六元素の試練へようこそ!
感想やレビューもお待ちしています!
(例:「面白い!」だけなどでも結構です!)
97階へたどり着くと、ドワーフが出迎えてくれた。
「ご苦労様でした!」
可愛い女の子のドワーフが優しく言った。
「【虹色の瞳】はお持ちですか?」
「これかな?」
ハーベルが虹色に光るレンズのようなものを取り出した。
「ああ、それです。これをどうぞ!」
ドワーフは何やら手渡してきた。
「何これ?」
「ここへ填め込んでください!」
ドワーフがジェスチャーで教えてくれた。
「ああ、モノクルか!」
ハーベルは【虹色の瞳】を嵌め込むと右目にモノクルをかけた。
「そのモノクルで見ると、いろいろなヒントが見えます。ぜひご活用ください!」
そう言って、ドワーフは丁寧にお辞儀をして次への扉を開いた。
そこは、長い廊下のような場所に、ロウソクが一列に並んだ奇妙な部屋だった。
「何をしろと?」
ハーベルが考え込んでいると、
「お疲れちゃま!」
ちっちゃいドワーフの子供が歩いてきた。
「こんにちは!」
ハーベルが挨拶すると、
「こんちゃ!僕の名前は、マール!」
「マール、よろしく!」
ハーベルが握手を求めた。
マールは手を出すと、素直に握手をした。
「ここからは、僕が説明しちゃうよ!」
「ありがとう!」
「まずは、炎の実験だよ!」
「実験?」
「ああ、そうだよ!」
「•••」
「この長い回廊に2列のロウソクが並んでいるだろう?」
「うん」
「全部で何本あるでしょう?」
「もしかして、それが問題?」
「何本か分かるかな?」
「えーっと、200本だ!」
「正解!」
「おお、ハーベルすげえな!」
「これで合格?」
「そんなわけないよ!」
「違うのかよ!」
思わずブリッツがツッコんだ。
「ここからが本題だよ!」
「はい!」
「初めのロウソクに火を灯してから、10秒以内に全てのロウソクに火を灯してね!」
「10秒?」
「いや、いくらなんでもそれは無理だろ!」
また、ブリッツがツッコんだ。
「ちなみに、炎属性の魔法以外は使えないようになるから注意してね!」
「しかも、制限付き?」
「あ、あと、あれは魔法のロウソクだから、火が着いても短くはならないから、常に高さは変わらないよ!だから、何度でも挑戦できるよ!死ぬまでね!」
マールの子供の声が、最後だけ恐ろしい声に聞こえた。
「マジか•••コイツ、ヤバイな!」
ブリッツがプルプル震えた。
「10秒で、200本全て、炎のみか•••」
ハーベルが一瞬考えたかとおもうと、
モノクルでロウソクを凝視した。
そしておもむろに、
【Ethereal Ember SR99】を構えた。
「その手があったか!」
ブリッツが喜んで飛び上がった。
「何でちゅ?それは?」
「ああ、俺が作った銃だよ!」
「へえーーー」
ハーベルは、炎の銃弾を2発撃ち放つと、
プシュ、プシュ!
銃弾は、一直線にロウソクの先をかすめながら飛んでいった。
ボッ!ボッ、ボッ、ボッ、ボッ、ボッ、••••••••
「ハーベル!すっげ!」
ブリッツが叫んだ。
「ほほう、なかなかやりますね!」
マールが大人っぽく呟いた。
「兄ちゃん、凄いね!」
マールが子供っぽくハーベルを誉めた。
「合格かな?」
「ああ、合格だよ!だいたいの人はここでギブアップなんだけどね!」
マールは残念そうに言った。
「じゃあ、次に行っちゃうよ!」
「ああ、よろしく!」
••••••••
「次は、水の実験だよ!」
「もしかして、この水の中に入るのか?」
「そうだよ!」
マールが可愛く首をかしげた。
そこには、水面が少し見えているだけだった。
「この水に入って、100m先まで潜って行ってもらうよ!」
「100mか•••」
「地味に長いな•••」
ブリッツが呟いた。
「属性の制限はないのか?」
「あるよ!水と風だけ使用可能でちゅ!」
「これって、水に潜らないといけないの?」
「うん?何言ってるのかにゃ?」
マールが不思議そうに見ている。
ハーベルがモノクルで壁を凝視すると、
「例えば、グレイシャル!」
ハーベルがそう言うと、水面が氷始めた。
「まず、凍らすだろ!」
ハーベルはそう言いながら壁に近付いていった。
【Ethereal Ember SR99】を構えると、銃を壁に向けて圧縮した空気の巨大な弾丸を撃ち放った。
ドキューーーん!
凄まじい勢いで壁が弾けとんだ。
その向こうにはまた、水面が広がっていた。
「グレイシャル!グレイシャル!」
ハーベルはドンドン表面を凍らせながら奥へと歩いていった。
「マジか•••」
「うっそ•••」
ブリッツとマールが口をあんぐりして驚いていた。
ハーベルが向こう岸の壁を破壊すると、
「はい!ゴールと!」
ハーベルがマールの方を見ると、
「いや、いや、ダメでしょ?ダメだよね?いや、ダメじゃないか?」
マールは混乱しているようだった。
「いや、ありだろ!」
ブリッツが叫ぶと、
「うう、ご、合格!」
マールが叫んだ。
「次こそ難しいからにゃ!」
マールが悔しそうに言った。
••••••••
「今度は風の実験だ!」
「また、向こうまで渡ればいいのかな?」
「ああ、どうだにゃん!」
「お前、キャラがブレブレだな•••」
ブリッツがとりあえず、ツッコんでおいた。
そこは、そこが見えないほどの深い谷があり、向こう岸までは何もない絶壁があるだけだった。
距離は、また100mぐらいあり、簡単に飛んで渡れる距離ではなかった。
「使える属性は、風だけだ!」
「了解!」
ハーベルはそう言うと、
また、モノクルで谷を見つめたかと思うと、そのまま崖の端へと歩き始めた。
「ハーベル!危ない!」
ブリッツが叫んだ。
ハーベルが谷へ足を踏み出すと、そのまま空中を歩いていってしまった。
「はあ?」
「なんだよそれ!」
また、マールとブリッツが呆気にとられている。
「ハーベル!ムチャクチャだな!」
ブリッツが喜んでハーベルに飛びかかった。
ハーベルがブリッツを受け止めると、そのまま向こう岸までは渡りきってしまった。
「兄ちゃん!どう言うこと?」
「俺は、精霊魔法も使えるんだけど、ここには精霊はいないみたいだから使えなかった。でも、そのときの感覚で風魔法を応用すれば空中を歩くことぐらいは出きると思ったんだ!」
「何言ってるか分からん•••」
「完全にキャラ崩壊してるぞ!お前!」
ブリッツがマールの肩を尻尾で叩いた。
「なんだよ、こんなあっさりクリアされたら、面目丸つぶれだ!」
マールが頭を抱え込んで座り込んでしまった。
「ええっと、次いこ!」
「ああ、分かった、分かった•••」
マールはしぶしぶ次の部屋へと入っていった。
次回 マールの罠へようこそ!
続きの気になった方は、
ぜひともブックマークをお願いいたします。
最下部の⭐5もつけていただけると幸いです。
頑張って続きを書いちゃいます!




