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リバースサーフェス ~この魔法の廃れた世界で 転生薬剤師さんが 魔導王(マグスロード)を目指します!~  作者: 吾妻 八雲
シーズン8 【試練の塔編】

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新武器の世界へようこそ!

感想やレビューもお待ちしています!

(例:「面白い!」だけなどでも結構です!)


「このはね、魔力伝導のいいエーテリウムっていう金属で作られてるのよ!」

「聞いたことないな!」

ハーベルは不思議そうに聞いている。


「そりゃそうよ!ドワーフにしか作れない金属だからね!」

「へえー!」


「しかもこの金属はメチャクチャ軽いのよ!」

「確かに!」


「それで、相談なんだけど?」

「なに?」

ハーベルが本題に入った。


「実は銃を作りたいんだ!」

「銃って何?」


「言葉で説明は難しいから、そのスタッフの柄の部分以外を外してもいいかな?」

「えっ!」


「ダメだよね?」

「うーん、しょうがないわ、新しい試みのためだと思って諦めるわ!」


ドリッシュはスタッフを取り上げると、先の部分をバッキっと躊躇なく折ってしまった。


「はい•••」

ドリッシュは少し悲しそうな顔で渡した。

「ありがとう!」

ハーベルは柄の部分を銃のように握って魔法の弾丸を撃ち出して見せた。


「ええ、何したの?」

ドリッシュが驚きと興味を隠しきれない様子だった。


「この金属部分に魔力を流して、弾丸と呼ばれる金属の玉をイメージして凄まじい勢いで撃ち出したんだ!」

「うーん、よく分からないけど凄くドキドキする!もう一回見せて!」

「ああ!」

ハーベルは何度も色々な銃弾で実演して見せた。


「ああ、凄かった!こんなに興奮したの初めて!」

ドリッシュは天国へいってしまいそうな顔をしていた。


「どうかな?できそう?」

ハーベルがお願いしてみると、


「私やってみる!今まで、変なもんばっかり作ってってバカにしてた奴らを見返してやる!」

「うん、その勢だ!」


ハーベルはドリッシュに銃の図面を渡した。


「メチャクチャ、カッコいいね!」

「ありがとう!」


「どれくらい時間かかるかな?」

「うーん、3日は見て欲しいわね!」

「そんなに早くできるの?」

「まずは、試作よ!」

「なるほど••••」


••••••••


ハーベルは3日後もう一度あの武器屋へ行ってみた。


「ドリッシュ!順調かな?」

ハーベルが優しく声をかけると、

ドリッシュはヨダレを流しながら眠り混んでいた。


「ドリッシュ!」

ハーベルが優しく肩を揺り動かすと、

「ふん!」

ドリッシュが急に起き上がって周りを見回していた。


「ああ、眠っちゃった•••」

「大丈夫?」

「ああ、ハーベル!」

「ほらヨダレを拭いて!」

ハーベルは優しくハンカチで拭いてあげた。


「ああ、できたよ!」

ドリッシュが大切そうに抱え込んでいた物を目の前に出した。


「おお、素晴らしい出来だ!」

ハーベルはまじまじと見ながら言った。


「ほら、試し撃ちしてみて!」

「うん!」

ハーベルは喜んで外へ出て早速試し撃ちをしてみると、


「なんだこれ!俺の作った銃の百倍は使いやすい!さすが、プロ!」

「どう?」

「ドリッシュ!凄いよ!これは奇跡だ!」

「いや、まだ試作段階だし•••」

「ええ、もう完成だよ!」

「いいえ、まだまだ改良の余地があるはずよ!」

「ええ、俺はこれでいいんだけど•••」

「ダメ!完成品ができるまで、いて貰うわよ!」

「いや、俺は先を急ぐんだよ!」

「絶対に逃がさないわよ!」

ドリッシュはハーベルの腕をがっちり掴んで話さなかった。


「トホホ•••」


••••••••


それから、1週間が経過していた。


「ハーベル!さすがに遅すぎだろ!」

「そうだな、銃は欲しいけど、あんなにこだわりが強いとは、予想外だった•••」

「もう、試作品でもいいから貰っていくか、諦めるしかないな!」

「そうだな•••」


ハーベルたちは、もう一度あの武器屋へ行ってみた。


「ドリッシュ!」

「ハーベル!完成したよ!」

ドリッシュが嬉しそうに新品の銃を持ってきてくれた。


「うわ!」

ハーベルは思わず鳥肌が立った!


