作戦会議へようこそ!
感想やレビューもお待ちしています!
(例:「面白い!」だけなどでも結構です!)
その頃、大魔王帝国では、
「ダリアン様!只今、戻りました」
ヴァロッサムが悪魔王子のダリアンに報告した。
「ダリちゃん、今戻ったよ!」
ニキサーも続いて挨拶した。
「ニキサー!ダリアン様に失礼は許しませんよ!」
ヴァロッサムが叱責すると、
「まあ、そんなことはいいから、ヴァロッサム!前哨基地はどうなった?」
ダリアンが偉そうに言った。
「はい、精霊界側の境界付近に前哨基地を設置しておりますが、そこにゴミどもが巣くっており、片付けをしておりました!」
ヴァロッサムが思い出してムカムカしている様子だった。
「ゴミって人間のこと?」
「はい!」
「そんなの瞬殺でしょ!」
「はあ•••それが、粗大ゴミがおりまして•••」
「粗大ゴミ?」
「ダリちゃん、そいつらウチたちの攻撃を防いだんだよ!」
ニキサーは少しワクワクしているように見える。
「ほほー、それはちょっと面白そうだな!」
ダリアンも少しワクワクしていた。
「王子!魔王様のご命令で、前哨基地を設置するのが最優先です!何卒、軽率な行動は御慎みください!」
ヴァロッサムが丁寧に諌めると、
「分かってるよ!」
つまらなさそうにダリアンが言った。
「ニキサーも余計なことをしないでくださいよ!」
「あーい!」
ニキサーは聞いているふりをしていた。
「ヴァロッサム様!前哨基地の準備が整いました!」
下級の悪魔兵が報告に来た。
「分かりました!ニキサー!私は、最後の視察に行ってきますから、くれぐれも頼みましたよ!」
ヴァロッサムは念を押して部屋を出ていった。
「あいあーい!」
ニキサーが適当に返事をすると、ダリアンに目配せをした。
「邪魔物は消えたね!」
「ああ、消えたな!」
ダリアンが悪そうな顔をして言った。
「殺っちゃう?」
「当たり前でしょ!」
ニキサーがとても嬉しそうにはしゃいでいる。
「いきなり突っ込んでメチャクチャにするのも楽しそうだけど!」
「そだね!」
「ニキサー!その粗大ゴミってそんなに強そうなのか?」
「うーん、強いかどうかは闘ってないから分からないけど、人間にしてはすごい魔力だったのは確か!」
「ほほー!」
「あの二人以外にも居るといいな!」
「遊びがいがありそうだな!」
ダリアンが嬉しそうに言った。
「だよね!」
ニキサーも遊び相手を見つけた子供のように喜んでいた。
••••••
その頃、【ルミナラ】では大変な騒ぎだった。
「みんな、静かにして!」
エリスが大声で叫んだ。
一瞬でみんなは静かになった。
「エリスさん、すご!」
「これ、レオン!」
「はい!すいません!」
「レオン、怒られてやんの!」
ハーベルが茶化すと、
「ハーベル!」
エリスがツッコんできた。
「すいません!」
「ハハハ!」
二人は久しぶりでじゃれあっていた。
「レオン!みんなに細かい経緯を説明して!」
「分かりました!」
レオンはこれまでの経緯を細かに説明し始めた。
「結局、その魔王って一体何者なの?」
アクシアが質問した。
「私から説明します!」
フィエッタが手を挙げた。
フィエッタの話によると、
このリバースレルム(精霊界)は、ソーサリーエレメントのあるエリアと、大魔王帝国のあるエリアで分かれていて、今までは光のソーサリーエレメントが見つかっていなかったために、魔王軍側の瘴気が優位になっていて、こちら側へ侵食していたため強い魔物も蔓延っていた。
しかし、ハーベルが光のソーサリーエレメントと契約したため、一気にこちら側の精霊力が強まり、魔王側へ雪崩れ込んだ結果、境界が侵されるようになり焦った魔王軍が重い腰を上げたということのようだ。
「それにしても、まだあんなのが何びきも居るんだろうか?」
ガルシアが心配そうに聞くと、
「ひとりは、魔神龍のニキサー!ガクとメイのお父さんの神龍を殺した張本人よ!」
フィエッタがそう言うと、ガクとメイが悲しそうな顔をした。
ガクはネルに、メイはクラリッサに頭を撫でられていた。
「もうひとりは、最上級悪魔のヴァロッサムね!この二人だけってことはないと思うけど、あんなのが何人もいたら、もうおしまいね•••」
