エレメンタル•サンクタムへようこそ!
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その頃、レオンはすでに100階へと到達していた。
実際の試練は、99階が最後で100階へ登って来ると、現実へと戻ってきた。
「あれから、2ヶ月くらいかかっちまったな•••」
「今まで誰も100階に到達していないんだから凄いわよ!」
とミーシアが言った。
「ありがとう、ミーシア!」
「おい!おい!誰も到達してないってか?」
聞きなれない男の声で話しかけてきた。
「誰だ!」
レオンは警戒体制をとった。
「おい!俺は悪もんじゃない!お前さんと同じ挑戦者だ!」
その男は自慢げに言った。
「挑戦者?僕とハーベル以外にもここまで来れる奴がいるなんて•••」
「お前、何様のつもりだよ!」
少しバカにするような口調でまた別の男の声が聞こえた。
「まだいるのか?」
「ああ、お前さんが来る前にすでにオレを入れて4人来てるぜ!」
「マジか•••ハーベルは?」
「ハーベル?今のところそんな名前の奴は来てないな?」
その男は周りをキョロキョロ見回した。
ここはエレメンタル•スパイアの頂上100階で、天空に突き出た真っ白な庭園のような場所だった。
中央の噴水の周りにイスが6つ置かれていて、そこに4人の男女が座っていた。
「女性までいるのか•••」
「まあ、失礼ね!」
「バカにしてるのか?」
「ああ、いや•••」
レオンは罰が悪そうにイスに腰かけた。
「僕の名前は、レオンだ!名前を教えてもらってもいいかな?」
「オレの名前は、カリードだ!」
カリードは、真っ赤なドラゴンの霊獣をつれていた。
「こいつの名前は、イグナスだ!ドラゴンフレアという霊獣だ!」
ドラゴンの頭を撫でながら言った。
「俺はゲイル!霊獣はジャガーで名前はアラッシュだぜ!次はお前さんの番だよ、お嬢さん!」
ゲイルは、青い髪の長い女性に回した。
「わたくしは、マリネールと申しますわ、ペンギンのペルマーですわ!」
「ボクは、テラシスって言うんだ!相棒はアースベアのバスティアだよ!」
テラシスは熊の膝に座りながら言った。
「僕の霊獣はレイブンシャドウのミーシアだ!よろしく!」
「お前さん、さっきハーベルとか言ってなかったか?」
「ああ、もう一人ハーベルっていう、僕の親友が来るはずさ!」
レオンはきっぱりと言った。
「そいつ本当に来るのか?」
カリードが疑っているようだった。
「ああ、間違いない!」
レオンが不機嫌そうにいうと、
「やあ、やあ、みなさん!初めまして!僕は見ての通り天使のカプリエルだよ!」
パタパタと羽ばたきながら近付いてきた。
「5人もいるんだね!すごいね!何人生きて帰れるかね!死ななきゃいいけどね!」
そう言いながら周りを飛び回っている。
「カプリエルさん、もう一人来る予定何です!」
「へえ、そうなんだ!でも、僕は知らないよ!天使長のアウリエル様に面会に行かないといけないから、急いで準備してね!」
カプリエルはそう言ってみんなを急かした。
庭園を抜けると大きな白い宮殿が見えてきた。
「あそこだよ!」
カプリエルが指をさした。
すると、宮殿の前に一人立っている人影が見えた。
「やあ、レオン!」
「ハーベル!遅かったじゃないか!」
「ごめん、ちょっと手こずっちゃって!」
ハーベルが拳をつき出すと、肘をぶつけ合って拳を合わせた。
「あいつがハーベルか!」
「そうみたいですわね!」
「まあ、誰が来ても同じ!」
「オレの敵じゃなさそうだな!」
6人が宮殿の中へ入っていくと、
沢山の天使たちが両端にずらっと並んでいる奥に、一際大きくて美しい翼の天使が立派な椅子に腰かけていた。
「よくここまで参られた!私は、副天使長のシリエルと申します。先代の精霊王が亡くなってから、これまでこのエレメンタル•サンクタムへ辿り着くことのできる人間はいませんでした。ここへ来て、6人もの挑戦者が現れるとは夢にも思っていませんでした」
シリエルは息継ぎをした。
「本来であれば一人の王を決めれば済むのですが、6人もの候補者の中から選ぶのは困難です。異例ではありますが、最後の一人になるまで決闘で決めたいと思います。天使長よろしいでしょうか?」
シリエルが天使長の方を向いた。
アウリエルは軽くうなずいた。
「それでは、早速ですが対戦相手を決めたいと思います。まずは、3人で闘って頂きます。その勝者同士の闘いに勝利したものが、精霊王になる権利を得ることができます!」
「ちょっと質問いいでしょうか?」
カリードが手を挙げた。
「ええ、許しましょう!」
シリエルが少し偉そうに言った。
「権利とはどういうことでしょうか?最後に勝った者が王になるのではないのでしょうか?」
カリードが少し心配そうに言った。
「それはだな•••」
シリエルが口ごもると、
「それはだな、最終的には王の器かどうかは、私が決めるからだ!」
アウリエルが立ち上がって言った。
「天使長!」
シリエルがたじろいで言った。
「実は、今までにもここまできた人間はいたのだ、しかし、どいつもこいつも腑抜けばかり!」
「そうです。天使長のお眼鏡にかなう者はいませんでした!」
「結局、勝っても天使長に選ばれなければ意味がないってことか?」
「それじゃ、闘う意味がないだろう!」
ゲイルが叫んだ!
「そうです、それなら6人の中から天使長様に選んで頂ければいいのではないでしょうか?」
マリネールが提案した。
「言葉を慎め!」
シリエルが激昂した。
「まあ、いいでしょう•••6人の中から私が選んで、残りの方はそれで納得いくのですか?」
「それは•••」
マリネールは塞ぎ込んだ。
「まあこんなこと話しててもしょうがないだろう、さっさと試合しよう!」
レオンが少しキレ気味で言った。
「そうしようよ!」
ハーベルも同意した。
「分かったよ•••」
ゲイルたちも同意した。
「では、このツボの中に入っている珠を一つずつ取って下さい。赤と青で分かれてもらいます!」
シリエルがそう言ってツボを差し出した。
レオンから順番に珠を引いていくと、最後にハーベルが引いて組が決まった。
「では、炎、風、光と水、土、闇の組み合わせで闘ってもらいます!」
シリエルがそう言うと、闘技場への扉が開かれた。
「まずは、水、土、闇のマリネール、テラシス、そしてレオンで闘ってもらう!」
「ああ、よかった!ハーベルがこの組だったら、多分自分から負けに行っていただろう!女に甘いからな!僕はその点、手加減も容赦もしないからね!」
「あら、わたくしを舐めないで頂きたいわ!」
「ボクだってそうだよ!」
「では、始め!」
シリエルが合図をした。
次回 三つ巴の世界へようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