その銃は、今までに見たどの銃よりも洗練されていて美しかった。


「ドリッシュ!」

ハーベルはついドリッシュに抱きついてしまった。

「本当に、ありがとう!」

「うん!こちらこそ!」


「名前をつけてもいいかな?」

「へえ、銃にも名前をつけるんだ!」

ドリッシュがワクワクしているようだった。


「【Ethereal Ember SR99】なんてどうかな?」

ハーベルは恥ずかしそうに言った。

「メチャクチャ、カッコいい!」

ドリッシュは興奮しているようだった。


「早速、【Ethereal Ember SR99】の試し撃ちしてみて!」

「うん!」


「その銃はね、単に弾丸を撃ち出すだけじゃなくて、杖みたいに魔法も打ち出せるようにしたの!」

「なるほど!考え付かなかった!さすが、プロは違うな!」

ハーベルはべた褒めだった。


「まずは、魔法の銃弾を!」

ハーベルがそう言って構えると、驚くほどスムーズに撃ち出された。


「なんだこれ、今までとは全くの別物だ!スゴすぎる!」

ハーベルは何度も試したが、実弾を召喚して撃ったときでさえ全く違和感なく撃ち出せた。


「しかも、魔力消費量がメチャクチャ少ないんだけど?」

「へへー、スゴいでしょ!」

ドリッシュが自慢げに言った。


「今度は魔法を試して見て!」

「オッケー!」

ハーベルは喜んで試してみた。


ハーベルが雷撃をイメージして銃を構えると、銃口の先に魔方陣が現れ、凄まじい雷撃がほとばしった。


「ハーベル!詠唱なし?」

「ああ、この銃なら無詠唱の攻撃にピッタリだ!」

ハーベルは新しいオモチャを手に入れた子供のようにいろんな魔法を試していた。


「凄いよ!マジで!」

「ハーベル、ありがとうね!」

ドリッシュはドキドキしながらハーベルにキスをした。


「ハッ!」

ハーベルは思わず動きが止まった。

「ド、ドリッシュ•••俺は、既婚者なんだよ•••」

「ああ、ごめんなさい!思わず、悪気なかったんだけど•••」

「いや、分かってくれればいいんだけど•••」

ハーベルは照れてしまっていた。


「ところで、ドリッシュ!いくら払えばいいの?」

「トークンはいらないよ!」

「いや、それはダメだよ!」

「いいえ、もう十分に報酬は貰ったから!もういいのよ!」

「でも•••」

ハーベルは困ってしまった。


「ああ、あとこれを!」

ドリッシュが銃をしまうためのホルスターのような物を用意してくれていた。


「何から何までありがとう!」

ハーベルはドリッシュの頬に優しくキスをした。

「ハーベル!ありがとう!」

ドリッシュはドキドキしながら、ハーベルに少しだけ抱きつくと、すぐに離れた。


「この塔の空間ってどうなってるの?」

「さあ?」

「ドリッシュたちは、ここでずっと暮らしているの?」

「そうだけどそうじゃない•••」

「どういうこと?」

「詳しくは分からないけど、私たちは、別に塔の中で暮らしている訳じゃないのよ!」

「ええ?」

ハーベルはビックリして聞き返した。


「私たちは、ドワーフの郷に住んでいるんだけど、この町に入ると、この塔この階層にこれるのよ!」

「はあ?」

ハーベルは全く理解が追い付かなかった。


「各階層のドワーフたちも普段は、自分の家に住んでいて仕事としてこの町へ来ているって感じね!」

「そうなのか•••」


「何で他の挑戦者に会わないんだ?」

「ああ、それぞれの挑戦者の時間軸があるから、絶対に会うことはないわよ!」

「うーん、難しい•••」

「考えても意味ないから、そう言うもんだと思うしかないわ!」

「分かった!」

ハーベルはドリッシュと握手をすると、手を振って別れた。


「もし、ドワーフの郷に来ることがあったら、また会いましょう!」

ドリッシュは小声でそう言うと、一筋の涙がこぼれ落ちていた。


「ハーベル!よかったな!いい銃が手に入って!」

「ああ、ブリッツ!ありがとう!」

ハーベルは褐色に輝く、

【Ethereal Ember SR99】を大事そうに擦りながら、いつまでも見惚れていた。


次回 精神の迷宮へようこそ!


続きの気になった方は、

ぜひともブックマークをお願いいたします。

最下部の⭐5もつけていただけると幸いです。

頑張って続きを書いちゃいます!

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