フィエッタは暗い顔になった。
「あと魔王のことをネザロスって呼んでなかったか?」
レオンが思い出したかのように言うと、
「ネザロスには、確か息子が居ると聞いたことがあります」
フェアリークイーンが付け加えた。
「ああ、お母さん!」
フィエッタはクイーンの傍へ駆け寄った。
「そうなると、こちらとしては何か講じれる策はあるのか?」
【ソーラーネル】のサリエルが質問した。
「やはりみんなが協力して、あのエレメンタルスパイアを攻略するしかないと思うの!」
エリスがそう言うと、
「僕もそう思う!」
レオンが同意した。
「異議なし!」
「俺も賛成!」
「それしかなさそうね!」
アクシアが最後に締めくくった。
「目下の問題は、【ムーンヘブン】のメルキドね!」
エリスが心配そうに言うと、
「ああ、メルキドにいかに協力させるかが問題だ!」
「あのーーーーー」
そこへ、リナが申し訳なさそうに出てきた。
「ああ、リナ!ごめんね、急にいろんなことが起こっちゃって、巻き込んでしまって!」
ネルがそう言ってリナの肩に手を添えた。
「いえ、さっきの【ムーンヘブン】の話なら、私が力になれるかと•••」
リナが弱々しい声で言った。
「リナ、どう言うこと?」
ハーベルが、優しく尋ねると、
「実は、今さらなんですが、私は【ムーンヘブン】の住民で、メルキド博士の命令で【ルミナラ】を偵察に来ていたのです•••」
「えっ、スパイ?」
クラリッサが反応した。
「言いにくいのですが、そうです」
リナがうつ向くと、
「リナ、ありがとう!申し出てくれて!」
ハーベルがリナの肩を軽く叩いた。
「ハーベル•••」
リナは泣きそうになっている。
「リナ、メルキドさんに一緒に魔王軍に立ち向かうようにお願いしてもらえないかな?」
「ええ、もちろんです。このままでは魔王軍にメチャクチャにされるのは目に見えています。ぜひ、協力させてください!」
リナがハーベルの両手を握った。
「うん、よろしく頼むよ!」
ハーベルがリナの手を握り返した。
「リナに【ムーンヘブン】の方は任せるしかなさそうね!」
エリスが話をまとめると、
「じゃあ、リナに渡しておくよ!」
ハーベルが、【青龍】の宝玉を手渡した。
「ええ、こんな大事なもの預かれませんよ!」
リナが突き返すと、
「これをメルキドさんに渡してあげて、おそらく神器はメルキドさんが持っているんじゃないかと思ってるんだ!」
ハーベルが確信を込めて言った。
「ええ、でも•••」
リナは困っているようだった。
「ハーベル!宝玉そのものだと、リナも困ってしまうから、ポストと転移所を渡したら?」
ネルが提案した。
「なるほど、ネル頭いい!」
ハーベルがネルに微笑みかけながら言った。
「じゃあ、これを渡しておくから【ムーンヘブン】に着いたら設置をお願いするよ!」
「分かりました!」
リナがチャンバー•アルチザンを受け取ると、
「このイヤーカフスもプレゼントしておいてくれる?」
エリスがハーベルに手渡すと、
「はい!」
ハーベルが茶々っと設定して、リナに手渡した。
「ありがとうございます」
リナが丁寧にお辞儀をした。
「それなら、僕が【ノクターニア】から国境付近までリナを送り届けるよ!」
レオンがリナに近付いてきた。
「よろしくお願いします」
リナが軽く頭を下げた。
「あとは、最後の神器の行方か•••」
エリスが申し訳なさそうにいうと、
「【白虎】の鋭牙の剣ですよね?」
ネルが質問した。
「ええ•••」
「一回、【白虎】に聞いてみたら?」
ハーベルがそう言うと、
「聞く?」
「うん、【朱雀】に会ったとき神器も一緒に託されたんだ!」
「そうか!」
「土のソーサリーエレメントに【白虎】の宝玉を捧げれば、話すことが出きるかもよ?」
「分かりました、やってみます!」
エリスが力強く答えた。
「では、結果は後で王様全員にお伝えします!」
「お願いします」
みんなが一丸となった気がした。
次回 神器の行方へようこそ!
続きの気になった方は、
ぜひともブックマークをお願いいたします。
最下部の⭐5もつけていただけると幸いです。
頑張って続きを書いちゃいます!




