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リバースサーフェス ~この魔法の廃れた世界で 転生薬剤師さんが 魔導王(マグスロード)を目指します!~  作者: 吾妻 八雲
シーズン8 【試練の塔編】

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マールの罠へようこそ!

感想やレビューもお待ちしています!

(例:「面白い!」だけなどでも結構です!)


「そういえば、ハーベル!」

「なに?」


「さっきから、モノクルで何を見てるんだ?」

「これで、凝視すると、ヒントの道筋みたいなものが見えるんだよ!」

「そうだったのか」

ブリッツはうんうんうなずいている。


「えーと、ここでお知らせがありまちゅ!」

「もう、そのキャラ要らねえだろ!」

ブリッツがツッコミを入れた。


「この実験から、モノクル禁止でちゅ!」

「はあ?お前、それ今決めただろ!」

ブリッツが文句を言い始めた。


「いや、決定事項でちゅから!」

マールが言い張っている。


「ええと、モノクルを渡せばいいのか?」

ハーベルが真面目に聞くと、

「はい!預かりまちゅ!」

「はい、はい•••」

ブリッツがハーベルからモノクルを預かると、マールへ渡した。


「じゃあ、土の実験だよ!」

マールが少し元気に見える。


「あそこにある像が見えるかな?」

マールが指差した。


そこは広い運動場のような場所の中央付近に、女神の像が立っていた。


「これと全く同じものを横に立ててくだちゃいな!」

マールがこれでどうだ、と言わんばかりに言った。


「おい!マール!これって、モノクルがないとできないやつじゃないか?」

ブリッツが文句をつけた。


「いや、知らないよ!」

フフフフンと、鼻歌まじりで知らんふりをしている。


「まあ、まあ、ブリッツ!やってみるよ!属性はなんでもありか?」

「ああ、ここは制限なし!」

マールが嬉しそうに言った。


ハーベルは女神の像をまじまじと見つめるとおもむろに、


土魔法でそっくりの土人形を作って見せた。


「どうかな?」

「はーい、失格でーす!」


「なに!そっくりだろ!」

ブリッツが噛みついた。


「いや、形だけじゃダメ!素材も一緒でないと!」

「くそ、それはモノクルがないと分からないんだろ!」

「知りましぇーーーん!」

マールは知らんぷりだ。


ハーベルが女神像をよく観察していると、


「これは、石膏ぽいな•••そうすると、硫酸カルシウムの可能性が高いか•••」

ハーベルは考え込んでいる。


「マール、少し削るぞ!」

「お好きにどうぞ!」


ハーベルは、像の下の方を少しだけ削り取って粉末にした。


ハーベルは、魔法で塩酸を作り出すと、先ほどの粉末を溶かした。


さらに、魔法で塩化バリウムを作り出して、加えていくと白い沈殿物が現れた。


「なるほど•••」

ハーベルはなにやら納得しているようだった。


「あれ?石膏の下に金属が見える•••」


ハーベルが少し削り取って、炎の中へパラパラと振りかけると、緑色に炎の色が変わった。


「なるほど、銅ね•••」


ハーベルは集中すると、まずは銅像で女神像を作り出して、石膏で周りをコーティングした。


「マール!どうかな?」

「ちっ、正解!」

嫌そうに答えた。


「マール!」

どこからともなく怒った口調の声が聞こえた。


「やべっ•••」

「マール!ちゃんと審査できないのであれば外しますよ!」

その声は、さらに怒った口調で言った。


「だって、コイツってば、モノクル全然使ってないんだもん!」

「えっ!そうなのか?」

ブリッツが驚いていった。


「モノクルのヒントと違うことばっかりするから、モノクル要らないだろ!」

「そうだったのか•••ハーベル•••」

ブリッツは呆れていた。


「だって、違う方が面白いでしょ?」

「うん、まあね•••」


「マール!モノクルを返しなさい!さもなければ、あなたをこの階から降ろします!」

「分かりました。アウリエル様!」


「アウリエル?」

ハーベルは少し気になったが、


「じゃあ、返すよ!」

マールが残念そうにモノクルを手渡そうとした瞬間、手からすり抜けたモノクルが地面に落ちてヒビが入ってしまった。


「ああ、ごめんよ!わざとじゃないんだ•••」

マールが悪びれた様子で言った。

ハーベルは壊れたモノクルを拾うと、右目にかけた。


「マール、ありがとう!」

「ああ、いや•••」


••••••••


「次は、光の実験です」

マールが普通に説明し始めた。


「キャラやめたのか•••」

ブリッツが呆れ顔で言った。


そこには、無数のいろんな形の鏡があり、いろんな角度で置かれていた。


「このスタートの鏡の、ある一点に光を照射すると、最後にこの的の中心に当たるはずだ!」

マールは淡々と話を進めた。


「お前、これまた、モノクルがないとできないやつだろ!」

ブリッツが怒ったように言うと、


「だから、謝ってるだろ!」

そう言って後ろを向いてベロを出した。


「なるほど」

ハーベルは鏡をいろんな角度から観察し始めた。


ハーベルは【Ethereal Ember SR99】を構えると、まずスタートの鏡に赤色の光線を照射した。


光線は明後日の方向へ行ってしまった。


「こんな感じか•••」

「ハーベル!これ、モノクルがないと無理だろ!この広い鏡の一点しかないんだろ?」

ブリッツが心配そうに言った。


ハーベルが今度はゴールの的の前に立つと、的の中心の延長線上に立ち、赤い光線を照射すると、


ピュン、ピュン、ピュン、ピュン•••••


光線は反射を繰り返してスタートの鏡に赤い点が写し出された。


「ブリッツ!その赤い点をマークして!」

「あいよ!」

ブリッツが点の位置にちょんとマークした。


ハーベルがスタートに戻って、そのマークの周りを丸で囲むと、マークを外して、【Ethereal Ember SR99】を構えた。


ピュン、ピュン、ピュン、ピュン•••••


赤い光線は見事的の中心に写し出されていた。


「はいはい、そう正解です!」

マールは投げやりな感じで言った。


「なんだ、コイツ最低だな•••」

ブリッツは怒っていたが、


ハーベルは壊れたモノクルを右目にはめたまま、楽しそうに歩いて行った。


次回 幻影の戦場へようこそ!


続きの気になった方は、

ぜひともブックマークをお願いいたします。

最下部の⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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