生命の試練へようこそ!
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「では、【命の泉】をご用意ください!」
綺麗な受付嬢のようなドワーフが急に現れた。
「うわ、ビックリした!」
ブリッツが驚いて声をあげた。
「これか?」
ハーベルが【命の泉】を用意すると、
そこはひたすら真っ直ぐな道が一直線に続いているだけだった。
「ここから、100km先にゴールがあります!ひたすら、そこを目指してください!」
「それだけ?」
ハーベルが不思議そうに聞くと、
プシュ!
「あ、あれ••••••」
ブリッツが自分のお腹を見ると、どこからともなく飛んできた矢が刺さっていた。
「ブリッツ!」
ハーベルが叫びならブリッツに駆け寄ると、
「レストレーション!」
呪文を唱えながら、ゆっくり矢を抜いた。
「あれ、回復しない!」
「ああ、言い忘れておりましたが、この階層は光属性禁止です!」
「はあ?いい加減にしろ!」
ハーベルは焦ってドキドキしてきた。
「その【命の泉】を使って見てください!」
「これ?」
ハーベルはすぐにブリッツの口に流し込んだ。
「ううっはー、はあ、はあ•••助かった•••死ぬかと思った•••」
ブリッツが息を吹き替えした。
「ああ、よかった•••」
ハーベルは泣きながらブリッツを抱きしめた。
「ハーベル!もう大丈夫だ•••よ•••だよ•••」
ブリッツは言葉が終わる前にまた倒れた。
「おい!」
「ああ、またまた言い忘れておりましたが、1分ごとに死んでしまう呪いがかけられている矢でした!」
「おい!ふざける!」
ドワーフにつかみかかろうとすると、
「そんなことをしていてよろしいのですか?1分で本当に死んでしまいますよ?」
「なに!先に言え!」
ハーベルはすぐさま【命の泉】を飲ませた。
「ううっは、はあ、はあ、なんだよこれ、俺はどうなってるんだ!」
ブリッツは苦しそうだった。
「お願いだやめてくれ!」
ハーベルはドワーフのお姉さんにつかみかかった。
「残念ですが、100km先のゴールにある【復活の書】に触れない限り何度でも死にます!」
「チェッ!ふざけやがって!何が試練だ!こんな馬鹿げたことしやがって!」
「ハーベル!俺なら大丈夫だ!なるべく急いでゴールへ••••」
ブリッツがぐったりと倒れた。
ハーベルは【命の泉】を飲ませた。
「うう、はあはあ、うう•••」
ブリッツがかわいそうになって、ハーベルは考えられなくなっていた。
「ああ、100kmか•••時速100km/hで行っても1時間もかかる•••その間に一体何回殺させるんだ•••ブリッツは•••」
ハーベルは頭を抱えて、ドキドキして考えがまとまらない。
「こうしている間も•••何か、乗り物に乗れば•••スカイバイクもないし、ホウキもないし•••ああ、どうしよう•••」
ドキドキが止まらない。
「ハーベル!うう•••」
ブリッツが息絶えた。
「くそーーー!」
ハーベルは【命の泉】で生き返らせると、ブリッツを優しく撫でた。
「なにか•••何かないか•••」
ハーベルは焦っていた。
「ハーベル、はあ、はあ、ハーベル!あれだ!」
「あれ?」
「杖!」
ブリッツはまた倒れた。
「杖?ああ、分かった•••はあ、はあ」
ブリッツを回復させながら、無限アイテム袋から、【マーキュリアルスタッフ】を取り出すと、【設定】スキルで素早く乗れるようにした。
ハーベルはブリッツをだき抱えて、【マーキュリアルスタッフ】にまたがると、凄まじい勢いで飛びさって行った。
「行ってらっしゃいませ!」
ドワーフのお姉さんは丁寧にお辞儀をした。
「くそーーー!すぐにゴールまで行ってやるからな!ブリッツ!ごめんな!」
ブリッツがぐったりする度に【命の泉】で回復させながら、ひたすら先を急いだ。
一体何km/h出ているか、分からないくらい物凄いスピードで飛び去っていく。
「ああ、早く!ゴールはまだか!」
ハーベルはブリッツを抱えながら、頭がおかしくなりそうなほどドキドキしていた。
「ハーベル•••ごめん•••」
「謝るのはこっちだよ!ごめんな!」
ハーベルの涙が凄まじい勢いで後ろへ流れていった。
一体何分くらい経ったか分からない、一体何回ブリッツを死なせてしまったか分からない••••
「ああーーーーー!」
ハーベルは大声で叫びながら急いだ。
すると、先の方が明るく見えてきた。
「あそこがゴールか!」
ハーベルがゴールをくぐってブリッツを見た。
ブリッツはぐったりして動かなかった。
「ブリーーーーーーッツ!」
ハーベルはすぐさまゴールにある、【復活の書】に触れた。
「ううううっは•••はあ、はあ、はあ、はあ、は•••あ、ああ•••」
ブリッツが生き返った。
「ああ、ごめんよ•••ブリッツ!」
ハーベルは顔が涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていた。
「ああ、ハーベル!お前、本当にいいヤツだな•••」
ブリッツはハーベルに抱きついた。
ハーベルはブリッツを抱いたまましばらく動けなかった。
••••••••
何分経ったか分からないが、ハーベルが立ち上がると、急に怒りが込み上げてきた。
「くそーーーーーーーー!」
ハーベルは大声で叫ぶと、いつまでも声が響いていた。
次回 エクストラステージへようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




