ネクロマンサーの世界へようこそ! 祝100回 (^з^)-☆
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「はあ、はあ、はあ、ダメか!」
ガルシアは大きく肩で息をしながら、次の手を考えていた。
「はっはっは!我の土地に足を踏み入れたことを後悔すぐがいい!」
ファウルブレスドラゴンが、上機嫌で言い放った。
閃光無双拳で消え去った無数の黒い手がまた腹から湧き出して、ガルシアの身体のあちこちを掴み、自由を奪った。
「はあ、はあ、•••••」
ガルシアは息を整えていった。
「ファウルブレスドラゴンね!そいつ欲しかったんだよね!」
何処からともなく何やら嬉しそうな声が聞こえた。
ガルシアはニヤリと笑って、少し安心したようにも見えた。
「ガルシアさん、遅くなってごめん!」
「来てくれたか!」
ガルシアは、グリスとバシッと手を叩いた。
グリス ♂
リバースサーフェス
生者と死者(存在)
(Vitalis/Mortis)
「ヴァイタリス•モーティス」
魔法属性は、闇、土、炎属性
元の職業は神父
「ガルシア、大丈夫か?」
「ああ、レオン様!」
「グリスを見つけるのに手間取っちゃって!」
レオンが満身創痍のガルシアの肩に手をおいた。
「カスラもよく頑張ったな!」
「レオン•••」
カスラを起き上がらせると、ポーションを渡した。
「ガルシア、お前もこれを!」
【フェニックスポーション】UR
「ああ、ありがたき幸せ!」
ガルシアはポーションを飲み干すと、身体のケロイドがみるみる綺麗に治り、体力も魔力も完全回復した。
「なんだ、そのポーション!」
カスラが驚いて眼が飛び出しそうになった。
「ほお、我を前にその余裕ただ者ではないようだ•••」
「ああ、ガルシアたちが世話になったな!僕が瞬殺してやりたいところだけど、ひとりどうしてもお前が欲しいという奴がいてね!」
「我をだと?」
ファウルブレスドラゴンは小馬鹿にしたような口調で言った。
「ここは、僕に任せてよ!」
グリスが、ガルシアとカスラの前に立って言った。
「グリス、一人で殺るのか?」
カスラが心配そうに言うと、
「カスラ、まあ見ててよ!」
レオンがニヤリと笑った。
「ああ、ファウルブレスドラゴンさん僕が相手だからね!」
「我をなめておるのか!」
「いや、キチャナイから舐めたくないかな!」
「我を愚弄するとはいい度胸だ!」
グリスは手に持っていた魔道書をペラペラペラペラと捲ると、
「アライズ•ルミナス•スカラベ!」
グリスの手のひらの上に神々しい光を放つ甲虫が一匹現れた。
「グリス、まさかそれで戦うのか?」
カスラが慌てて聞いた。
「ああ、コイツにはこれで十分と!」
グリスはファウルブレスドラゴンの腹の闇の漆黒目掛けて光るスカラベを投げ込んだ。
クルっと向きを変えて、頭の後ろに両手を持っていくと、
「いっちょあがり!」
とにこやかに笑った。
ファウルブレスドラゴンの漆黒の腹から無数の手が伸びてグリスの身体を捕まえた。
「グリス!危ない!」
カスラが大声で叫んだ。
すると、ファウルブレスドラゴンの腹の中で信じられないような光が飛び散った。
光のスカラベが無数に分裂して、眼が眩むような光で腹の中が満たされると、黒い手はすべて消え去って、ファウルブレスドラゴンの身体が光輝いてそのまま飛び散ってしまった。
「はい、ファウルブレスドラゴンゲットっと!」
グリスはそう言って、持っていた魔道書を開くと、ファウルブレスドラゴンの魔方陣が写し出されていた。
「グリス、やったな!」
レオンが手を叩いて称賛した。
「助かった!グリス!」
ガルシアがグリスの肩を軽く叩いた。
「いったい、どうなってるんだ•••」
カスラはひとりで困惑していた。
「レオン様、ありがとうございました!」
「いや、遅れてごめん!」
「いいえ、もったいないお言葉!」
「カスラ!お前も僕のところで働いてくれないか?」
「•••」
「カスラ!力不足で迷っているのか?」
ガルシアが尋ねた。
