幸運な未来へようこそ!
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「ここが【ムーンヘブン】か•••本当にメチャクチャですね•••」
オウカが悲しそうに言った。
「時間がない、作戦はこうだ!」
レオンが説明を始めた。
まず、ハーベルがオウカを、レオンがクラリッサを、
【ムーンヘブン】の上空へと運ぶ。
そして、オウカが能力を発動すると同時にハーベルとレオンが魔力を補充し続ける。
国が過去に戻ったら、クラリッサの能力で運命を固定する。
オウカはすぐに未来へ飛んで眠りを回避する。
「分かったわ!」
オウカが大きく深呼吸した。
「じゃあ、行くぞ!」
「了解!」
4人は円陣を組んだ。
「レメディア•ゼファー•スピリッツ!」
ハーベルがオウカの身体を風の精霊で
浮かせてコントロールした。
「うわ!すごい飛んでる!」
オウカは喜んでいるようだった。
「オウカ!いくよ!」
ハーベルが一緒に上空へと飛び上がった。
「かなり範囲が広いな!」
レオンがそう言うと、
「ほぼ国全体だからね!」
「オウカ、魔力不足にならないようにするけど足りなかったら言ってね!」
「分かりました!」
オウカがもう一度、大きく深呼吸すると、
「テンポラル•リワインド•エンシェント!」
オウカがありったけの魔力を込めて詠唱した。
オウカを中心に真っ白な光の空間がどんどん広がっていき、国がすっぽり入るくらいの大きさまでに達した。
「ハーベルさん、レオンさん、魔力をお願いします!」
「分かった!」
「了解!」
ハーベルとレオンがオウカにどんどん魔力を注入していった。
すると、破壊し尽くされた町並みが巻き戻しの映像を見ているかのように、次々と元に戻っていくのが見えた。
「凄い!」
クラリッサがその光景を見て感動していた。
「あとどのくらいだ?」
レオンが尋ねると、
「あと、2、3時間ってとこか?」
ハーベルが答えた。
「もうそろそろです!」
オウカが合図した。
「任せて!」
クラリッサがそう言うと、
「ラックシャード•デスティニー•ブレッシング!」
大きな声で叫んだ。
今度はクラリッサを中心に紫色の空間が国全体を覆う勢いで広がって行った。
「私にも魔力を!」
「オッケー!」
「了解!」
ハーベルとレオンがクラリッサに魔力を注入していった。
「よし!」
「次はオウカだ!」
「はい!」
「ネクスジェン•クロノ•ジャンプ!」
「魔力をお願いします!」
「任せろ!」
「行けーーー!」
二人はありったけの魔力を注いだ。
周りが一瞬真っ白に光ったかと思うと、そこには二十歳くらいの美しい女性が綺麗な長い黒髪を棚引かせて現れた。
「えっ!」
「あっ!」
二人はつい見とれてしまった。
「レオン!」
「ああ、ごめん•••」
クラリッサがちょっと不機嫌だった。
「オウカ?」
「うん、君たちよりお姉さんになっちゃったね!」
オウカが可愛い顔で笑った。
ハーベルは顔をポリポリかいていた。
「ああ、ネルに報告しよ!」
「いや、別に何もしてないでしょ!」
ハーベルが慌てると、
「いや、報告!」
「おいおい!」
レオンがクラリッサを諫めた。
「ハーベル君、レオン君、これからよろしくね!」
綺麗なお姉さんになったオウカが、可愛い声で言った。
「町を見に行ってみよう!」
「うん」
4人はそのまま町に降り立ってみた。
「君たちは誰だ?」
先を急いでいる様子の男が呼び止めた。
「あなたがマルスさんですか?」
「ああ、なぜ名前を•••」
不振がっているようだ。
「ああ、俺たちリナの友達です!」
「ああ、そうだったのか•••とでもいうかと思ったか!この不振者め!」
マルスが大声で衛兵を呼んだ。
すぐさま衛兵が集まってきてしまった。
「不味いことに•••」
「記憶もそのときのままみたいだね!」
「うん、今から魔王軍が攻めてくると思ってるんだね!」
「お前たち、なんで魔王軍のことを!ますます怪しい!」
「こりゃダメだ!」
「一度戻って、リナとメルキドさんを連れてきた方がいいね!」
「そうみたい•••」
クラリッサが困った顔で言った。
ハーベルはオウカに触れると、一瞬で全員が【ルミナラ】へ移動した。
「あれ?どこ行った?」
「き、消えました•••」
「そんなわけないだろ!すぐに探し出せ!」
「はっ!」
衛兵たちは周りの捜索に走っていった。
••••••••
「お帰り!」
リーフィアが出迎えてくれた。
「あなた、オウカ?」
「はい!師匠!」
「美人さんになって•••」
「師匠!これからもよろしくお願いします!」
「もちろんよ、オウカ!」
リーフィアが優しく抱き寄せた。
「メルキドさん!リナ!うまく行ったよ!」
ハーベルが報告すると、
「マルスは?」
リナが心配そうに尋ねた。
「うん、無事だよ!ちゃんと確認してきたから!」
レオンがリナの肩を軽く叩いた。
「メルキドさん、こんなときになんですが•••エレメンタル•スパイアの件をお願いしますね!」
ハーベルが小声で言うと、
「ああ、任せてください•••この恩は一生忘れません!」
「よろしくお願いいたします」
ハーベルは深々とお辞儀をした。
メルキドとリナは早速、【ムーンヘブン】へと戻ると、
••••••••
「ああ、元に戻ってる!」
「おお、神よ!」
メルキドは天を仰いで目を瞑った。
「メルキド博士!」
マルスが急いだ様子でやって来た。
「マルス!」
リナがマルスに飛びついて大声で泣き叫んでしまった。
「ええ、リナ!メルキド博士の前だぞ!」
マルスは顔を真っ赤にしてリナを引き剥がそうとするが、リナはくっついたまま離れなかった。
「マルス!いいんです•••」
メルキドが少し優しい声で言った。
「メルキド博士?どうしたんですか?」
「うん、いいんです、もう•••」
マルスの肩に手を置くと、
「一度失ってみて初めて分かることがあるんですね!」
しみじみと噛み締めるように呟いた。
メルキドの目に一筋の涙がこぼれ落ちた。
マルスは不思議そうに二人を眺めることしかできなかった。
次回 全王会議へようこそ!
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