幻覚の花園へようこそ!
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「今度は、きれいな花園か•••」
「一体どうなってるんだ、この空間は?」
ハーベルたちは、色とりどりの美しい花の咲き誇る庭園のような場所に出た。
「見たことのない花もあるな•••」
「この、アーティファクトは?」
ブリッツが尋ねると、
「ああ、【真実の花】だな!」
「何に使うんだろ?」
「まだ、分からないな•••」
ハーベルがそう言った次の瞬間、
••••••••
「おい、聞いたか?」
「ああ、ハーベルの話だろ」
「ああ、カンニングしたってやつ•••」
「マジかよ!」
「あれ?」
ハーベルは教室にいた。
「アイツ、学校やめてくれないかな?」
「本当、それ!」
「ハーベル!」
トッチとマユが話しかけてきた。
「ハーベル、カンニングしたって本当?」
トッチが心配そうに聞いてきた。
「いや、してないよ!」
「いや、ハーベルならするかもな!」
マユがふざけた感じで言った。
そこへ数学の担任の先生が授業にやってきた。
「みんな、席つけよ!」
先生が大声で怒鳴ると、
「授業の前に、大変なことをしでかした奴がいる!それについて話しておきたい!」
神妙な面持ちで言った。
「ある男子生徒が、テストで不正を働いた!その生徒に事情を聞いたが、一向に埒が明かん!よって、職員会議の結果、その生徒を追放することが決定した!」
「はあ?追放?」
ハーベルは思わず声をあげてしまった。
「おお、ちょうどいい、ご本人の方から声をあげてくれたか!」
「ああ、いや、俺は••••」
ハーベルはモジモジして声が上手く出ない。
一体何なんだ?声が上手く出ない•••
それに、追放って?
周りのみんなも態度がおかしいし•••
「まあ、これは決定事項だ!甘んじて受け入れるように!」
先生がハーベルを指差して言った。
「やっぱり、ハーベルか」
「カンニングするなんて最低ね」
「マジかよ」
「バカが無理するから•••」
おい、おい、俺はカンニング何かしてないぞ!
トッチ、マユ、助けてくれ!
ハーベルは声が出なかった。
二人を見ると、周りの生徒と同じように軽蔑の眼差しでハーベルを見つめていた。
違う、違うんだ、俺はそんなこと•••
そんなこと?
どんなこと?
ええっと、なんだっけ?
••••••••
気がつくと、顔が涙でグショグショになって、花園で倒れていた。
「おい!ハーベル!しっかりしろ!」
ブリッツが大声で叫んでいる。
「ああ、ブリッツ!」
ハーベルは、思わずブリッツを抱き寄せた。
「おい、カンニングは良くないぜ!」
ブリッツがそう呟いてニヤリとした。
ハーベルは背筋がゾクッとして心臓が止まりそうになった。
••••••••
「はっ!」
ハーベルは机に顔を伏せていた。
「また、教室•••」
うんざりした顔でそう言うと、
「ねえ、ハーベル?」
ハーベルが振り向くと、
「ええ、ネル?」
「どうしたの?幽霊でもみたような顔ね?」
ハーベルがふと気がつくと、目の前の机の上の花瓶に入った、一本の花が置いてあった。
その花は青白光っているようにも見える。
「ネル、これって?」
「ハーベル、なんでカンニング何かしたの?」
「いや、俺は•••」
「追放されたんだから、学校へ来ちゃダメでしょ?」
「ああ、ああーーー」
ハーベルは頭を抱えた。
周りの視線は冷たく、まるで能面のような顔に見えた。
「ああーーーーー!」
ハーベルの周りを、たくさんの冷たい目の能面がグルグルと回り続けた。
「ハハハ、ハハハ••••」
「やめてくれーーー!」
ハーベルは叫びながら頭を振った。
ハーベルは藁にもすがる思いで、目の前の一輪の花を掴んだ。
「っは、はあ、はあ、はあ•••」
「ハーベル!大丈夫か?」
ブリッツか優しく言った。
「っは••••もう、許してくれ!」
ハーベルがブリッツを遠ざけるように言った。
「そんな、涙でぐちゃぐちゃの顔しやがって!」
ブリッツがハーベルの頭を尻尾で軽く叩いた。
「ああ、はあ、はあ、現実?なのか•••はあ、はあ••••」
「よっぽど、ひどい目に遭ったみたいだな!」
「幻覚ってあんな恐ろしいのか•••何となくイメージはしていたけど、体験してみて、よく分かったよ。まさに、百聞は一見に如かずってことか•••」
「どうも、この【真実の花】がカギのようだ!」
「どういうことだ?」
「ああ、幻覚に迷い込んでも、この【真実の花】を見つけ出せば現実に戻って来れるようだ」
「なるほど•••」
ハーベルは神経をすり減らしながら、ドンドン先へと進んでいった。
「やっと、最深部か•••精神的に厳しすぎるな••」
「これでどうだ?」
ブリッツが回復魔法をかけてくれた。
「えっ、回復?」
「まあ、気分の問題だ!」
「ありがとう、ブリッツ!」
ブリッツを抱き上げて喉元を撫でてやった。
そこには、大きな花がそびえ立って咲いていた。
「でかいな!」
「ああ、3階の建物くらいはあるか?」
ハーベルが呟いた。
花の中央に能面のような白塗り顔が現れると、いきなり鬼のような形相に変わった。
「何?」
ハーベルが警戒して周りをキョロキョロしていると、
「ハーベル様!」
「えっ、ガルシアさん?」
「行きます!」
ガルシアがいきなり構えをとると、
「閃光拳!」
ドでかい光の束が放たれた。
ハーベルはすんでのところで交わしたが、少し左腕にかすっていった。
「くう、本物?」
「いや、違うぞ!」
ブリッツが叫んだ!
「敵は本物だが、ハーベルには幻覚で違う者に見えてるようだ!」
「そっちか!」
ハーベルは左手を押さえながら言った。
「じゃあ、遠慮なく倒していいってことだな!」
「ああ」
「レストレーション!」
ハーベルは左手を回復させると、
【Ethereal Ember SR99】を構えた。
「遠慮なく行きますよ、ガルシアさん!」
そう言って、炎の弾丸を数発放つとガルシアは消えてしまった。
「ハーベル!ひどいことするな!」
「そうよ!」
クラリッサとネルが現れた。
「本当だよ、うちにガルシアをよくも殺ってくれたな!」
「ええ、レオン?」
「これは、お仕置きが必要そうね!」
「師匠まで•••」
その後もドンドン知り合いたちが涌き出てきた。
ハーベルは躊躇いながらも、銃を撃ち続けた。
銃を撃ちながら花へ近付いていくと、巨大な花目掛けて、特大の火球を放ったがすり抜けてしまった。
「幻覚?」
その根本に鈍く光る花を一輪見つけた。
「あれだ!」
ハーベルはすかさずその花を撃ち抜くと、すべての幻覚はスーッと消えていった。
「はあーーー」
大きなため息をつくと、その場に倒れ込んでしまった。
「どうした?」
ブリッツが駆け寄ってくると、
「さすがに、キツいなこれ•••」
ハーベルは涙で前が見えなかった。
次回 六元素の試練へようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




