最後の審判へようこそ!
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「ハーベル!あいつら強いぞ!」
レオンがハーベルの肩を軽く叩くと、
「ああ、分かってる!」
ハーベルは緊張していた。
その間に、シリエルがめちゃくちゃになった闘技場を片付けていた。
「パーフェクト•アンドゥ!」
一瞬で何もなかったかのように、元の状態へと戻ってしまった。
「では、次の挑戦者、前へ!」
シリエルが合図をした。
三人が出揃うと、シリエルが始まりの合図を出した。
「おい!ゲイル!あいつ弱そうだな!」
カリードがゲイルに話しかけた。
「ああ、そうだな!」
ゲイルがうなずいた。
「どうだ、共闘しないか?」
カリードが悪そうな顔をして提案してきた。
カリード ♂ 【炎の魔法戦士】
霊獣:ドラゴンフレア(イグナス)
リバースサーフェス
国王と民衆(存在)
(Regalis/Populace)
「レガリス•ポピュラス」
魔法属性は、全属性
元の職業は、王様
「悪くない!お前さんの作戦に乗ろうではないか!」
ゲイルも満更でもない様子だった。
ゲイル ♂ 【風の神速剣士】
霊獣:ジャガー(アラッシュ)
リバースサーフェス
支配と従属(存在)
(Dominion/Subjugation)
「ドミニオン•サブジュゲーション」
魔法属性は、全属性
元の職業は、軍司令官
カリードがゲイルに目で合図すると、ハーベルに向かって攻撃体制に入った。
ハーベルは二人を正面に見て対峙すると、ホルスターから、【Ethereal Ember SR99】を抜いて構えた。
その銃は、銅褐色に輝き美しいフォルムをしていた。
ハーベル ♂ 【光のガンナー】
霊獣:カーバンクル(ブリッツ)
リバースサーフェス(マルチ)
療薬と毒薬(存在)
(Remedia / Venomyst)
「レメディア•ヴェノミスト」
黎明と終焉(時間)
(Alpha / Omega)
「アルファ•オメガ」
魔法属性は、無属性→全属性へ変化
元の職業は、薬剤師
深紅の甲冑に身を包んだカリードは、伝説の魔槍
【クリムゾンスティンガー】UR
を手に、まるで蝶が舞うような美しい槍さばきで最後にポーズを決めた。
ゲイルも伝説の剣
【エアリオンハート】UR
を構えると、ハーベル目掛け一瞬で距離を詰めた。
ハーベルは銃で剣を凌ぐと、
「ヴォイド•シフト!」
たまらず空中へ回避した。
さらに、ゲイルの追撃が止まない。
不自然に鋭角に向きを変えると、空高く飛び上がりハーベルの目の前に姿を現すと剣でハーベルを地面へ叩き落としていた。
すぐ様、ハーベルが起き上がるが、カリードが凄まじい突きの応酬でさらに追撃の手を緩めなかった。
なんとか攻撃を凌ぎきるがハーベルの体はボロボロであった。
ブリッツが直ぐ様回復をしてくれた。
「はあ、はあ、はあ•••」
ハーベルは肩で息をしながら考えていた。
前後はカリードとゲイル、左右にはイグナスとアラッシュまで加わり、まさに四面楚歌の状態に陥っていた。
「このままじゃ、いきなり脱落だ•••」
「レメディア•ヴェノミスト!」
ハーベルが能力を解放すると、地面に向けて【Ethereal Ember SR99】を撃ち込んだ。
一瞬でハーベルの周りから土の壁が競り上がり、攻撃を遮断した。
「いけ!イグナス!」
カリードが槍を振り上げると、イグナスが凄まじい炎を壁に吹きかけてドロドロに溶かしてしまった。
「いない?」
カリードが中を覗き込むと、ハーベルはすでに空中へ移動していた。
しかし、ゲイルはそれを見逃していなかった。
同時に飛び上がると、
「ドミニオン•サブジュゲーション!」
能力を解放し、
「ドミニオン•テンペスト!」
そう叫んで剣を振り下ろした。
とてつもない剣圧でハーベルはそのまま地面へ叩き落とされそうになった。
「うう、くそー!」
「アルファ•オメガ!」
ハーベルが第二のリバースサーフェスを解放した。
「アルファ•オメガ?」
レオンは耳を疑った。
一瞬何が起こったのかその場の誰も理解できなかった。
完全に潰されているはずのハーベルが、ゲイルより上空に留まっていったからだった。
「ええ、ハーベル?」
レオンは夢でも見ているような錯覚に陥っていた。
技を放ったゲイルは一瞬無防備になっていったため、ハーベルの撃った弾丸に反応できなかった。
ハーベルの銃から放たれた弾丸は、ゲイルに命中しそうになると、目の前に誰かが横切った。
「ドキューーーーン!」
アラッシュが一瞬早く飛びかかりゲイルをかばっていたが、弾丸をもろに食らってしまった。
ドッサ!
