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リバースサーフェス ~この魔法の廃れた世界で 転生薬剤師さんが 魔導王(マグスロード)を目指します!~  作者: 吾妻 八雲
シーズン8 【試練の塔編】

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幻覚の花園へようこそ!

感想やレビューもお待ちしています!

(例:「面白い!」だけなどでも結構です!)


「今度は、きれいな花園か•••」

「一体どうなってるんだ、この空間は?」

ハーベルたちは、色とりどりの美しい花の咲き誇る庭園のような場所に出た。


「見たことのない花もあるな•••」

「この、アーティファクトは?」

ブリッツが尋ねると、


「ああ、【真実の花】だな!」

「何に使うんだろ?」

「まだ、分からないな•••」

ハーベルがそう言った次の瞬間、


••••••••


「おい、聞いたか?」

「ああ、ハーベルの話だろ」

「ああ、カンニングしたってやつ•••」

「マジかよ!」


「あれ?」

ハーベルは教室にいた。


「アイツ、学校やめてくれないかな?」

「本当、それ!」


「ハーベル!」

トッチとマユが話しかけてきた。


「ハーベル、カンニングしたって本当?」

トッチが心配そうに聞いてきた。


「いや、してないよ!」

「いや、ハーベルならするかもな!」

マユがふざけた感じで言った。


そこへ数学の担任の先生が授業にやってきた。


「みんな、席つけよ!」

先生が大声で怒鳴ると、


「授業の前に、大変なことをしでかした奴がいる!それについて話しておきたい!」

神妙な面持ちで言った。


「ある男子生徒が、テストで不正を働いた!その生徒に事情を聞いたが、一向に埒が明かん!よって、職員会議の結果、その生徒を追放することが決定した!」


「はあ?追放?」

ハーベルは思わず声をあげてしまった。


「おお、ちょうどいい、ご本人の方から声をあげてくれたか!」

「ああ、いや、俺は••••」

ハーベルはモジモジして声が上手く出ない。


一体何なんだ?声が上手く出ない•••

それに、追放って?

周りのみんなも態度がおかしいし•••


「まあ、これは決定事項だ!甘んじて受け入れるように!」

先生がハーベルを指差して言った。


「やっぱり、ハーベルか」

「カンニングするなんて最低ね」

「マジかよ」

「バカが無理するから•••」


おい、おい、俺はカンニング何かしてないぞ!

トッチ、マユ、助けてくれ!


ハーベルは声が出なかった。

二人を見ると、周りの生徒と同じように軽蔑の眼差しでハーベルを見つめていた。


違う、違うんだ、俺はそんなこと•••

そんなこと?

どんなこと?

ええっと、なんだっけ?

••••••••


気がつくと、顔が涙でグショグショになって、花園で倒れていた。


「おい!ハーベル!しっかりしろ!」

ブリッツが大声で叫んでいる。


「ああ、ブリッツ!」

ハーベルは、思わずブリッツを抱き寄せた。


「おい、カンニングは良くないぜ!」

ブリッツがそう呟いてニヤリとした。


ハーベルは背筋がゾクッとして心臓が止まりそうになった。


••••••••


「はっ!」

ハーベルは机に顔を伏せていた。


「また、教室•••」

うんざりした顔でそう言うと、


「ねえ、ハーベル?」

ハーベルが振り向くと、


「ええ、ネル?」

「どうしたの?幽霊でもみたような顔ね?」


ハーベルがふと気がつくと、目の前の机の上の花瓶に入った、一本の花が置いてあった。


その花は青白光っているようにも見える。


「ネル、これって?」

「ハーベル、なんでカンニング何かしたの?」

「いや、俺は•••」

「追放されたんだから、学校へ来ちゃダメでしょ?」

「ああ、ああーーー」

ハーベルは頭を抱えた。


周りの視線は冷たく、まるで能面のような顔に見えた。


「ああーーーーー!」


ハーベルの周りを、たくさんの冷たい目の能面がグルグルと回り続けた。

「ハハハ、ハハハ••••」


「やめてくれーーー!」

ハーベルは叫びながら頭を振った。


ハーベルは藁にもすがる思いで、目の前の一輪の花を掴んだ。


「っは、はあ、はあ、はあ•••」

「ハーベル!大丈夫か?」

ブリッツか優しく言った。


「っは••••もう、許してくれ!」

ハーベルがブリッツを遠ざけるように言った。


「そんな、涙でぐちゃぐちゃの顔しやがって!」

ブリッツがハーベルの頭を尻尾で軽くはたいた。


「ああ、はあ、はあ、現実?なのか•••はあ、はあ••••」

「よっぽど、ひどい目に遭ったみたいだな!」


「幻覚ってあんな恐ろしいのか•••何となくイメージはしていたけど、体験してみて、よく分かったよ。まさに、百聞は一見に如かずってことか•••」


「どうも、この【真実の花】がカギのようだ!」

「どういうことだ?」

「ああ、幻覚に迷い込んでも、この【真実の花】を見つけ出せば現実に戻って来れるようだ」

「なるほど•••」


ハーベルは神経をすり減らしながら、ドンドン先へと進んでいった。


「やっと、最深部か•••精神的に厳しすぎるな••」

「これでどうだ?」

ブリッツが回復魔法をかけてくれた。


「えっ、回復?」

「まあ、気分の問題だ!」

「ありがとう、ブリッツ!」

ブリッツを抱き上げて喉元を撫でてやった。

そこには、大きな花がそびえ立って咲いていた。


「でかいな!」

「ああ、3階の建物くらいはあるか?」

ハーベルが呟いた。


花の中央に能面のような白塗り顔が現れると、いきなり鬼のような形相に変わった。


「何?」

ハーベルが警戒して周りをキョロキョロしていると、


「ハーベル様!」

「えっ、ガルシアさん?」

「行きます!」


ガルシアがいきなり構えをとると、

「閃光拳!」

ドでかい光の束が放たれた。


ハーベルはすんでのところで交わしたが、少し左腕にかすっていった。


「くう、本物?」

「いや、違うぞ!」

ブリッツが叫んだ!


「敵は本物だが、ハーベルには幻覚で違う者に見えてるようだ!」

「そっちか!」

ハーベルは左手を押さえながら言った。


「じゃあ、遠慮なく倒していいってことだな!」

「ああ」


「レストレーション!」

ハーベルは左手を回復させると、

【Ethereal Ember SR99】を構えた。


「遠慮なく行きますよ、ガルシアさん!」

そう言って、炎の弾丸を数発放つとガルシアは消えてしまった。


「ハーベル!ひどいことするな!」

「そうよ!」

クラリッサとネルが現れた。


「本当だよ、うちにガルシアをよくも殺ってくれたな!」

「ええ、レオン?」


「これは、お仕置きが必要そうね!」

「師匠まで•••」


その後もドンドン知り合いたちが涌き出てきた。


ハーベルは躊躇ためらいながらも、銃を撃ち続けた。


銃を撃ちながら花へ近付いていくと、巨大な花目掛けて、特大の火球を放ったがすり抜けてしまった。


「幻覚?」

その根本に鈍く光る花を一輪見つけた。

「あれだ!」


ハーベルはすかさずその花を撃ち抜くと、すべての幻覚はスーッと消えていった。


「はあーーー」

大きなため息をつくと、その場に倒れ込んでしまった。


「どうした?」

ブリッツが駆け寄ってくると、

「さすがに、キツいなこれ•••」

ハーベルは涙で前が見えなかった。


次回 六元素の試練へようこそ!


続きの気になった方は、

ぜひともブックマークをお願いいたします。

最下部の⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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