アーティファクトの世界へようこそ!
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「次で•••まだ30階か•••」
ハーベルは連続で戦闘してきたので疲れ果てていた。
「ハーベル!こいつが終わったら、少し休憩した方がいいじゃないか?」
ブリッツがハーベルを回復しながら言った。
「そうだな!どこか休憩できる場所とかあるのかな?」
「さあ?」
光のエスカレーターで30階に昇って来ると、今までとは雰囲気が違っていた。
そこには町が広がっていて、たくさんのドワーフが働いていた。
キョロキョロしながら歩いていると、
「おい!そこのに~ちゃん!」
ドワーフが話しかけてきた。
「ウチで休んでいきな!」
そこは宿のようになっていた。
「ここは今までとは違うみたいだけど?」
「ああ、30階ごとにこんな感じの町があるんだ!休憩と装備の準備をしていくといいだろう!」
そう言って、ドワーフが部屋へと案内してくれた。
「じゃあ、90階が最後の休憩場所ってことですか?」
「ああ、最後の10階は特殊だから•••おっと、俺が言えるのはここまでだ!」
「特殊?」
ハーベルは少し気になったが今は休憩が先だった。
「ブリッツは疲れたりしないのか?」
「霊獣は、魔力で行動してるから食べたり休んだりする必要はないんだぜ!」
ブリッツが少し自慢げに言った。
「ハーベル!今のステータスは?」
「ええっと」
ハーベルがスマホで確認すると、
ハーベル ♂ Lv.30
魔力:29000
トライアルトークン:56000
霊獣:カーバンクル(名前:ブリッツ)
魔力:13000
武器:ヴァルキリーエッジ
魔法属性は、無属性
スキルは、「設定」
魔法属性
光:30 闇:25 炎:22
水:26 風:23 土:18
ジョブ属性
魔:25 剣:12 拳:26
召:28 シ:30 狩:10
武器属性
杖:15 剣:16 ナ:25
書:28 短:30 弓:5
「ハーベル、トークンが貯まってるな!」
ブリッツがそう言うと、
「ああ、10階でヴァルキリーエッジを買った以外、基本武器以外は使ってないからな!」
そんな話をしていると、一匹の綺麗な毛並みの白い猫がこちらを見ている。
ハーベルがそれに気がついて、目があうとスッと逃げてしまった。
「ブリッツ!あの猫を追ってくれ!」
「あいよ!」
素早く動いたブリッツは、猫の後を追って行った。
猫はある一軒家に入っていくと、
「ハーベル!あの一軒家に入っていったぜ!」
「サンキュー!」
そこにはいかにも怪しい感じの家が他の建物とは離れて建っていた。
「なんか怪しいぜ!」
ブリッツがそう言うと、
ハーベルは気にせずドアを開けた。
そこには、一人のドワーフの老婆がロッキングチェアに揺られて、居眠りをしていた。
「あの~お邪魔します」
ハーベルが静かに入っていくと、
「おーよくここが分かったのー!」
老婆が声をかけてきた。
「この塔に挑む者を、わしは何人も見てきたが、今だにクリアした者はおらん•••むにゃむにゃ•••」
老婆は口を動かしている。
「もし、誰かがクリアしたら、他の挑戦者たちはどうなるんですか?」
「知らん!知らんが•••おそらく強制的に元の時間へ戻るじゃろうな!」
「そうですか•••」
「この塔をクリアするには、いくつか条件がいるんじゃ•••むにゃむにゃ•••」
「条件?」
「そうじゃ、むにゃむにゃ•••そうじゃ•••なんじゃったかの?」
「いや、それを教えてよ!」
「むにゃむにゃ•••忘れた!」
「ええ•••」
「まあいい、そこの杖を持っていくがいい、役に立つじゃろ!」
老婆がそう言って指差した先には、古めかしい大きめのスタッフが置かれていた。
「でかいな!要らないです!」
「おい!そこは貰っておけよ!」
ブリッツがツッこんだ。
「いや、邪魔だし•••」
ハーベルはまじまじと杖を見てそう言った。
「いや、そこは持っていくじゃろ!むにゃむにゃ•••」
「ばあさん、今それは俺がツッこんだから•••」
ブリッツが老婆にツッコミを入れた。
「無限袋でもあればな•••ああ、作ればいいのか!」
ハーベルが思い出したように言うと、
「お婆さん!何か貰ってもいい袋ないですか?」
「それなら、そこの革袋を使うがいい!」
老婆が机の上の革袋を指差した。
「ありがとうございます」
早速、革袋を手にすると、「設定」スキルで無限収納袋を作成した。