「ああ、俺の力じゃとてもギルドマスターなんて無理だ•••」
「そんなことないよ!」
レオンが軽く言った。
「みんな、それぞれ得意不得意があって当たり前だ!得意なことをすればいいのさ!」
「でも•••」
カスラは迷っているようだった。
「カスラには、シーフギルドのマスターをお願いしたい!」
「カスラ!頼んだぞ!」
ガルシアが肩を強く握った。
「はい!レオン様!」
カスラは深々と頭を下げた。
「これでみんな揃ったね!」
グリスがにこやかに言うと、
「ちなみに、僕は召喚師ギルドのマスターをするからよろしくね!」
カスラの握手を求めた。
「ああ、よろしく!」
「それにしてもさっきのなんだったんだ?」
カスラが不思議そうに尋ねると、
「ああ、あれはスカラベって言って、古い時代に再生や復活のシンボルとして、護符や装飾品として使われた甲虫なんだけど、あの光のスカラベは死に纏わるものを退ける力があるんだ!」
「なるほど、それであの強大なファウルブレスドラゴンでさえ朽ち果ててしまったって訳か!」
「まあ、そう言うこと!」
「レオン様、麓でアレクシアとアーリも待たせてあります。合流して戻りましょう!」
「分かった!」
レオンは3人に触れて、イヤーカフスのオニキスに触れると一瞬でアレクシアたちの待つ麓へ転移した。
「うわ!」
「ビックリした!」
二人が驚いて大声をあげた。
「アレクシア、アーリ、待たせたな!」
「ガルシアさん!」
「レオン様!お世話になります!」
アーリが頭を下げた。
「レオン様、戦士ギルドはおまかせください!」
「二人とも頼んだよ!」
レオンは二人の肩に優しく触れた。
「そう言えば、孤児院のことを•••」
「ああ、アレクシア分かっているよ」
ガルシアがレオンに経緯を説明してくれた。
「そっか、それなら中央の教会を使うといいよ!」
レオンが提案した。
「レオン様ありがとうございます!」
アレクシアは涙を流して喜んでいた。
早速、全員で孤児院へ向かって子供たちと再会した。
「お前たち、待たせたな!」
アレクシアに子供たちが寄ってきて涙を流していた。
「じゃあ、行こうか!」
レオンはそう言うと、光るキューブを取り出して、
「オープン!」
と叫ぶと、一瞬でパタパタと音を立てて人が入れる大きさの部屋になった。
「なんだこれ!」
「スゲー!」
子供たちが周りをはしり回って喜んでいた。
「何ですか?」
ガルシアが尋ねると、
「これね、チャンバー•アルチザンって言う神器らしいんだけど、ハーベルしか使えないんだって!なんでも部屋が作れるらしいんだけど、詳しくは僕にも分からない!これで、転移できるようにしてくれたんだ!」
「ええ、転移を?」
「ああ、みんなその転移陣へ乗って!」
レオンがそう言って、何やら操作すると色の違う魔方陣の部屋へ移動していた。
そこには、レオンはいなかった。
「あれ、レオン様は?」
「さっきの神器を回収してから戻ってくるのでは?」
「ああ、そうか!」
レオンはみんなを見送ると、
「クローズ!」
と言って、パタパタと元の小さなキューブに戻ったチャンバー•アルチザンを手にして、カフスのオニキスを擦った。
「レオン様!」
「ええ、どうやって来たの?」
「僕だけ、このカフスがあるから別で転移できるんだ!」
「なんと、便利!」
「今度、みんなの分も発注しておくよ!とりあえずガルシアの分だけあるから渡しとくね!」
レオンがそう言って、黒曜石のついたイヤーカフスを手渡した。
「こんな貴重なものを私にはもったいない!」
「いや、仕事に必要だから、ちゃんとつけろよ!」
「分かりました!」
ガルシアは受け取ったイヤーカフスを右耳につけると、
「カッコいい!」
アーリが少し頬を赤くして微笑んだ。
「まさか!ガルシアさん!」
ガルシアも柄にもなく顔を赤らめてしまった。
次回 伝染病の世界へようこそ!
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頑張って続きを書いちゃいます!




