タオ VS グリスの世界へようこそ!
感想やレビューもお待ちしています!
(例:「面白い!」だけなどでも結構です!)
「ハハハ、子供が相手とはなめられたもんね!」
タオが鼻で笑った。
タオ ♀
リバースサーフェス
黄と青紫(存在)
(Amber /Amethyst)
「アンバー•アメジスト」
魔法属性は、土、水、闇属性
元の職業は、農家
「お姉さん、なめてると痛い目に会うよ!」
グリスが魔導書でタオを指し示した。
グリス ♂ 【ネクロマンサー】
生者と死者(存在)
(Vitalis/Mortis)
「ヴァイタリス•モーティス」
魔法属性は、闇、水、土属性
元の職業は、神父
「アンバー•アメジスト!」
「ヴァイタリス•モーティス!」
お互いに能力を解放した。
「じゃあ、お先に!」
タオがそう言うと、何やら琥珀色の欠片を放り投げた。
「アンバー•リバイバル•T-Rex!」
タオが先に大きな声で詠唱した。
「T-Rex?」
グリスは呆気にとられて見ていた。
琥珀が弾けると、たくさんの大きな骨が現れ、あっという間に恐竜の形に組上がっていくと、骨格にみるみる筋肉や脂肪が現れて、最後に皮が張り付くと、ドでかいティラノサウルスが姿を現した。
「なんと!」
グリスはただただ見ていた。
「グワオーーーー!」
T-Rexはヨダレを撒き散らしながら、グリスの目の前で咆哮した。
「なるほど、お姉さんも召喚系なんだ!まあ、召喚と言うよりは復元って感じみたいだけどね、生きてるねそいつ!」
「うん?」
「じゃあ、僕の番ね!」
すかさずグリスが魔導書をペラペラめくると、
「アライズ•ファウルブレスドラゴン•モーティス!」
グリスが詠唱すると、光る魔方陣が現れて、ドラゴンが競り上がってきた。
ファウルブレスドラゴンは、身体中に竜の死骸や骨の鎧を付けて、身体のあちこちから酸性の体液を撒き散らしていた。
「そのティラノサウルスってただの恐竜だよね?」
グリスが半笑いで言うと、
「そんなわけないでしょ!」
タオは続け様に、
「アメジスト•ヴェンジェンス!」
タオが唱えると、T-Rexの身体にアメジストでできた鎧と牙や爪が装備された。
「ほえーーー!お姉さん凄いね!」
グリスが感心している。
ファウルブレスドラゴンが先に動いた。
T-Rexに向かって、どす紫色の毒の息を吐き散らかした。
紫色の霧が周りを覆うと、T-Rexが見えなくなった。
「はい!おしまいでしょ!」
グリスがタオに勝利宣言をした。
「何が?」
タオは表情ひとつ変えずにいる。
霧が晴れてくると、T-Rexが凄まじい勢いで飛び出してきて、ファウルブレスドラゴンを頭からパクりと食らいついて、引きちぎってしまった。
「嘘!何で毒が効かないの?」
「ハハハ!なめすぎ!」
タオは勝ち誇ったように言った。
「アライズ•フェンリル•モーティス!」
ならコイツならどうだ!
「ワオーーーーン!」
漆黒に輝くフェンリルが現れると、T-Rexが鋭い爪で襲いかかってきた。
フェンリルは素早く避けると、
「ワオン、ワオーーーーン!」
暗闇を作り出し、T-Rexを包むと、闇に紛れて後ろから噛みついた。
T-Rexはものともせずそのまま振り払って、尾でフェンリルを凪払った。
「キュイーーン」
フェンリルに直撃して消えてしまった。
「ええ、何でこっちの攻撃が効かないの?」
グリスは疑問に思いながらも、
「アライズ•ネクロ•リージャン!」
そこらじゅうから、ゾンビや骸骨戦士が無数に現れて、T-Rexに襲いかかって、身体中に取り憑いて攻撃を仕掛けた。
T-Rexは身体をブルブル震えさせて、ゾンビたちを振り払うと、巨大な足で踏み潰して粉々にしてしまった。
「グワオーーーー!」
また、勝ち誇るように咆哮した。
「ハハハ!なめてると痛い目に会うよ!」
タオが当て付けのように言った。
「ちぇっ、あんまりこの技使いたくなかったけど、お姉さんが強いのは分かったよ!敬意を表して使ってあげるよ!」
グリスが魔導書をバシッと閉じて、表紙をT-Rexへと向けた。
「ヴァイタリス•グリム•レクイエム!」
グリスの詠唱に合わせて、T-Rexの真下に魔方陣が現れると、そのまま沼に沈むように消えてしまった。
「アライズ•T-Rex•ヴァイタリス!」
そのまま魔導書をペラペラめくって召喚した。
すると、グリスの前にT-Rexが召喚されて、
「グワオーーーー!」
タオに向かってT-Rexが咆哮した。
「はあ?何それ•••チートでしょ!」
「だから、使うの嫌なんだよね!」
タオは両手を上げて降参のポーズをとっていた。
「あんた、それってまさか生き物なら何でも使えるんじゃない?」
「うん、そうだよ!」
「ハハハ•••」
「まあ、まだ人間には試したことないけどね、さすがに•••」
「ああ、完全に私の負けね!降参よ」
タオはおとなしくグリスの方へ向かって歩いてきた。
「お姉さんの能力も強いね!」
「圧勝したあんたに言われても嬉しくないけど•••」
「でも、どうして僕の召喚獣の攻撃が効かなかったんだろ?」
「ああ、教えてあげるわ!色調系のリバースサーフェスは、その色と認識できるものならかなり広い範囲で自由にできるのよ!」
「なるほど、黒や紫色のものは効果が出ないようにできるのか•••」
「そう言うことよ•••」
「あれが、赤や緑系の召喚獣ならちょっと不味かったかもね!」
「そうなのか•••」
「僕は、グリスって言うんだけど、お姉さんの名前は?」
「タオよ?」
「タオさん、僕と友達になってもらえませんか?」
「はあ?あんた敵に何言ってるの?」
「いや、もう戦ってないから敵ではないでしょ?」
「はあ••••」
タオは大きなため息を付いた。
「ああ、負けたは、ガルシアにたぶん殺されると思うけど、それまでなら友達になってあげてもいいわよ!」
「やった!タオさん、ありがとう!」
タオは少し気が楽になって、完全に戦意は喪失していた。
グリスの勝利!
タオ リタイア!戦意喪失!
次回 フウマ VS カスラの世界へようこそ!
続きの気になった方は、
ぜひともブックマークをお願いいたします。
最下部の⭐5もつけていただけると幸いです。
頑張って続きを書いちゃいます!