「じゃあ、貰っておきます!」
そう言って、大きなスタッフを袋にしまった。
「ええっと、何した?」
ブリッツが驚いて聞いた。
「今、この袋にスキルで何でも無限に入るように設定したんだよ!」
「へえ•••」
ブリッツは呆れていた。
「おお、今何したんじゃ?•••むにゃむにゃ•••」
「ばあさん、その行はもういいよ•••」
ブリッツがまたツッこんだ。
「これで、今までのアイテムもしまえるな!」
ハーベルは、これまでにもこのようなサブクエスト的な事柄に積極的に頭を突っ込んでいたので、なかなか先に進めないでいた。
「ええっと、ここまでに何に使えるか分からないアイテムを5種類手に入れたぞ!」
「お婆さん、このアイテムって何か分かりますか?」
「これは、アーティファクトじゃ、むにゃむにゃ•••通常のバトルじゃ、たいして役に立たんじゃ•••むにゃむにゃ」
「アーティファクトか•••」
「全部で何種類くらいあるのかな?」
「むにゃむにゃ•••何種だったかのう•••10か20か忘れた!むにゃむにゃ」
「ありがとうございます!」
ハーベルはお礼を言って外へ出た。
「どーもこのアーティファクトを10種類集める必要がありそうだ!」
「へえ、ばあさん、分からないって言ってなかったか?」
「ああ、でもあれは10種類ってことだよ!」
「よく分からないけどそうなんだ•••」
ブリッツは適当に相づちを打った。
「あと5種類集めないといけないから、ブリッツも今みたいなクエストを見逃がさないように注意して!」
「任せときな!」
ハーベルたちは宿屋へと向かった。
宿屋のベッドの上で今あるアーティファクトを確認してみた。
「さっきのスタッフは【呪われた杖】か、確かに普通には何に使えるのかよく分からないな•••」
ハーベルは大きなスタッフを壁に立て掛けた。
「次は、【時の砂時計】か•••、あとは、【命の泉】と【霧の指輪】か、最後が【光のアミュレット】と•••う~ん、なんだろう•••」
ハーベルは机の上に並べて考え込んでいた。
「なんとなく、最後の10階に関係ありそうな気がするんだよな•••」
そんな独り言をいいながら、いつの間にか眠ってしまっていた。
••••••••
その頃レオンはというと、30階も素通りしてすでに50階層まで来ていた。
「ミーシア!やっと半分か•••」
「レオン、全然休んでないけど大丈夫?」
「まだまだ余裕だけど、これって早くクリアした方がいいんだよな?」
「分からないけど、ドワーフが言ってたみたいに、クリアして戻ったら一瞬しか経ってないなら、早さは関係ないのかもよ?」
「なるほど、そうとも言えるか•••」
レオン ♂ Lv.50
魔力:56000
トライアルトークン:182000
霊獣:レイブンシャドウ(名前:ミーシア)
魔力:24000
武器:ダークリーチセプター
魔法属性は、全属性
スキルは、
「解析」「分解」「破壊」
「精製」「合成」「構築」
魔法属性
光:10 闇:50 炎:38
水:40 風:28 土:18
ジョブ属性
魔:50 剣:12 拳:30
召:42 シ:35 狩:16
武器属性
杖:50 剣:12 ナ:28
書:40 短:39 弓:12
「30階越えてから、複数の敵が多くなってきてるね!」
「ああ、僕は魔法中心だから範囲魔法で一掃できるけど、地形にも左右されるから、狭いとこは不利だな•••」
「50階は、ああー、ビルみたいなところでどんどんゾンビが出てくるパターンだ•••」
「ここじゃ、あんまり力になれそうにないわ•••ごめんなさい」
ミーシアが申し訳なさそうに言った。
レオンは仕方なくチマチマとゾンビを片付けていると、
「ああ、面倒だ!」
レオンはビルの外に飛び出すと、1階まで一気に降りていった。
ダークリーチセプターを掲げて、
「ヴォイド•コラプス!」
セプターの先端から小さな闇の塊が放たれたかと思うと、ビルの1階付近で一気に広がり2、3階部分をすべて飲み込むほどの大きさになると、一瞬で消滅した。
ビルは一気に倒壊してしまった。
「レオン!無茶するね•••」
ミーシアが少し呆れていた。
「だって、めんどくさいだろ!」
ちなみに、レオンはこの時点までにアーティファクトをひとつも探し当ててはいなかった。
次回 真の試練へようこそ!
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