アラッシュは地面に叩きつけられた。
ゲイルは直ぐ様アラッシュに駆け寄ると、悲しい眼差しで見つめていた。
「ゲイル!攻撃を止めるな!」
カリードが叫んだ。
「うるさい!」
ゲイルはアラッシュを抱き寄せて、涙を流していた。
「ちぇっ!使えねえ奴だ!」
カリードが、
「レガリス•ポピュラス!」
ゆっくりと能力を解放した。
「オレが王になるに相応しいことを思い知らせてやる!」
カリードはイグナスの背中に乗ると、空中へゆっくりと上昇していった。
「レガリス•インフェルノ•トライデント!」
急に周りが暗くなり、イグナスの口に蓄えられた炎が吐き出されると、ハーベルの周りを幾つもの炎の柱で覆われた。
【クリムゾンスティンガー】が三ツ又に変形して、巨大な炎の槍がハーベル目掛けて放たれた。
「このままでは!」
ハーベルが叫ぶと、
「レメディア•アイギス•ルミナス!」
詠唱した瞬間、周囲はものすごい熱気に包まれ、まさに地獄絵図のように炎に包まれた。
すべての大地は焼き付くされ爛れていた。
「ちょっと、やりすぎたか?」
カリードがドラゴンの背中から周囲を見回していると、
神々しく光る塊が見えた。
「お前さん••••」
ゲイルがアラッシュを抱き締めたまま顔を上げると、光のシールドで二人を守るハーベルの姿があった。
「ちっ!二人もろともと思ったのに!」
カリードは残念そうに舌打ちした。
「お前さん、なぜ俺たちまで!」
「霊獣を思いやれる、優しいあんたを見過ごせなかっただけだ•••」
ハーベルはブリッツの頭を撫でながら言った。
「フェニックス•レストレーション!」
おもむろにハーベルはアラッシュを回復してあげた。
「なにやってるんだ!ハーベル!」
レオンが口惜しそうに呟いた。
「ありがとう、アラッシュを助けてくれて!いや、こんな俺たちを••••」
ゲイルは戦意を喪失して項垂れてしまった。
「えーーい!情けない奴だ!」
カリードが再び技を繰り出そうとしたそのとき、
ハーベルの【Ethereal Ember SR99】が火を噴いていた。
カリードの上空にどす黒い大きな雲が現れたかと思うと、雷撃と共にとてつもない量の紫色の猛毒の雨が降り注いだ。
カリードは避けきれず思わず、イグナスの背中から転げ落ちた。
カリードが空を見ると、イグナスが骨だけになってバラバラと落ちてきていた。
「イグナーース!」
カリードが叫ぶが、自分の身体もそこらじゅうから溶け始めていた。
「うわーー!助けてくれ!」
カリードは魔槍を放り出してハーベルの方へ手を伸ばしたが、そのまま骨だけが残された。
••••••••
「仕方ないな•••アルファ•オメガ!」
ハーベルが呟くと、
••••••••
目の前には何事もなかったように、イグナスに乗ったカリードがいた。
「あれ?オレいま死んだ••••?」
イグナスも首をかしげている。
「勝者!ハーベル!」
シリエルが宣言した。
「なんだ、あの力•••」
レオンは始めてハーベルに恐怖を覚えていた。
次回 最終決戦へようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




