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後悔の記憶がある

36話から修正して今回の話は大幅に修正したため短くてすいません。

「メモリーさま、そういえば護身術も思い出していらっしゃるようですが、記憶がもどられたのですか?」


「ぶふぉー!」


 唐突に白鳥さんから質問されて、スープカレーを吹き出してしまった。


 最近では用心して生徒会メンバー全員でお昼ご飯を食べに食堂へ来ることも多い。


「ほ、ほら!毎日体を動かしていたから、体が覚えていて部分的に記憶が戻ってるのかも」


 千花が話に入ってきてフォローを入れてくれる。


「それなら先輩はわたしの体の感触も覚えているはずですね!」


「「「えっ!?」」」


 小悪魔が調子に乗って冗談をかますから、白鳥隊の全員が嘘を信じて僕をジト目で見ているじゃないか。


「冗談に決まってるでしょ。それよりみんな護身術がだいぶ上達してきたね」


「先生がいいからです……」


 そんな恥ずかしそうに言われるとなんだかこっちまで照れてしまう。


「それで?あの金髪とスキンヘッドはあれからどうなったのよ?」


「警察から説明を受けた校長と学年主任の話では、ゲームセンターで声をかけられてお金をやるから生徒会の女を狙えって言われたらしい」


「依頼主の素性は分かったのかしら?」


「帽子を被ってサングラスをしていたから分からないみたい。ただ……ゲームセンターの入り口で怪しい大きな男がずっとこちらを見ていたらしい」


「きっとあのブタですよ先輩!」


 大沢(弟)の可能性が高いけど、直接依頼したのは別の人間だしその男と接触している証拠もない。


「そうかもしれない。でも立証するのは悔しいけどかなり難しいな」


「悔しいですね……」


 このまま泣き寝入りするしかないのだろうか?

 帽子にサングラスの男……

 ブタが便利に使える男……


 ……アイツか?


 ほんの僅かな可能性を求めて、僕は1通のメッセージを送った。



 * * * *



「久しぶりだね。元気……なわけないか」


「停学中の俺にわざわざ皮肉を言う為に呼び出したのかよ?」


 僕がメッセージを送った相手、それは元親友の浩一だった。

 

「少し聞きたいことがある」


「随分と男らしくなったじゃねーか」


「誰かさんのおかげでね」


 あれだけいろんな事をされれば僕だって変わるのは当たり前だ。


「……それでなにが聞きたいんだよ?」


「大沢……って言えば分かるかな?脅されていろいろやらされてるでしょ?」


 核心はない。でも便利に捨て駒のように使える人物は、ブタには浩一しかいないと思ったのだ。

 生徒会選挙の時だって応援している素振りはまったく見せず、自分は高見の見物をしていた。


 人望がないブタの指示通り動く人間なんて弱みを握っている相手ぐらいしか思いつかない。


「……」


 浩一は俯いたまま何も言わずにただ黙っている。


 静けさに包まれ数分が経ち、ようやく浩一が口を開いた。


「……どこで俺は間違えたのかな?もうどうしたらいいか、わかんねーよ……」


 浩一の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。


読んで頂きありがとうございます。


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