最後の希望へようこそ!
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「ハッ•••ハーベル!助けて•••」
チャンバー•アルチザンから出てきたリナがバタッと倒れ込んだ。
「リナ!」
ハーベルが抱き上げて、治療施設のベッドに寝かせてあげた。
「リナ、大丈夫よ!」
ネルが優しく看病してくれていた。
「リナ、どうしたんだ?」
ハーベルが優しく尋ねると、
「ああーーーー!」
リナが急に大きな声で叫んだ。
「リナ!」
ネルが優しく抱きしめた。
「マルスが•••ああーーーー!」
リナが泣きわめいている。
「マルスって誰なの?」
「ああーーーー!マルス!私を置いていかないで!」
リナは狂ったように泣いている。
しばらくしてリナが少し落ち着いてきた。
「リナ、何があったの?」
「ネル!マルスが死んじゃったの•••」
「マルスって、リナの恋人?」
「うん•••」
リナはうなずいて動かなくなった。
「国がメチャクチャに壊されてマルスも一緒に•••ああーーーー!」
また泣きわめいてしまった。
「こんな状態じゃ、要領を得ない!」
ハーベルがそう言って立ち上がった。
「ネル!ちょっと【ムーンヘブン】を見に行ってくるから、レオンとクラリッサに来てもらうように連絡を入れていおいてくれる?」
「分かったわ!」
ハーベルはチャンバー•アルチザンへ入って行くと、【ムーンヘブン】へと飛んだ。
••••••••
「なんだ•••これは•••」
ハーベルが目にしたものは信じられない光景だった。
Moonhaven: (ムーンヘブン)
銀色の風景に囲まれ、夜が支配し、星々が集まる場所。
のはずが、建物は破壊され火が燻り、至るところで人が倒れていた。
煙がそこらじゅうから上がって、時折小さな爆発が繰り返されていた。
そこへ、ホコリまみれの男が倒れ込むように歩いてきた。
「何があったのですか?」
「君は誰だね?」
「私は、ハーベルと申します」
ハーベルが丁寧にお辞儀をすると、
「君が•••もうおしまいだ!なにもかも終わった•••」
男は呟いた。
「あなたは、メルキドさんですか?」
「ああ、そうだ•••ハハハ•••」
少しおかしくなっているように見える。
「メルキドさん、なぜ?、こんなことに?」
「悪魔•••悪魔と龍が!」
メルキドは叫んだ。
「まさか、魔王軍ですか?」
「ああ•••」
「ああーーーー!魔鉱炉が!」
また急に叫びだした。
自失呆然としているメルキドを何とか【ルミナラ】まで連れてきた。
••••••••
「やあ、ハーベル!」
レオンたちが駆けつけていた。
「どうなの?」
クラリッサが尋ねると、
「う~ん、会話にならないからよく分からないけど、どうも魔王軍の襲撃を受けたみたいだね•••」
「そう言うことか•••」
「とりあえず、二人はネルに任せて、【ムーンヘブン】を見に行ってみようか」
「そうね」
3人は【ムーンヘブン】へと移動した。
••••••••
「メチャクチャだな•••」
レオンが空に飛び上がって旋回しながら言った。
「これを復興するのは時間がかかりそうだね•••」
「うん」
「亡くなった方もたくさんいるみたいだし•••」
「困ったな•••」
ハーベルは頭を抱えてしまった。
「そういえば、メルキドさんが魔鉱炉がどうこうって言ってたな•••」
ハーベルが思い出したようにいうと、
「レオン!魔鉱炉って見える?」
クラリッサが大声で聞いてくれた。
レオンが辺りを見回していると、一ヶ所凄まじいエネルギーを感じる場所があった。
ハーベルたちは一瞬でそこへ転移すると、
「これって•••」
「魔鉱炉だ!」
レオンが周りを確認しながら言った。
「魔鉱炉って何に使うの?」
クラリッサが尋ねると、
「魔鉱炉は、希少な魔鉱石を利用して大型の魔道具の燃料にするためのものだよ!」
ハーベルが答えた。
「そうなんだ•••」
「ハーベル!まずいかも!」
レオンが焦った様子で言った。
「この魔鉱炉、暴走してないか?」
「攻撃の衝撃で制御システムが破壊されてしまったのか•••」
「こんなのどうやって止めるんだ!」
「とりあえず、メルキドさんに聞いてみよう!」
3人はイヤーカフスにふれると一瞬で【ルミナラ】へ戻ってきた。
••••••••
「メルキドさん!大変です!」
「ああ、大変だ•••」
メルキドはすべての気力がなくなっているようだった。
「しっかりしてください!魔鉱炉が暴走してるみたいなんです!」
レオンが大声で言った。
「魔鉱炉、まさか制御システムが?」
「おそらく!」
「このままでは、半日も持たずに爆発してしまいます!」
「ええ!どれくらいの規模なんですか?」
「6ヶ国全てを巻き込んでしまうでしょう!」
「はあ?」
クラリッサが叫んだ。
「嘘だろ!」
「レオン!どうする?」
ハーベルが珍しく焦っている。
「何か頑丈なもので囲うとかは?」
クラリッサが提案した。
「いや、段ボール箱で覆うようなものです••」
メルキドが諦めたように言った。
「とりあえず、他の国にも伝えなきゃ!」
ネルがハーベルにしがみついた。
「ああ•••」
ハーベルはすぐに他の王様にも知らせた。
••••••••
「ハーベル!どういうこと?」
アクシアとエリスが問い詰めた。
「ハーベル君、私も知りたい!」
サリエルも困惑していた。
ハーベルが事の経緯を説明すると、
「魔王とは•••」
「しかも、あと半日もたたずにリバースレルムが崩壊するですって!」
3人も頭を抱えてしまった。
「最悪、全員サーフェスレルムに逃れるしかないわね!」
エリスが思い詰めた様子で言った。
「それしかないか•••」
一同無言になってしまった。
そこへ遅れてリーフィアがやって来た。
「師匠!」
ネルが飛びついた。
「リーフィア師匠!お久しぶりです!」
レオンとハーベルがお辞儀をした。
「師匠!リバースレルムはもうダメかもしれません•••」
クラリッサが泣きそうな顔ですがりついた。
リーフィアがネルとクラリッサの頭を撫でながら言った。
「みなさん、一つだけ方法があるかもしれません!」
リーフィアは一人一人の顔を見た。
次回 救世主の登場へようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




