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勝負した記憶がない

お久しぶりです。

「……というわけで氷河は記憶喪失なので分からない事があったら、みんなが助けてやってくれ」


「ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします」


 頭を下げるがやはり反応はない。

 この状況を打開するため、僕のとった行動。

 

『前回同様に記憶喪失のフリをする』だ。


 だが……


 スキャンダル騒動がないにも関わらず今回も無視された。

 前回は千花に対し僕が酷い仕打ちをしたと思ったから皆はあのような行動を取ったのだ。

 その張本人の千花といえば、俯いたままで表情はわからない。

 しかしこれも想定内。

 あの時と違い、俺には()()()()()()()()()()()()


 授業が進むと予想しないことが起きた。


「ねえ、氷室くん。あの噂は本当なの?」


 隣の席の山田さんがヒソヒソ声で話かけてきたのだ。

 俺は記憶喪失のはずなんだが。

 とりあえず山田さんを無視するわけにもいかないので聞いてみることに。


「あの噂って?」


「大沢先輩と勝負するって」


「……勝負?」


 俺が大沢と?なんのために?

 そんな過去など知らない。


「記憶が曖昧だからよくわからないけど」


「あっ!そうだった!ごめんなさい。退院して学校へ来たからてっきり千花ちゃんを助けるために勝負するのかと」


 気付けば授業中にもかかわらず、みんなの好奇な視線が。

 どうやらみんなが知ってるいるらしい。

 ちょうどその時、偶然にも千花と目があってしまった。

 今度は目を逸らさずじっとこちらを見つめていた。


「みんなが無視した原因はそれか」


 大沢財閥の力がそこまで大きくなっているとは。


「大沢一族に目をつけられるのが怖いのよ。私は氷室くんが救世主だと思ってる。小説の主人公みたいにね」


 これは大沢の目的を探り時の流れを軌道修正する大きなチャンスだ。

 記憶喪失のふりをしているが問題ない。

 きっとヤツらは僕の能力を知らないのだろう。


「僕は怖くない。なんせ記憶がないからね」


 冗談のつもりで言ったはずが……


「さすがすでに親友を葬った人は言うことが違うわね」


「はっ?」


 順番が違うけど宮本の件は終わっているようだ。

 まあ、これ以上の心配事がないのは助かる。


 こうして僕は大沢と対決する意志を固めたのだった。



 * * *


 成り行きで宣言してしまったが、大まかに説明してもらう。

 クラスが違うので白鳥さんの情報は限られていたからだ。


 まずは千花についてだが、入院している間に大沢から生徒会へ勧誘されていた。

 勧誘と言ってもほとんど脅迫に近かったらしい。

 大沢みずから教室へ足を運び「氷河くんがどうなってもいいのかい?」の一言で教室から出ていったらしい。


「……」


 現在学校は大沢財閥に買収され誰も逆らうことが出来ない状態だった。

 だが……ここで大きな疑問が浮かぶ。

 たった3日間でここまで過去と違う事が起こりえるのだろうか?山田さんを含め詳細な情報が流れすぎてやしないかと?


「誰から聞いたか覚えてる?」


「うーん……どこからともなく噂が広がってきてよく覚えてない」


「噂か……」


 噂ほど信じられないものはない。

 なぜなら僕には完全記憶能力があるから見たことや聞いた事実しか信じない。

 噂によって意識をコントロールされたら危険なのだ。


 ガラガラ!?

 

 思考を巡らせていると授業中にもかかわらずドアが開いた。


「授業中失礼します。小松さんと氷室くんをお借りしてもよろしいですか?」


 薄ら笑いを浮かべる人物が先生にお伺いをたてているが、実際は圧力をかけていると言った感じだ。


「あ、ああ…構わなーー」授業中ですので昼休みにお願いします」


 了承する先生を無視して、かぶせるように僕が答えるとその人物から笑顔は消えていた。

 まさかこんな白昼堂々と会いに来るとは。


「よろしいですか?大沢彗……生徒会長」


「……小松さんは僕に従おうとしていたがまあいいだろう。では昼休みに屋上で」


 その言葉に反応し千花へ視線を向けると、無表情で立ち上がっていた。

 先生といい、千花といい何かひっかかる。


「はい。では後ほど」


 さて……おそらく記憶喪失のふりは通じない相手だけど、昼休みまでに作戦をねるとしよう。


本職がかなり忙しく間があいてしまいましたが、落ち着いてきたのでまた投稿再開します。

引き続きよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] おそらく主人公の苗字を書き間違えています 数話前の医療関係者やこの話の冒頭の教師のセリフで氷河なのが途中から氷室に変わっています
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