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 僕は……  作者: イナカのネズミ
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〜 カルロス・ロレンソ ⑤ 〜

 〜 カルロス・ロレンソ ⑤ 〜




 僕は再びビジネスジェットに乗って亜米利加大陸へと向かっている。


 僕にとってこの数日間の出来事は現実では無く夢を見ているのではないかと思う事がある。

 目が覚めれば大学の寮のベッドの上なんて事であれば良いのに……


 等等と現実逃避しながら自分の頬を抓る。

 "やっぱり……痛い……"

 僕は心の中で諦めたように呟く。


 「どうしたの?カネツグ?」

 僕に問いかける声がする……その声の主はリンダである。

 当然だが、これも幻聴ではない。




 時を遡る事、2日前……

 僕は◯菱商事の本社ビルの帰りにカルロスの宿泊する予定の某◯国ホテルのスィートルームに案内された。


 インペリアルフロアと言われる階にあるこのホテルの最高ランクの部屋である。

 広さ150㎡の部屋に定員が1〜3名と言う僕達のような一般人は、まず利用することの無い部屋である。


 部屋に入って僕は驚いた。

 部屋の豪華さもさることながら、そこにはリンダがいたからである。


 「パパっ!これどう言うことなのよっ!」

 リンダは部屋に入ってきたカルロスに詰め寄る。


 「リンダ、来てたのか?」

 カルロスは詰め寄るリンダに動じる気配はない。

 「見ての通りだよ、my honey」

 そう言ってカルロスはリンダを抱擁しようとするのだが……


 「ちょっと!止めてよっ!!」

 リンダに露骨に嫌がられてカルロスは少し寂しそうである。


 リンダは僕の方を見るとすまなさそうな表情になる。

 「本当にごめんなさいっ!」

 リンダはそう言うと大きく頭を下げる。

 そんなリンダをカルロスは困ったような表情で頭をボリボリと掻いている。


 「あの〜リンダさん……」

 僕は頭を下げているリンダに困惑する。

 「謝る必要なんて無いですよ」

 僕がそう言うとリンダはゆっくりと頭を上げる。

 「いろいろと驚いた事は確かですが……」

 「今は、全く気にしていませんから」

 僕の言葉にリンダは唖然としている。

 そんなリンダに僕は今までの経緯を話す。



 「えっ!カネツグ君の実家に行ったの……」

 「あの……父が何か失礼な事しませんでしたか……」

 リンダは少し怯えるように恐る恐る僕に問いかけてくる。


 「そんな事は全くありませんでしたよ」

 「家の父も喜んでいましたし……」

 僕の言葉にリンダは唖然としている。


 「それ……本当なの?」

 リンダは僕の言葉が信じられないようだ。

 すると、僕とリンダの会話を聞いていたカルロスが……


 「だったら、明日、リンダもカネツグの実家に行かないか?」

 「俺も帰りに師匠マスターに挨拶しておきたいしな」

 「Niceな Japanese Classic Houseだぜっ!」

 カルロスの提案にリンダは困惑しているのがわかるのだが……


 「……ん……ん……」

 リンダは小さな呻き声のような声を上げながら、かなり悩んでいるのがわかる。

 

 「あの……リンダさんもどうですか?」

 悩みに悩んでいるリンダをみかねた僕がリンダに問いかけるとリンダはは"えっ?"と言う表情になる。


 「本当にいいの?」

 リンダの問いかけに僕はニッコリと微笑むとリンダも嬉しそうな表情になる。


 そんなリンダの様子を確認すると僕はポケットから携帯電話を取り出し家に電話する。

 当然、父は快く了承してくれる。



 そんな僕とリンダの様子を窺っていだカルロスはニッと不気味な笑いを浮かべると……

 「カネツグ、今日はここに泊まっていけよ」

 「休み無しで疲れてんだろう」

 カルロスの突然の提案に僕とリンダは目が点になる。


 今まで、カルロスはリンダに近寄る男と言う男は害虫駆除するかのように寄せ付けなかったからである。

 そのカルロスがリンダと同じ部屋に泊まって行けと言うのである。


 僕とリンダが驚くのも無理はないのである。



 「流石にそれは……」

 僕は少し困惑したかのように言う。


 「何言ってるのよパパ、カネツグ君が困っているじゃない」

 僕が困惑しているのを見たリンダはカルロスに言うのだが……


 「この部屋は寝室が2部屋ある」

 カルロスはそう言うとリンダの方を見ると何か意味ありげにニヤリと不気味に笑う。

 

 「……」

 リンダは少し頬を赤くして俯いてしまう。

 そんなリンダを少し笑ってように見ているカルロスのその表情は完全な父親のであった。


 「そう言う事だから今日は泊まって行け」

 結局、僕はカルロスに押し切られて泊まる事になったのであった。



 ルームサービスで豪勢な夕食を食べる。

 相変わらずカルロスは物凄い勢いで料理を吸い込むのだが……

 リンダは至って普通であった。

 何故か心から安心する僕であった。


 食事をしながらカルロスは今までの経緯をリンダに楽しそう話す。

 そんなカルロスを見ていると僕は何故か不思議な錯覚に陥る……

 

 "つい先日、カルロスには会ったばかりなのに……"

 "昔から知っていたような……気がする"

 僕は心の中で呟くと楽しそうに話すカルロスの様子を見ているのであった。



〜 カルロス・ロレンソ ⑤ 〜



 終わり

 

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