千年迷宮へようこそ!
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ハーベルの番がきた。
魔法陣に乗ると転移して一瞬で移動した。
第一章 迷宮名
「死への誘い」1階
~ “Invitation to Death” ~
「スゴい名前の迷宮だな•••みんなは」
ハーベルが最後で、もう4人は集まっていた。
パーティーに登録するにはスマホのアプリ内で登録するだけだった。
考えることは皆同じようで、その辺りに4~5人のパーティーがいくつか出来上がっていた。
「リーダーはレオンでいいかな?」
「僕はいいけどハーベルじゃなくていいのか?」
「異議なし」
「私たちも賛成よ」
「分かった」
「このままレイドを組んで一気に10階層まで行った方がいい」
「そうだね下手するとセイフティーゾーンへ行けなくなるかも」
「オッケー!」
アプリの機能で、パーティーリーダー同士で交渉できるものがあった。
「オッケー、パーティー9組で42人のレイドを組むことになった」
「さすが、レオンスゴいね」
「これくらい誰でもできるさ」
「とりあえず、9階層まで一気に行こう」
「了解」
それぞれ自分のやり方でダンジョンを攻略していった。
第一章は、迷路のようになっていてネズミなどの小型の魔物がいるだけだったのでそれほど時間はかからなかった。
レイド状態でのアイテムドロップは、N.Rまではドロップした本人が手に入れてSR以降から完全ランダムで振り分けられるシステムだった。
アイテムは、スマホのストレージに表示されて自分のところにドロップしてくる。
持ちきれないものは、その場に捨てておけば1分で所有権を破棄し毎日のリフレッシュ時にリサイクルされる。
もちろん所有権を破棄されたアイテムは、次に拾った者のアイテムとなるためどれだけアイテムを所有できるかがカギとなる。
セーフティゾーンでのアイテム強奪は御法度で、階層が上がっていくほど部屋がゴージャスになっていく。
それは、極楽で外に出たくなくなるほどだった•••
10階のボスは、ブラックグリズリーだ。
「42人でブラックグリズリー1頭って速攻だね•••」
「まあ、はじめのうちはこんなもんだろ!」
10階では、部屋が無数にあり好きに寝たり食べたりできるようになっている。
「レオン、これってこのままレイドで100階まで行けちゃうんじゃないの?」
「そうは上手く行かないのがこの試験のルールなんだ!」
「何かおかしなルールあったかしら?」
「実はこのセーフティゾーンとアイテム強奪そしてレイド時のアイテム分配方法に仕掛けがあるんだ」
「何だろ?」
「まあこのまま進んでいけば分かることだけどね•••」
「そのうち仲間割れが始まる」
次の日の朝レオンの予想は当たった。
「何で働いてないお前らがSSRの武器持ってんだよ!」
「これは正式なルールでゲットしたんだ文句を言われる筋合いはねーだろ!」
「うるせー!外に出たら速攻で奪ってやるからな!」
「そんなことさせる分けねーだろ!
バカが!」
「俺たちはここに残るから、お前らは先行ってくれ!」
「はあ?レイドだぞ勝手なことばっかり言うな!」
こんな感じでそこらじゅうでイザコザが起きていた。
「やっぱりか•••」
「どうして?」
「あの分配ルールさ、ランダム分配は聞こえはいいけど結局運次第ということ、働きが悪くてもSSRをゲットできるかもしれないし、どんだけ頑張っても全くアイテムが来ないかもしれない」
「公平だろ?」
「本当にそうか?ここでセーフティゾーンとアイテム強奪のルールが効いてくる、SSRをゲットした奴は奪われたくない、ゲットできない奴は次の階層に入ったら強奪しようとする、だったらセーフティゾーンでしばらくやり過ごそうとする、こうやってどんどんレイドが崩壊していくってことさ」
「なんてルール考えるんだ•••」
「さらに、効いてくるのが迷宮内の殺人行為は禁止というところだ!」
「何が問題なんだ?」
「殺人は禁止ということは、裏を返せば殺さなければ何をしてもいいということ•••」
「そうか!」
「レイド時に分配させるときにドロップしてからランダム分配というのも問題だ、誰がなんのアイテムを手に入れたかがバレバレだ、これが、直接本人にドロップして誰にドロップしたかがみんなに分からなければ問題はないのに•••」
「そう言うことね」
「目当てのアイテムを見つけたら、誰にドロップするかを確認して、後から死なない程度に痛め付けてセーフティゾーンにでも放り込んで置けば死ぬこともない•••なんてこと考える奴も出てくるだろうな!」
「なるほどね!」
「はじめから揉めるようにルールが作られてるのさ!」
「意地の悪い•••」
「解説は終わったか?そんなことより今後のことを決めよう!」
42番のガルシアがそう切り出した。
「ああ、そうだな」
「このままじゃ、レイドが崩壊するのは時間の問題だ!」
「その前に10人のレイドで行けるところまで進むべきだと思う」
ハーベルがみんなに提案した。
「それがいいと思う」
レオンも同意してくれた。
「ガルシアさん、たぶんこの中であなたが一番強いと思います。だから俺たち5人とガルシアさん以外にあと4人、ガルシアさんから見て強そうだと思う人を選んで下さい」
「なぜ私がそんな面倒なことを?」
「誰が選んでも一緒なら強い人の方がいいでしょ?」
「僕からもお願いします」
レオンが、ガルシアに頭を下げた。
「私たちからもお願いします」
ネルとクラリッサもお願いする。
「まあ、面倒だがいいだろう、ただし適当だぞ!」
ガルシアは辺りを見回すと、
「32番、70番、4番、あとは1番だ」
「じゃあ、僕が交渉してくるよ!」
レオンが手を挙げて直ぐ様動いた。
「話は聞いたよ、32番のカスラだ」
「私は、70番アーリです」
「僕の名前は、グリスよろしくね、
4番だよ」
「1番、アレクシアよろしく頼む!」
「私は、ガルシアだ42番」
「僕はレオン77番」
「俺は、ハーベルっていうんだ、99番」
「私はネルです、98番です」
「クラリッサ、97番よ」
「最後にタクト様だ、27番だぜ!」
「僕たちは5人パーティーなんだけど、そっちはどうする?」
「どうせレイドなんだ!パーティーにする必要はないだろ!」
「分かった、じゃあ5人パーティーと一人ずつ5人の10人レイドにしよう」
「オッケー!」
「分かった」
「いいだろう」
次回 レイドバトルへようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




