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 僕は……  作者: イナカのネズミ
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〜 メリッサ・ベルナール  ① 〜

〜 メリッサ・ベルナール  ① 〜



 メリッサ・ベルナール、20歳、国籍フランス、白人、金髪、碧眼、身長180センチ、体重60Kg、B87W61H89……


 背が高く整った顔立ち、輝くような金髪に透き通るような白い肌、綺麗な青い瞳、そして、絵に描いたような抜群のプロポーション……

 その外見は何処から見てもファッションモデルそのものである。


 しかし、その外見とは裏腹に彼女自身は田舎育ちの農家の娘なのである。


 そのあまりのギャップの凄さに多くの人は吃驚してしまうのである。

 この事が彼女、メリッサ・ベルナールの今の内気な性格を決定づけてしまったと言える。


 

 小学生ぐらいまでのメリッサは活発な子であり草原を裸足で駆け回るような、いわゆる男勝りの野生児であった。

 しかし、中学生ぐらいになると彼女の身体は急速に成長を始める。

 高校生ぐらいには、ほぼ現在の姿になったのである。


 その急激な変貌ぶりは芋虫が蝶になるようなものであり家族ですら吃驚する程の変貌ぶりだった。

 本来ならば女性として喜ばしい事なのだろうが当のメリッサにとっては必ずしもそうでは無かったのである。


 当然、女性としての身体の急激な成長で同級生の男子達から好意を寄せられる事も多くなり愛の告白を受ける事も多々あった。

 しかし、それはメリッサにとっては重荷であった。

 彼女の心は急速な身体の成長に対しそれ程でもなく、どちらかと言えば遅い方だったのである。


 それが明るく活発だったメリッサを内気で内向的な性格へと変えていったのであった。

 皮肉な事に芋虫から蝶へと変貌し綺麗な羽を手に入れた事により逆に飛べなくなってしまったのだ。


 そんなメリッサにも大きな転機が訪れる、フランスでも屈指の名門校ソルボンヌ大学への入学である。

 これもまた皮肉な事に内気で内向的な性格になってしまった事がメリッサの学力を大きく向上させたのであった。

 

 フランスは日本とは違い学費は完全な無償であり滞在費だけで済むのであるがフランスのパリはイギリスのロンドンと並び、とにかく家賃が高いのである。

 だが幸いな事にメリッサの親戚がパリ郊外に住んでいるのでそこに下宿させてもらえる事になったのである。


 そして、更なる転機が訪れる。

 

 スタンフォード大学への短期留学と、和泉兼次のと出会いである。

 それは、メリッサにとって初めての海外生活であり初めての恋であった。

 

 メリッサにとっては何もかもが新鮮で初めての体験であり……

 これがメリッサの心の成長、特に女性としての成長を急激に進める事になったのだった。




 和泉家のサウナ風呂……

 メリッサと絵梨香が対面している。


 「……」

 少しの社交辞令的な会話をした後、メリッサと絵梨香は無言でお互いの様子を窺ってる。


 "それにしても……"

 "本当、凄い美人ね……"

 "兄さんも、隅に置けないわね……"

 "こんなひとを家に連れへ来るなんて……"

 絵梨香は何だか僕に負けたような気分になり心の中で少し悔しそうに呟く。



 その一方、メリッサも絵梨香を見て別の事を考えていた。

 "やはり、カネツグの妹さんとは……"

 "仲良くしておいた方が後々の為にも絶対に良いわ"

 "それにしても……兄妹にしては……"

 "全く似ているところが無いわね……"

 メリッサは絵梨香の顔と体を改めてよく見ると心の中で不思議そうに呟くのであった。

 "今は、そんな事はどうでもいいわ"

 "ここはやっぱり……"

 メリッサが女の算段をしていると絵梨香が不意に話しかけてくる。


 「あの……メリッサさん……」

 「私の兄とはどう言うご関係ですか?」

 絵梨香の当然の問いかけにメリッサは"やっぱり"と言う表情になる。


 「今は……ただの親しい友達かな……」

 「今はね……」

 メリッサはそう言うと意味ありげに微笑んで絵梨香の方を見る。


 「そっ、そうなの……」

 絵梨香は自分の予想に反する、あまりにも堂々としたメリッサの態度に少し慌ててしまう。

 "このひと、兄さんの事が好きなんだわ……"

 "これはっ!兄さんの貞操の危機っ!!"

 "しかも、相手は恋愛上手のフランス女っ!!!"

 絵梨香は僕の事が心配になってくるのだが……


 "私って、何て大胆な事を言ってしまったのかしら"

 しかし、メリッサは絵梨香の想像する恋愛上手のフランス女とは全く違うのである。

 そんな絵梨香と腹裏腹に普段の自分とは全く違った言動に今更ながら少し焦っているメリッサであった。


 「メリッサさんはフランスの人なんでしょう?」

 「アメリカにも日本にも凄く遠いですね」

 絵梨香はそう言うとメリッサの表情を窺う。


 「そうですね……」

 「でも、今はビデオ通話も簡単にできますし……」

 「距離に関しては"Not a problem."ですね」

 ワザと"Not a problem."を強調して遠回しな絵梨香の忠告にもメリッサは全く動じる気配がない。


 "このひと……"

 "意外と自信家なのね……"

 "よくある、美人を鼻にかけた"嫌なタイプ"なのかもしれないわね"

 絵梨香は心の中で嫌そうに呟くと……

 「……で、うちの兄の何処がいいのですか?」

 この問いは絵梨香にとっては何の裏をも無い当然の疑問であった。


 「それは……その……あの……」

 「何と申しますか……」

 メリッサは恥ずかしそうな先ほどとは全く違った反応を見せる。


 「…………」

 頬を赤くしてモジモジしているメリッサの様子に絵梨香は目が点になる。

 "何なの?このひとは……"

 "さっきとはまるで態度が違うじゃ無いの"

 絵梨香は予想外のメリッサの反応に少し戸惑う。


 「私と同じなんです……」

 突然、メリッサが呟くように絵梨香に答える。


 「家の兄さんがメリッサさんと同じ……」

 「……って、何処が同じなんです?」

 絵梨香はあまりにも意外なメリッサの答えに首を傾げる。


 メリッサの事をまだよく知らない絵梨香からすれば大人と幼稚園児ぐらいにしか見えないのである。

 「もしかして……そっちの方の趣味がお有りで……」

 「確かに、兄さんは凄く可愛いですけど……」

 絵梨香は思わず本音を口にしてしまい、何となく納得しかけてしまうのだが……


 「ちっ!違いますっ!」

 「違いますぅ!!」

 メリッサは顔を真っ赤にして否定するのだから絵梨香が疑いの眼差しで自分を見ているのがわかる。

 「本当にそんなんじゃありませんっ!」

 必死になって否定するのであった。


 そんなこんなでサウナ風呂で女同士の裸のお付き合いは続くのである。


 

 〜 メリッサ・ベルナール  ① 〜


 終わり


 

 

 

 

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