表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リバースサーフェス ~この魔法の廃れた世界で 転生薬剤師さんが 魔導王(マグスロード)を目指します!~  作者: 吾妻 八雲
シーズン7 【エレメンタル•スパイア編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

119/172

救世主の登場へようこそ!


「みなさん、一つだけ方法があるかもしれません!」

リーフィアは一人一人の顔を見た。


「どういうこと?」

ネルが涙を拭きながら言った。


「実は、しばらく顔を出さなかったのは、MD試験の合格者を修行させていたんだけど!」

「もうそんな時期か•••」

ハーベルがしみじみ言った。


「まあ、それはいいんだけど、その中に特殊なリバースサーフェスを発動した子がいるのよ!」

「特殊って?」

レオンが興味深そうに尋ねた。


「いわゆる時間を操るタイプなんだけどね!」

「父さんみたいな?」

レオンが聞くと、


「ええ、でもアルクよりも、もっと大規模に発動できる可能性を秘めているのよ!」

「どういうことですか?」

エリスが急かすように言った。


「順に説明するわね!」

リーフィアの話によると、


その女の子の名前はオウカと言って、剣士のようだった。


オウカ ♀【剣士】

リバースサーフェス

未来と過去(時間)

(NexGen/Ancient)

「ネクスジェン•エンシェント」

魔法属性は、光、闇属性

元の職業は、サムライ


ネクスジェン•エンシェントという能力は、過去の好きな時点に戻ったり、未来へ移動したりできる。


ただ、言うほど万能ではなく、かなり扱いにくい能力のようだった。


短い時間であれば、先読みのように自分だけ少し先の未来に行ったり、逆に過去に戻って無かったことにすることができる。


例えば、自分が剣で手を切りつけられた瞬間に、少し前の自分に戻る。そのままならまた切られるだけだが、自分だけ切られなかった未来へ移動すれば、一瞬、攻撃を避けたように見えるということらしい。


ただ、時間と使用した魔力量によってリバウンドのリスクがある。


大量の魔力を消費すると強制的に眠りに落ちてしまう。つまり、能力の発動と引き換えに自分自身の時間を奪われてしまうことになる。


さらに、過去の運命は変えることができないため、起こってすぐのことでなければ、時間と共に同じ運命へと導かれてしまう。


一度変えた過去は二度と変えられない。


つまり、能力の本質は、もうひとつの世界線を作り出すことで、元に戻ったように見えるが結局、運命は別の形で収束していき同じ運命へとたどり着くそうだ。


例えば、目の前で鳥が壁にぶつかって死んだとする。それを、過去に戻して生き返らせることはできるが、その鳥の死ぬという運命は変えられないので、いずれ別の形で死を迎えて運命が収束するらしい。


一見意味のない能力のように思えるが、自分自身に関してはそうともいいきれない。

なぜなら、自分を未来に送ることができるため、「無かった未来」を選ぶことができるからだった。


「凄く難解な能力ね!」

アクシアが怪訝そうに言った。


「でも、この能力じゃ結局別の形で崩壊してしまうんじゃないの?」

エリスが聞いた。


「その通りです。このままでは正直使いづらいだけの能力です」

「このままでは?」

ハーベルが不思議そうに聞いた。


「ええ、ここでクラリッサの登場よ!」

「ええ、私?」

クラリッサが急にふられてびっくりした。


「ええ、オウカの能力では「起こる前の過去」に戻すことはできるけど自分以外を「無かった未来」に送ることはできない」

「そうよね•••」


「でも、クラリッサのリバースサーフェスで、「幸運な未来」に運命を固定すれば、「起こる前の過去」の世界線を収束させずに幸運な未来へ導くことができると思うの!」

「なるほど!」

エリスが大きくうなずいた。


「つまり、オウカの能力で【ムーンヘブン】を「起こる前の過去」の世界線へ移動させ、クラリッサの能力で、「幸運な未来」に運命を固定して国を救うということですか?」

「その通り!」

リーフィアが明るく言った。


「でも、そんなにうまく行くのかね?」

サリエルは少し疑っているようだった。


「まあ、ここで議論してもしょうがないから、やってみましょう!」

レオンが話をまとめようとすると、


「でも、オウカ自身はそれでいいの?もしかすると、何年も寝たきりとかかも知れないんじゃないの?」

ハーベルが心配そうに言うと、


一同黙り込んでしまった。


「ちょっと待って!」

リナが口火をきった。


「オウカが能力を使って眠る前に、自分自身だけ、眠った後の未来に飛べばいいんじゃないかしら?」

「そうか、それなら眠り続けるのは回避できるかもね!」

「それでも、オウカ自身の時間を奪うことには代わり無いけどね•••」

ハーベルが付け加えた。


「そうね•••」


「私なら大丈夫よ!」

そこへ可愛い少女がリフトから現れた。


「オウカ!聞いてたの?」

リーフィアが駆け寄った。


「いいの?」

「はい!リバースレルムの危機なのにそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」


「背に腹はかえられないか•••」

レオンが残念そうに呟いた。


「さっきの方法なら、眠り姫になることもなさそうですしね!」

「オウカ•••」

リーフィアがオウカを抱き寄せた。


「じゃあ、その作戦で行こう!」

「はい!」


「オウカ!本当にすまないが時間がないんだ!今すぐ実行できるか?」

「はい!ハーベルさんがんばります!」

「ありがとう!」


「じゃあ、現地に行くのはオウカとクラリッサ、ハーベルとレオンでオウカの足りない魔力を補充してあげて!」

リーフィアが指示を出した。


「はい!」

4人は大きな声で返事をするとすぐさま【ムーンヘブン】へと移動した。



次回 幸運な未来へようこそ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