」
カリードがゲイルに呟いた。
「そうだな•••あいつらは別格だ•••」
ゲイルも悔しそうに呟いた。
二人が急に格闘をやめて、少し距離をとって対峙し直した。
「さあ、僕の全力を味わってくれ!」
レオンが笑いながら言った。
「先に謝っておくよ、殺しちゃうかもしれないからな!」
さらに、レオンは付け加えた。
「もちろん、全力で来てくれ!」
「俺は、絶対に死なないから謝る必要はないけどね!」
ハーベルが余裕そうに言うと、
「だろうな!」
レオンは不敵な笑みを浮かべると、静かに息を吸い込んだ••••
次の瞬間、
「ルミナス•シャドウ!」
能力を解放した。
レオンの身体から真っ黒な闇のオーラが一気に吹き出した。
「レメディア•ヴェノミスト!」
ハーベルも能力を解放すると、全身が輝き出し煌めいて見えた。
対照的な二人だったが、他の者からは二人ともが神々しく見えていた。
次回 聖剣と影刃の世界へようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




